杏林大学医学部付属杉並病院(東京都杉並区)は、2025年7月2日より、Apple Watchなどのスマートウォッチやスマートフォンを活用する「スマートウォッチ外来」を開設しました。
スマートウォッチで取得した健康データを医療に活用
新たに開設されるスマートウォッチ外来では、日々スマートウォッチやスマートフォンに蓄積される健康データ(PHR:Personal Health Record)を、診療や健康管理に本格的に活用します。
歩数、歩行距離、心拍数、消費カロリーに加え、Bluetooth接続により血圧計や体重計、持続血糖測定器(CGM)などのデータも取得可能。こうした情報が、診察時の参考資料としてだけでなく、クラウド上で安全に保存され、電子カルテと連携される仕組みが導入されています。
診療効率アップと地域連携の促進にも貢献
これまで患者がスマホの画面を見せたり、紙で持参していた健康データが、クラウドと電子カルテ連携によりスムーズに閲覧・共有可能になります。
これにより、診察時の負担が軽減され、かかりつけ医や地域医療機関との連携もスムーズに。スマートウォッチが、医療と生活をつなぐインフラとして機能し始めているといえるでしょう。

対象となる疾患は?
この外来では、以下のような疾患を対象としています。
・高血圧
・糖尿病
・高コレステロール血症
・心房細動
・心不全 などの循環器疾患
これらはすべて、日常的な健康管理が重要とされる病気であり、スマートウォッチを活用した継続的なデータ収集が治療や生活改善に役立つと期待されています。
担当医からのメッセージ
杏林大学医学部付属杉並病院 循環器内科 診療科長/教授の矢田浩崇医師は、以下のようにコメントしています。
「スマートフォンやスマートウォッチを、自身の健康づくりや生活習慣改善に活かすことで、デジタル時代にふさわしい医療の形を皆さまとともに実現していきたいと考えています」
「この取り組みは始まったばかりで試行錯誤もありますが、未来の医療を共に作っていく楽しさを、患者さんと医療従事者が共有できる外来にしたいと思っています」
受診方法と詳細
受診を希望する方は、かかりつけ病院からの予約が必要です。詳細は以下の公式ページをご覧ください。
今後の展開にも注目
医療の現場でのスマートウォッチ活用は、まだ始まったばかり。今後、同様の外来が他の医療機関にも広がっていく可能性があり、健康とテクノロジーの融合がますます加速していくことが期待されます。
スマートウォッチが単なるガジェットを超え、「医療を支えるデバイス」として認識される日も近いかもしれません。