Appleの主力製品といえばiPhoneですが、近年ではApple Watchをはじめとしたウェアラブル製品の存在感も急上昇しています。本記事では「Apple WatchがAppleの売上の中でどの程度を占めているのか」「Apple Watchは将来性のある事業なのか」について、最新2024年度データとともに詳しく解説します。
Apple Watchの売上はAppleの何%を占めているのか?
Appleは製品別の売上を以下のカテゴリに分けて公開しています。
・iPhone
・Mac
・iPad
・Services
・Wearables, Home and Accessories(ウェアラブル・ホーム・アクセサリ)
Apple Watchはこの「Wearables, Home and Accessories」に含まれており、このカテゴリにはApple WatchのほかAirPods、HomePod、Apple TVなども含まれています。Apple Watch単体の売上は明確には開示されていません。
最新データ(2024年度)
分類 | 売上高(米ドル) | 構成比 |
---|---|---|
iPhone | $201.2 B | 約51% |
Mac | $29.98 B | 約8% |
iPad | $26.69 B | 約7% |
Services | $96.17 B | 約25% |
Wearables, Home and Accessories | $37.00 B | 約9.5% |
合計(Apple全体) | $391.04 B | 100% |
2024年度の「Wearables, Home and Accessories」は$37.0 B(約9.5%)で、前年の2023年($39.84 B/10.4%)から減少しています 。
Apple Watch単体の推定売上(2024年度)
アナリスト調査によると、このカテゴリの約1/3がApple Watchであると推定されており、つまり$12–13 B程度(約1.6–1.8兆円)がApple Watch単体の売上と見られます。
そのため、Apple全体の売上に対する構成比は約3~3.5%と推定されます。
年次比較:Wearables部門の成長推移
会計年度 | Wearables部門売上(USD) | 対前年比成長率 |
---|---|---|
2018年 | $17.38 B | – |
2019年 | $24.48 B | +40.8% |
2020年 | $30.62 B | +24.9% |
2021年 | $38.37 B | +25.3% |
2022年 | $41.24 B | +7.5% |
2023年 | $39.84 B | −3.3% |
2024年 | $37.00 B | −7.3% |
2024年は前年比で約7.3%の減少となり、2年連続のマイナス成長となっています。
Apple Watchは将来性がある事業か?
売上構成比では依然として3~4%と小さいものの、Apple WatchはAppleにとって戦略的に重要な位置を占め続けています。
ヘルスケアの中核デバイスとしての役割
Appleはヘルスケアを次の成長の柱と位置づけ、Apple Watchはその中心的存在です。心拍数や血中酸素測定、心電図、転倒検出など多様な機能を搭載し、将来的には血糖値や血圧計測機能の追加も期待されています。
ティム・クックCEOは、「将来人々がAppleを思い出すとき、iPhoneではなく “人々の健康に貢献した会社” と思われたい」と述べています。
Appleエコシステムとの連携強化
Apple Watchは単体利用でも価値がありますが、iPhone、Mac、Apple TVとの連携により真価を発揮します。Suica決済、Macの自動ロック解除、Fitness+等との連携、Siri活用など、エコシステム全体の魅力を底上げする存在です。
結論:Apple Watchは「売上規模は控えめでも戦略重要デバイス」
・Apple Watch単体の売上はApple全体の約3~3.5%と見られる
・「Wearables, Home and Accessories」は2024年に約9.5%まで低下、2年連続でマイナス成長
・それでもApple Watchはヘルスケア戦略・エコシステム強化という観点で戦略的重要性が非常に高い製品
売上だけ見るとiPhoneやServicesほど規模は大きくありませんが、Appleの「次の10年」を支える象徴的デバイスとして、その価値は今後ますます高まっていくでしょう。