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通勤で歩く距離が長い人ほど仕事の生産性・満足度が高い!米国の学術研究の興味深い結果を紹介

新型コロナウイルスが収束するにつれ、リモートワークが廃止、または縮小されていくというニュースをよく見聞きします。

経済が活性化し、人々の生活が正常に戻っていくことは喜ばしいのですが、約1年半ものリモートワークに慣れた後では、再開した日々の通勤をストレスに感じる人も多いでしょう。

そうした気持ちを抱く人は日本でも米国でも同じようにいるようです。

「通勤のストレスが労働者のパフォーマンスにどう影響するか」をテーマにした論文(*1)が米国アイビーリーグの1つ、ダートマス大学から最近発表されると、地味な学術サイトに掲載されたにもかかわらず、いくつかのニュースメディアで取り上げられました。

米国の研究なので、日本の通勤事情とはかなり異なりますが、それでも興味を引く内容だと思います。

*1. Wearable tech confirms wear-and-tear of work commute 
https://www.sciencedaily.com/releases/2021/11/211119085150.htm

通勤時の個人データがその日のパフォーマンスを予言する

この研究は通勤が身体的にも心理的にも仕事の質に影響することを改めて確認しました。

それと同時に個人が着用するフィットネス・トラッカーなどのウェアラブル機器から得られるデータが個人の職場における生産性と満足度を向上させることに役立つことも証明しました。

調査は新型コロナウイルス感染拡大が始まる前に、1年間に渡って行われたとのことです。

275人の労働者が被験者として参加しました。彼らにはフィットネス・トラッカー(Garmin vivosmart 3)を通勤時に着用してもらい、スマートフォンのアプリも併用されました。

そして通勤前と到着後30分ごとに、被験者たちの身体的及び心理的なパターンがデータとして収集されました。そこには活動レベル、スマートフォンの使用、心拍数、そしてストレスが含まれました。さらに通勤の長さ、形態、天候、場所などの外的要因も含めて、データ解析が行われました。

論文著者らは以下のような通勤と職場でのパフォーマンスの間で以下のような相関性があることを指摘しています。

• パフォーマンスが高い人は、毎日決まった時間に職場へ到着し、決まった時間に帰宅する傾向がある
• パフォーマンスが高い人は、身体的なフィットネスレベルと心理的なストレスレベルが一定している傾向がある
• パフォーマンスが低い人は、通勤の前、途中、そして後で、より大きなストレスを感じている
• パフォーマンスが低い人は、通勤時にスマートフォンを使用している時間が長い

論文著者らは、「通勤によってもたらされるストレス、不安、そしてフラストレーションは労働の生産性を下げ、非協力的な態度を助長し、そして組織への忠誠心を減らすことに繋がる」と結論で述べています。

どれもこれも、今さら言われるまでもないだろうと思わざるを得ない内容なのですが、こうした結論を導くためのデータ収集にウェアラブル機器を使った学術研究は実は初めてだということです。

通勤で歩く距離や時間が長い人ほど仕事の生産性と満足度が高い!

一方で、通勤イコール悪いこととは必ずしも一概には言えないとするデータも発見されました。

通勤で歩く距離や時間が長い人ほど、職場での生産性と満足度が高くなる傾向があるのだそうです。

歩くことに限らず、運動が心身の健康に良い効果をもたらすことは他の多くの研究で証明されています。職場への移動が避けられないのであれば、なるべく歩いた方が良いと言えるでしょう。

よく「駅から徒歩○分」という長さで不動産の価格が変わりますが、実は駅から遠ければ遠いほど価値が高いのかもしれません。

ブルース・リーが残した唯一の著書である『Tao of Jeet Kun Do/日本語訳名:秘伝截拳道への道』にも、以下のような文章があります。通勤をする上での心構えとして覚えておいても損はないでしょう。

「なるべく歩くようにしなさい。たとえば、目的地から数ブロック離れた場所に駐車するように。エレベーターを使わずに、階段を上りなさい」(筆者訳)

●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。

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