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Metaが事業者向けの利用規約「Commercial Terms(商用規約)」を改定し、Facebook・Instagram・WhatsAppなどをビジネス目的で使う事業者のWebサイトを、Metaが自動で巡回して内容を集められるようにすることが分かりました。米ハーバード大学ニーマン財団のジャーナリズム専門メディア「Nieman Lab」が2026年10月15日に報じたもので、Metaは10月上旬にブログと事業者向けの管理画面「Meta Business Suite」で改定を発表していて、10月30日に発効します。
集めた内容はMetaの製品の「トレーニング」にも使えると書かれていて、Nieman Labの依頼で条文を読んだ3人の法律家は、報道機関の記事をAIの学習に使う根拠になりうると指摘しています。
ビジネスアカウントに関連するサイトが巡回の対象に
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対象になるのは、Metaの「ビジネスアカウント」を使っている事業者です。ビジネスアカウントは、Facebookページ、Messenger、Instagramのプロフィール、WhatsAppのチャンネルをまとめて管理する仕組みで、ページやグループの運営、広告の出稿、マーケティング用のメッセージ配信などに使われます。Nieman Labによると、ほぼすべての報道機関が少なくとも1つは持っていて、Nieman Lab自身も含まれます。
新しい商用規約では、事業者がMetaに対して、スクレイパーやボット、クローラーなどの自動ソフトウェアで、事業者の製品やサービスに関連するドメインやWebページにアクセスし、内容を収集・分析し、定期的に更新を取り込むことを許可するとしています。集めた内容は、Metaの製品やサービスの提供・開発・改善・研究・「トレーニング」に使えるとしています。Metaは規約の別の部分で、「AI at Meta」を自社製品の1つに挙げています。
報道機関の記事がAIの学習に使われる可能性

メディアと知的財産の分野を扱う弁護士のマット・トピック氏は、ライセンス契約を結べば何百万ドルにもなりうる素材にアクセスできる条項を、利用規約の中に紛れ込ませたことに驚いたと話しています。裁判所がこの条項を有効と認めるかは分からないものの、出版社は有効になる前提で考えるべきだとしています。
米コーネル大学ロースクールのジェームズ・グリメルマン教授は、報道機関にとっては自社サイトのあらゆる内容でMetaがAIをトレーニングすることを許可したことになり、その内容が出版社と競合する形で使われる可能性もあると指摘しました。最も広く解釈すれば、あらゆるコンテンツを網羅したアーカイブをMetaが作り、直接またはAIを通じて自由に配信することにもつながるとしています。
拒否するにはビジネス利用をやめるしかない
10月30日の発効前に、この規約から外れる方法は用意されていません。Metaの案内には、改定後の規約に同意しない場合はビジネスや商用目的での製品の利用をやめるよう書かれています。グリメルマン教授は、出版社は「規約に書かれたことをMetaが全部やるつもりはない」と信じるか、ビジネスアカウントの利用をやめるかのどちらかしかないと話しています。
MetaはNieman Labが送った質問への回答を断りましたが、広報担当者はメールで、クロールに関する文言はこれまで生成AIを使った広告の規約など複数の規約に分かれていて、今回の改定で1か所にまとめたと説明しました。今後のクロールの仕方は変わらず、コンテンツの持ち主は引き続きrobots.txtでアクセスを管理できるとしています。robots.txtは、サイトのどこにボットがアクセスしてよいかを伝えるファイルです。
テスト用の認証情報で会員登録の壁を越える懸念
一方で法律家たちは、新しい規約の文言を根拠に、Metaが「規約がrobots.txtなどのブロック設定より優先する」と主張する余地が生まれると見ています。
規約には、巡回のために「テスト用の認証情報」を作れるとも書かれています。グリメルマン教授は、これによってMetaが架空のユーザーとして登録し、出版社のサイトの会員登録が必要なページの中身を取りに行くことも技術的には可能になると指摘しました。有料記事の壁も越えるのかという質問に、Metaは答えていません。
抱き合わせに近いとの指摘も

米ウィスコンシン大学のベンジャミン・ソベル教授は、ビジネス向けの製品を使う条件に広い巡回の許可をつけるやり方は、独占禁止法でいう「抱き合わせ」の考え方に通じると話しています。商用規約への同意が必要なMetaの製品を使いたければ、巡回の許可も受け入れるしかないためです。
ソベル教授は、GoogleのAI検索をめぐる方針とも比べています。Googleでは以前、通常の検索結果に載るには、AIによる概要とAIモードでの表示にも同意する必要がありました。2026年8月からは、すべてのサイトがAI検索での利用を拒否できるようになっています。
Metaは最近、有料サービス「Meta One」を始め、一部のFacebookとInstagramのアカウントでは、加入しないと外部リンクを投稿できる数が制限されるようになりました。リンクの投稿にはお金を取りながら、そのリンク先の内容は無料で巡回できる形になります。英Press Gazetteによると、一部の報道機関はこのリンク数の制限の対象外になっています。
まとめ
Metaの新しい商用規約は10月30日に発効し、Facebook・Instagram・WhatsAppをビジネスで使う事業者は、関連するWebサイトをMetaが巡回し、その内容を製品のトレーニングに使うことを許可したことになります。Meta側は「これまでの規約をまとめただけで、robots.txtで管理できる」としていますが、法律家は文言がそれより広い利用を認めていると見ています。
Nieman Labに情報を寄せたスチームパンク専門サイトの編集者は、読者とつながる場所としてFacebookに頼ってきたものの、10月30日までにアカウントを閉じることを真剣に考えていると話しています。FacebookページやInstagramで発信している企業やメディアは、発効前に新しい規約の内容を確認しておく必要がありそうです。
Source: Nieman Lab/Meta 商用規約(改定版)
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