カウンターポイントリサーチ株式会社は、2025年上半期の世界スマートグラス市場に関する最新レポートを発表しました。同期間の世界出荷台数は前年比110%増と急成長を遂げ、特にMeta(メタ)が市場の73%のシェアを占める圧倒的な存在感を示しています。
市場成長をけん引するRay-Ban Meta AIグラス
市場拡大の主因は、Ray-BanブランドとMetaが共同開発したRay-Ban Metaスマートグラスの高い需要です。Metaの主要生産パートナーであるLuxotticaが製造能力を拡大し、スタイルバリエーションを増やすことで、製品寿命を延ばしながら販売を促進。オンライン・オフライン両チャネルでの販売網も強化され、北米や西ヨーロッパ、オーストラリアといった主要市場に加え、2025年第2四半期にはインド、メキシコ、UAEにも進出しました。
新規参入メーカーの活躍
2025年上半期はMeta以外にも複数の新規参入企業が躍進しました。中でも注目はXiaomiのAIグラスで、発売からわずか1週間で世界市場全体の4位、AIグラス分野では3位にランクイン。その他、TCL-RayNeo「RayNeo V3」、Thunderobot「AURA」、Kopin Solos「AirGo V」シリーズといった中国メーカーも存在感を示しました。
AIグラスが市場の主役に
2025年上半期におけるAIスマートグラスの割合は78%に達し、2024年上半期の46%から大幅に増加。前年比250%以上の成長を記録し、市場全体の成長を牽引しました。これに対し、音楽再生や通話などに特化したスマートオーディオグラスは競争激化により売上が減少しています。
今後の市場見通し
2025年後半以降は、MetaやAlibabaによる新製品の投入が予定されており、Metaはスポーツ向けに設計された「Oakley Metaグラス」を発表。AppleもAIグラス分野への参入を積極的に検討しているとみられています。プロセッサ分野では、Qualcommがプレミアムスマートグラス向けのAR 1+ Gen 1を発表し、省電力化と小型化を実現。Allwinner Technologyなど中国メーカーも低価格帯向けSoCで市場参入しています。
カウンターポイントリサーチは、スマートグラス市場が2024年から2029年にかけて年平均成長率(CAGR)60%以上で拡大すると予測。今後もエコシステム全体のプレーヤーに大きなビジネスチャンスが広がると見ています。
詳細な市場分析やモデル別パフォーマンス、新規参入メーカーの課題などは、同社の「グローバルスマートグラスエコシステム&市場トレンドレポート 2025年上半期版」で公開されています。
Source:Meta AIグラス | Ray-Ban Meta | Metaストア
まとめ
2025年上半期のスマートグラス市場は、Metaの独走と新規メーカーの台頭により過去にない成長を記録しました。今後もAI技術の進化や新規参入企業の増加により、市場の拡大は加速していく見込みです。
スマートウォッチやスマートグラスを含む最新のウェアラブル市場動向については、Smart Watch Lifeトップページをご覧ください。