調査会社Counterpoint Researchの最新レポートによると、2025年第2四半期(Q2)の世界スマートウォッチ出荷台数は前年同期比で8%増加し、5四半期連続の減少から回復に転じました。その主役となったのがHuaweiで、出荷台数が前年同期比52%増と大幅に伸び、Appleを抜いて初めて世界首位に立ちました。
Huaweiの躍進、中国市場がけん引
Huaweiの世界シェアは21%に達し、過去最高を更新。出荷の4分の3以上が中国市場に集中しており、拡大する健康志向、AIやIoTとの統合、エコシステム型デバイスへの需要が追い風となりました。また中国政府による補助や、決済・健康管理アプリとの連携も、消費者にとってスマートウォッチを不可欠な存在に押し上げています。
Appleは7四半期連続の減少
一方のAppleは、世界出荷台数が前年同期比3%減となり、7四半期連続で減少。グローバル首位の座を明け渡しました。ただしiOSエコシステムの強みと高いユーザー忠誠度に支えられ、依然として「高度スマートウォッチ」セグメントではトップを維持しています。
他ブランドの動向
・Xiaomiは+38%と大幅成長し、低価格モデルを中心にシェアを拡大。
・imooは+21%と堅調で、子供向けスマートウォッチ市場での存在感を維持。
・Samsungは-3%と微減。新モデル投入前の買い控えも影響しました。
地域別の動向:中国が北米を抜いて世界最大市場に
Source: Global Smartwatch Shipments Tracker by Model, Q2 2025
地域別では、中国が前年同期比+33%と急成長し、初めて北米を抜いて世界最大の高度スマートウォッチ市場となりました。北米は-4%と減少傾向にあり、消費者が次世代モデル待ちで購入を控えた影響が出ています。その他、中東・アフリカ(+38%)、ラテンアメリカ(+14%)、欧州(+3%)も堅調でしたが、インドは-18%と低迷しました。
今後の見通し:AIと健康機能が成長を後押し
Counterpoint Researchは2025年通年で約7%の成長を見込んでおり、AIによるパーソナライズ機能や新世代の健康センサーが市場拡大のカギになると指摘しています。各ブランドがエントリーモデルからフラッグシップまで価格帯を広げることで、新規ユーザーと買い替え需要の両方を取り込むことが期待されます。
まとめ
今回の調査では、「中国ブランドの台頭」と「Appleの連続減少」という対照的な結果が浮き彫りになりました。Huaweiを筆頭に、中国メーカーはスケール、価格競争力、そしてエコシステム統合力を武器に、世界市場で存在感を急速に高めています。今後は、AppleやSamsungがAIや医療グレードの健康機能でどこまで巻き返せるかが焦点となりそうです。