スマートウォッチは年々進化を続け、心拍数の測定や血中酸素濃度、さらには心電図(ECG)や血圧の測定など、医療に近い機能を搭載するモデルも増えてきました。
しかし、これらの機能がすべて医療機器として認証されているとは限りません。本当に信頼できる機能かどうかを見極めるために、ユーザーとして知っておきたいのが「医療承認番号(医療機器認証番号)」の有無です。
医療承認番号とは?
日本では、医療機器として販売されるには厚生労働省による「医療機器認証・承認」が必要です。承認された製品には、個別の医療機器認証番号(または医療機器承認番号)が付与されます。
この番号があることで、その製品が法律に基づいた基準(安全性や有効性など)をクリアしていることが保証されます。ユーザーはこの番号の有無を一つの信頼基準として判断できます。
医療承認を受けたスマートウォッチの例
Apple Watch(心電図機能)
Apple Watch Series 4以降のモデルには、心電図(ECG)アプリケーションが搭載されており、日本国内でも管理医療機器(クラスⅡ)として正式に認証されています。
たとえば、Apple Watch Series 7の心電図アプリには以下のような認証番号があります。
医療機器認証番号:302ADBZX00022000
GarminのECG機能対応モデル
Garmin(ガーミン)は2025年4月23日より、日本で販売中のスマートウォッチの対応機種で心電図(ECG)アプリケーションが利用可能になりました。該当モデル(Venu 3、Venu 3Sなど)は、厚生労働省より管理医療機器としての認証を受けています。
Garmin、待望の「心電図アプリ」2025年4月23日より提供開始 スマートウォッチで心房細動の兆候も確認可能に
対象モデルには、心拍のリズムを30秒間計測し、心房細動(AFib)の兆候がないかを確認する機能が搭載されています。
HUAWEI WATCH D(血圧測定機能)
HUAWEI WATCH Dは、日本で初めて医療機器として正式に認証されたウェアラブル血圧計です。2023年4月には、厚生労働省より医療機器認証を取得し、血圧測定が医療機器として認められました。
医療機器認証番号:303AGBZX00011000
使用レビューは下記からどうぞ。
HUAWEI WATCH D使用レビュー。「常時装着型血圧計」+スマートウォッチ機能付きと呼ぶべき商品
医療承認がないのに「医療機器のような性能」を謳う製品に注意
一部の格安スマートウォッチや無名メーカーの製品の中には、「血圧測定」「心電図対応」などの言葉を安易に使用しているものがあります。しかし、そうした製品の多くは医療機器認証を取得しておらず、測定精度や安全性に問題がある可能性があります。
・数値が正確でない可能性がある
・健康状態の誤認を招くリスクがある
・本来必要な医療機関の受診を見送ってしまう恐れがある
・万が一のトラブル時にも補償や公的サポートを受けにくい
「医療用のような機能」をうたう製品を購入する際には、医療機器認証番号の記載があるかを確認し、信頼できるメーカー・正規代理店から購入することが重要です。
健康機能のすべてが医療機器というわけではない
なお、Apple WatchやGarmin、HUAWEIなどのスマートウォッチには、睡眠トラッキング、血中酸素濃度、ストレスモニタリングなどさまざまな健康管理機能が搭載されていますが、それらのすべてが医療機器として認証されているわけではありません。
あくまで「日常の健康サポート用機能」と考え、異常を感じた場合は医療機関での受診を優先しましょう。
まとめ:スマートウォッチの医療機能、過信せずに正しく使おう
スマートウォッチの高機能化は、日々の健康管理をより手軽に、身近なものにしてくれました。しかし、本当に医療レベルの正確さや信頼性を求めるのであれば、医療機器認証番号が付与されているかどうかを必ず確認する必要があります。
医療機器としての信頼性を備えた代表的なスマートウォッチは以下のとおりです。
・Apple Watch(心電図):認証番号 302ADBZX00022000
・Garmin(心電図対応モデル):管理医療機器として認証済
・HUAWEI WATCH D(血圧測定):認証番号 303AGBZX00011000
健康を守る第一歩は、正しい製品選びから始まります。
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