2025年9月末、Appleは「Apple Watch Series 3」を正式に「ヴィンテージ製品(Vintage Product)」のリストに追加しました。また同時に、iPhone 11 Pro Maxも同じ扱いとなりました。いずれも多くのユーザーに長年愛されたモデルだけに、「ついにその時が来たか」と感慨深いニュースです。
この記事では、「Appleのヴィンテージ製品」とは何か、そしてその指定を受けると何が変わるのかを、Apple公式情報をもとにわかりやすく解説します。
Apple Watch Series 3が「ヴィンテージ」入り
Apple Watch Series 3は2017年9月に発売され、長らくエントリーモデルとしてラインナップされ続けた製品です。2022年秋まで販売が続き、5年以上にわたってApple公式ストアで販売された異例のロングセラーでした。
しかし2025年9月末、Appleはこのモデルを「ヴィンテージ製品」に分類。これは販売終了から5年以上7年未満が経過した製品に適用されるカテゴリで、Apple WatchとしてはSeries 4に続く追加となります。
「ヴィンテージ製品」とは? Appleの公式定義

Apple公式サイトでは、ヴィンテージ製品を次のように定義しています。
「Appleが販売店への供給を停止した日から5年以上7年未満の製品」
この期間に該当する製品は、部品の在庫がある限り修理サービスを受けられますが、在庫がなくなると修理対応が難しくなります。また、OSのアップデートや保証サポートも基本的に終了します。
つまり、ヴィンテージ入りは「完全なサポート終了」ではありませんが、「現役としてのサポートはほぼ終盤」というサインでもあります。
「オブソリート製品」との違い
販売終了から7年以上が経過すると、Appleはその製品を「オブソリート(Obsolete)」として扱います。この場合は、Appleおよび正規サービスプロバイダによる修理・部品提供が完全に終了します。
Macノートブックの一部を除き、Appleではオブソリート製品のハードウェア修理サービスを提供しません。
| 分類 | 対象期間 | サポート内容 |
|---|---|---|
| ヴィンテージ製品 | 販売終了から5〜7年未満 | 部品がある限り修理可能 |
| オブソリート製品 | 販売終了から7年以上 | 修理・部品提供なし |
Apple Watch Series 3が果たした役割
Apple Watch Series 3は、GPSモデルとGPS + Cellularモデルが用意された初期のセルラー対応モデルであり、以後のApple Watchの礎を築いた製品でもあります。watchOS 9では対応外となったものの、2022年まで販売が続くなど、異例のロングセラーとして多くのユーザーに愛されました。
その一方で、Series 3の性能では最新のOSやアプリとの互換性が徐々に難しくなり、買い替えを検討する人も増えていました。今回のヴィンテージ指定は、Appleとしても明確な世代交代のサインといえます。
今後どうすべき? Series 3ユーザーへのアドバイス

今でもSeries 3を使っている人も少なくありませんが、今後はOSアップデートが提供されず、アプリの互換性も徐々に失われていきます。電池交換なども在庫限りの対応となるため、今後も使い続けたい場合は早めのメンテナンスをおすすめします。
一方で、最新のApple Watch SE 3やSeries 11では、性能・バッテリー・健康管理機能などが飛躍的に進化しています。Series 3からの買い替えでは、ほぼすべての機能面で違いを実感できるでしょう。
まとめ:「ヴィンテージ」は終わりではなく“一区切り”
「ヴィンテージ」という言葉には、どこか懐かしさと価値の両面があります。Apple Watch Series 3も、まさに時代を支えた名機。これからも多くのユーザーの記憶に残る存在であり続けるでしょう。
そして「ヴィンテージ入り」は、Appleが次の技術革新へ進むサイクルの中での自然な節目です。今使っているデバイスがどの時代のものなのか、ふと振り返ってみるのも面白いかもしれません。
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