2025年10月8日(現地時間)、スイスの高級時計ブランドタグ・ホイヤー(TAG Heuer)は、第5世代スマートウォッチ「TAG Heuer Connected Calibre E5」を正式発表しました。
同モデルで初めて採用されたのが、完全自社開発による新OS「TAG Heuer OS」。
これにより、従来のGoogle製 Wear OSから脱却し、タグ・ホイヤー独自のデジタルエコシステムへと進化を遂げています。
TAG Heuer OSとは?
TAG Heuer OSは、タグ・ホイヤーがブランド哲学に基づいて開発した完全独自設計のスマートウォッチOSです。
これまで同社の「Connected」シリーズではWear OSを採用していましたが、第5世代モデルで大きな転換を果たしました。
この新システムは、「精度とクラフツマンシップにふさわしいデジタル体験」を目指して設計。
ユーザーインターフェース(UI)はよりミニマルに、操作レスポンスは向上し、すべての操作が滑らかに繋がるシームレスなデジタル体験を実現しています(公式プレスリリースより)。
また、「TAG Heuer OS」はAndroid オープンソース プロジェクト(AOSP)をベースとしており、Wear OSと同じルーツを持ちながらも、Google依存を排した独自進化型OSといえます。
TAG Heuer OSとWear OSの違い
1. 開発主体と哲学の違い
・Wear OSはGoogleが主導するオープンプラットフォームであり、汎用的なスマートウォッチ向けOS。
・一方TAG Heuer OSはタグ・ホイヤーが自社で設計・最適化し、時計ブランドとしての精度・デザイン・操作性を重視した“専用OS”です。
Wear OSが「多機能・汎用性」を特徴とするのに対し、TAG Heuer OSは「高級感と操作体験」を重視しています。
そのため、Google Playアプリの導入などの拡張性は制限されるものの、ブランドとしての体験の一貫性が向上しています。
2. iPhone連携の強化
TAG Heuer OSは、AppleのMFi(Made for iPhone)認証を取得。
これにより、従来のWear OSモデルでは制限が多かったiPhoneとの接続性が大幅に改善され、ペアリング速度は従来比で1/5に短縮されています。 iOSユーザーにとっても、Apple Watch以外の選択肢として現実的な選択肢になった点は大きな進化です。
3. 高速な操作性と安定性
公式発表によると、TAG Heuer OSではレスポンスが飛躍的に向上し、インターフェースの視認性・動作の安定性が改善。 Wear OSに比べ、ブランド独自の最適化により遅延の少ない操作感が実現しています。
4. 機能面の違い
TAG Heuer OSは、音声通話や音声アシスタント、ヘルスモニタリング、スポーツトラッキングなどWear OS同等の基本機能をカバー。
一方でGoogleサービスとの連携(Google Pay、Play Storeなど)は提供されておらず、独自のTAG Heuerアプリを中心にした体験設計になっています。
TAG Heuer OSの主な特徴
・ミニマルで直感的なインターフェース
・音声通話・音声アシスタント対応(内蔵スピーカー・マイク搭載)
・デュアルバンドGNSSによる高精度位置測定
・心拍数、血中酸素、睡眠、呼吸数などの詳細な健康データ計測
・バッテリー持続時間最大3日(45mmモデル)、高速充電(30〜40分で1日分)
・iPhone完全対応(MFi認証取得)
Calibre E5とTAG Heuer OSの融合で生まれる新体験
TAG Heuer OSは、第5世代の「Connected Calibre E5」と共に誕生したOSです。
このモデルでは、スイスの伝統的な時計技術とデジタルエンジニアリングが融合し、精緻な造形と高性能センサーが共存。
ランニング・ゴルフなどスポーツ体験の最適化も進み、ブランド独自のウェルネスアプリが統合されています。
また、同時発表された「TAG Heuer Connected Calibre E5 40MM × New Balance Edition」では、TAG Heuer OSを活用し、ランナー向けの6種類のトレーニングプランをウォッチ内に直接統合。
スポーツブランドとの協業により、OSの柔軟性と拡張性を象徴する事例となりました。
まとめ:ラグジュアリースマートウォッチの独自路線へ
TAG Heuer OSは、単なるOS刷新ではなく、タグ・ホイヤーが「ラグジュアリースマートウォッチの未来」を自ら切り開くための戦略的転換点です。
Wear OSの汎用性を捨て、デザイン・体験・信頼性を一体化させたTAG Heuer OSによって、ブランドとしての世界観をより深くユーザーに届ける――
それが今回の第5世代に込められたメッセージといえます。
参考報道:WIRED、TechRadar(Wear OSからの移行報道)
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・タグ・ホイヤーがWear OSから独自開発へ!「TAG Heuer OS」を正式発表――第5世代「Connected Calibre E5」に搭載された新時代のOSとは
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・TAG Heuer(タグ・ホイヤー)のスマートウォッチ最新ガイド【2025年】Calibre E5シリーズとNew Balanceコラボモデルを紹介
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