ChatGPTに「知らないことは知らないと言って」と伝えるプロンプトの全文と、それでも残る誤情報を見抜く確認方法をまとめました。
ChatGPTは、知らないことでも自信のある口調で答えてしまうことがあります。AI教育の発信をしているみやっち(@miyachi_ai)さんがThreadsで公開した「ファクトベースAI」のプロンプトは、この悩みに向けた指示文として広く共有されました。ここでは、そのまま貼り付けて使える全文と、OpenAIが説明している「AIが嘘をつく理由」をもとに、プロンプトで防げることと防げないことを整理します。
ChatGPTに嘘をつかせないプロンプト全文(コピペ用)
みやっち氏が2025年10月11日に投稿したプロンプトです。新しいチャットの最初に送ります。
あなたは、信頼性の高い情報を提示できる高精度なファクトベースAIです。
以下のルールに従って回答してください。
# ルール
– わからない/未確認は「わからない」と明言すること
– 推測は「推測ですが」と明示すること
– 現在日付(YYYY-MM-DD JST)を必ず明記すること
– 根拠/出典(可能なら一次情報)を必ず添付すること
– 専門的知見が必要な場合は「専門家に確認が」と明記すること
– 出力:【結論】【根拠】【注意点・例外】【出典】【確実性: 高/中/低】
みやっち氏の2025年10月11日の投稿より引用
みやっち氏は投稿で、ChatGPTは知らないことも自信満々に答えてしまうが、これを送れば「分かりません」と正直に言ってくれるようになる、と紹介しています。
出力の形まで決めなくてよい場合は、次の短い指示でも同じ方向に寄せられます。
これ以降、知らないことや確認できないことは「わかりません」と答えてください。推測で答えるときは「推測です」と先に書き、事実と推測を分けてください。根拠にした情報があれば、出典も示してください。
SNSでは、このプロンプトを使うと断定的な言い方が減り、「推測ですが」と断ってから答えるようになったという声が多く見られます。
ChatGPTが嘘をつくのは「わからない」と答えるより推測したほうが点を取れるから

AIが事実と違う内容をもっともらしく答える現象は、ハルシネーションと呼ばれます。OpenAIは2025年9月5日に公開した研究記事「Why language models hallucinate」で、その理由を選択式の試験にたとえて説明しています。
答えがわからない問題でも、当てずっぽうで書けば当たることがあります。空欄にすれば確実に0点です。AIの性能を正解率だけで測ると、同じように「わかりません」と答えるより推測したほうが得になり、AIは自信のある口調で推測するように育ってしまう、というのがOpenAIの説明です。
OpenAIは同じ記事で、2つのモデルの結果を比べています。
| gpt-5-thinking-mini | OpenAI o4-mini | |
|---|---|---|
| 答えを出さなかった割合 | 52% | 1% |
| 正解した割合 | 22% | 24% |
| 間違えた割合 | 26% | 75% |
OpenAIのSimpleQAという評価の結果(GPT-5のシステムカードより)
正解率はほとんど同じでも、「わからない」と答えないモデルは間違いがずっと多くなります。OpenAIは、新しいモデルではハルシネーションが減っているものの、まだ起きるとしています。
プロンプトで減らせることと減らせないこと
「わからないと言ってよい」と最初に伝えるプロンプトは、推測で埋めるより答えを控えるほうへAIを寄せるものです。上の仕組みから考えると、狙いは理にかなっています。ただし、できることには限りがあります。
プロンプトで減らせること
・確かでないことを、推測と断らずに言い切ること
・事実と意見が混ざった、どこまで信じてよいかわからない回答
・結論・根拠・注意点が整理されていない回答
プロンプトでは防げないこと
・AIがそもそも知らない事実や、学習した後に起きた出来事を正しく答えること
・ウェブ検索を使っていないときの「出典」が本当に存在すること
・AIが自信を持って間違えていることに、AI自身が気づくこと
とくに出典は、ルールで「必ず添付」と求めても、検索をしていなければそれらしいタイトルやURLが作られることがあります。最新の情報や出典が欲しいときは、ChatGPTのウェブ検索を使います。OpenAIによると、検索を使った回答にはニュースやブログなど元のページへのリンクが付き、回答の下のボタンから参照したページの一覧を開けます。
毎回貼らずに使うならパーソナライズに入れておく
このプロンプトは、新しいチャットを始めるたびに送り直す必要があります。毎回貼るのが面倒なら、ChatGPTのパーソナライズ(カスタム指示)に入れておくと、すべてのチャットに反映されます。設定の場所と使い分けはChatGPTが忘れる理由と対策|命令を覚えさせる3つの設定方法で紹介しています。
ただし、すべての回答が【結論】【根拠】のような固い形になるので、雑談やアイデア出しにも使う人は、調べものをするチャットでだけ送るほうが使いやすいはずです。
誤情報を見抜く3つの確認方法
プロンプトを入れても、最後に確かめるのは人です。重要なことを調べるときは、次の3つを習慣にします。
1. 出典のリンクを開いて、同じことが書いてあるか見る
リンクが開けない、開いても書いていない、という出典は信じないようにします。回答にある数字や日付は、元のページの数字と照らし合わせます。
2. 別のAIにも同じ質問をする
GeminiやClaudeに同じことを聞き、答えが食い違う部分を重点的に調べます。具体的な手順はChatGPTだけに頼らないプロの原稿チェック術|Gemini・Claude併用でミスを激減させる方法で紹介しています。
3. 健康・お金・法律は一次情報か専門家で確かめる
公的機関や企業の公式ページ、医師や専門家の判断を優先します。プロンプトの「専門家に確認が必要」という一文は、ここに気づくための合図として使えます。
プロンプトはAIの答え方を変える道具で、答えの正しさを保証するものではありません。検証用の指示文や、AIを本音のアドバイザーに変えるプロンプトは、下の関連記事で紹介しています。
Source:Threads – @miyachi_ai、OpenAI – Why language models hallucinate、OpenAI – Introducing ChatGPT search
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