検索
         
  1. スマートウォッチライフTOP
  2. コラム・業界分析
  3. 「アメリカ人の4分の1はスマートウォッチを使用中」との調査結果

「アメリカ人の4分の1はスマートウォッチを使用中」との調査結果

コラム・業界分析

公開日: 最終更新日:

 

アメリカに住む成人の約4分の1(21%)が日常的にスマートウォッチ(Apple Watchなど)、あるいはウェアラブルのフィットネストラッカー(Fitbitなど)を使用している。

そんな研究レポート(*1)をシンクタンク「ピュー研究所」が発表しています。

2019年6月3-17日に実施した調査を元にしたものです。少し古いデータになりますが、逆に言えば新型コロナウイルスのパンデミックによる「巣ごもり需要」の影響は受けていません。

*1. About one-in-five Americans use a smart watch or fitness tracker.

https://www.pewresearch.org/short-reads/2020/01/09/about-one-in-five-americans-use-a-smart-watch-or-fitness-tracker/

全米から4,272人がオンラインでこの調査に参加しました。米国社会の実情をなるべく正確に反映するため、データのサンプリングは慎重に行われたとのこと。性別、人種、民族、所属党派、教育、その他のカテゴリーごとに、回答者の分布を実際の比率に近づける試みがなされました。その結果、興味深い分析結果がいくつか報告されています。

性別、人種、年代別で意外な結果も

スマートウォッチやフィットネストラッカーはけっして安いモノではありません。当然のことながら、収入は大きな要素になります。世帯収入が75,000ドル以上のアメリカ人の31%が日常的にスマートウォッチかフィットネストラッカーを使用していると回答しています。

当時の為替レートは1ドル約110円でしたので、約825万円以上という計算になります。世帯収入が30,000ドル(約330万円以下)になると使用者の割合は12%まで落ちます。全世帯を平均すると、前述した21%という数字になるというわけです。

収入と密接に関連していると思われますが、学歴もまたスマートウォッチやフィットネストラッカー使用者の割合に影響する要素のひとつです。

大学院卒以上が27%、大学卒が25%、そして高校卒が15%と、学歴が高くなるほど、使用者の割合が大きくなります。

ここまでは誰もが予想できる結果だったと思います。しかし、アメリカ社会の人口分布とスマートウォッチやフィットネストラッカーの使用割合との関連を様々な切り口から見ていくと、意外な結果もいくつか明らかになりました。以下、主なものを箇条書きで列挙します。

●女性の方が男性より使用率が高い(女性25%、男性18%)
●有色人種の方が白人より使用率が高い(ヒスパニック系26%、黒人23%、白人20%)
●若い世代の方が高齢世代より使用率が高い(18-49歳25%、50歳以上17%)
●郊外に住む人は都会生活者より使用率が高い(郊外24%、都会20%、田舎18%)

一般的には、アメリカで富裕層と言えば、郊外に住む高齢の白人男性が連想されます。しかしながら、このステレオタイプ的発想はスマートウォッチやフィットネストラッカーの普及度を予測するためには必ずしも有効ではないようです。

レポートは別の側面からもうひとつ興味深い分析結果を報告しています。「フィットネストラッカーのデータを心臓病の研究に役立てることを了承しますか?」という質問への回答です。これが上の分析結果と相似した傾向を示したのです。

「了承します」と回答した人は有色人種の方が白人より多く、18-49歳の方が50歳以上より多かったということです。

経済的余裕があることに加えて、新しいテクノロジーへの恐れや抵抗感が比較的小さい層がスマートウォッチやフィットネストラッカーに関しては主流ユーザーになるのかな、とこれは個人的な感想です。

●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookはhttps://www.facebook.com/WriterKakutani

※本記事のリンクから商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームより当サイトに還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報になります。
     

関連記事


   

RANKING

  1. IKEAがMatter対応の新スマートホーム製品を21点発表。グローバルサイトで公開された次世代シリーズの全貌

  2. Galaxyスマートウォッチが今年最大級の値下げ! Amazon&楽天ブラックフライデー2025で最新モデルが勢ぞろい

  3. 米Forbesが「2025年ベストスマートウォッチ」を発表。専門メディア視点でランキングの妥当性を考察

  4. 【Amazonブラックフライデー2025】スマートウォッチが続々値下げ! 人気ブランドの最新セール情報まとめ(編集部調べ・11月30日更新)

  5. ChatGPTに西洋占星術の結果を分析させると「当たりすぎて怖い」? その“的中感”の正体を徹底解説

  6. 【速報】UltraHuman Ring Pro が商標登録。NFC決済対応の“再設計モデル”が登場間近か

  7. スマートリングの次は“耳”へ。米国で血流トラッキング搭載のスマートイヤリングがデビュー

  8. 米スポーツ界では当たり前。スマートリングの活用が日本でも広がる気配――プロ野球選手の着用例も登場

  9. スマートホームを支える共通規格「Matter」とは?仕組みとメリットをやさしく解説

  10. 【ブラックフライデー2025】スマートリングが続々セール!人気モデルが今年最大規模の値下げに

   

NEW CONTENTS

  1. 村田製作所がCES 2026で“次世代スマートリング技術”を公開へ。国内外メーカーを支える基盤技術として注目

  2. Apple Watchの「転倒検出」が登山者を救助。視界ゼロのまま山肌を滑落した男性を救った“最後の頼り”とは

  3. Apple Watchの「高血圧パターンの通知」の使用説明書を徹底解説。日本版とグローバル版の違いも

  4. 最高級プエブロレザー使用の「ゴールドマイニング・Apple Watchレザーバンド」が発売。イタリア革 × 日本職人の新シリーズ

  5. スマートリング市場は2025年に400万台規模へ。Omdia調査が描く「次世代ヘルスエコシステム」の姿とは

  6. Apple Watch Series 10の整備済製品が追加!12月5日13時の最新在庫まとめ

  7. 米Forbesが「2025年ベストスマートウォッチ」を発表。専門メディア視点でランキングの妥当性を考察

  8. Apple Watchの高血圧通知を支える“2,000人超の臨床データ”とは? 日本提供開始で知っておきたい科学的根拠

  9. Apple Watchの「高血圧パターン通知」が日本上陸。その詳細と米国メディアや専門医の評価とは

  10. スマートホームを支える共通規格「Matter」とは?仕組みとメリットをやさしく解説