スマートウォッチやスマートフォンのスペック表を見ると、「リフレッシュレート 60Hz」や「1〜120Hz可変」などの表記を目にすることがあります。
この「リフレッシュレート」とは、画面が1秒間に何回更新されるかを示す数値です。
この記事では、スマートウォッチのリフレッシュレートの意味や、数値によって何が変わるのか、そして省電力技術との関係を初心者にもわかりやすく解説します。
リフレッシュレートとは?

リフレッシュレート(Refresh Rate)とは、ディスプレイが1秒間に何回画像を描き直すかを表す値で、単位は「Hz(ヘルツ)」で示されます。
たとえば「60Hz」であれば、1秒間に60回画面を更新しているという意味です。
この数値が高いほど、アニメーションやスクロールが滑らかに見えるようになります。
一方、数値が低いと動きがややカクつくように感じる場合があります。
リフレッシュレートと見え方の違い
リフレッシュレートは、スマートウォッチの操作感や見え方に大きく関係します。
| リフレッシュレート | 見え方の特徴 | 用途・搭載例 |
|---|---|---|
| 30Hz | 動きが少しカクカク。文字表示や通知中心の用途に十分。 | エントリーモデルのスマートウォッチ |
| 60Hz | 標準的な滑らかさ。操作もスムーズで違和感が少ない。 | Apple Watch SEシリーズ、Xiaomi Watchなど |
| 1〜120Hz(可変) | 動きのある場面では滑らか、静止時は省電力。最新技術。 | Apple Watch Series 11/Ultra 3、Galaxy Watch 7など |
たとえば、120Hzの画面は60Hzの2倍の速さで更新されるため、スクロール時の文字の流れがより自然でなめらかに見えます。
ただし、リフレッシュレートを高く保つほど、消費電力も増える傾向があります。
スマートウォッチで高リフレッシュレートが重要な理由

スマートウォッチでは画面サイズが小さいため、スマホほど動きの滑らかさを感じにくい面があります。
それでも、アニメーションやスワイプ操作の多いUI(ユーザーインターフェース)では、リフレッシュレートの高さが快適さに直結します。
たとえば、Apple Watchの最新モデルではスムーズなアニメーションやフェード表示を実現するために、
1〜60Hzまたは1〜120Hzの可変リフレッシュレート技術を採用しています。
LTPO技術との関係:リフレッシュレートを動的に変える仕組み
最近のスマートウォッチでよく聞く「LTPO(低温多結晶酸化物)」ディスプレイ技術は、
このリフレッシュレートを動的に調整できる点が最大の特徴です。
たとえばApple Watch Series 11やUltra 3では、
操作中や通知表示中はリフレッシュレートを上げ(滑らかに)、
画面が止まっているときやスリープ中は1Hzまで下げてバッテリー消費を抑えます。
このように、LTPOとリフレッシュレートは切っても切れない関係にあります。
LTPOがあるからこそ、「常時表示ディスプレイ(Always-On Display)」が現実的な電力効率で実現できているのです。
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リフレッシュレートとバッテリーの関係

リフレッシュレートが高いほど描画回数が増えるため、
ディスプレイの電力消費も増加します。
特にスマートウォッチのように小型バッテリーを搭載するデバイスでは、
この影響は無視できません。
そのため、各メーカーは以下のような最適化を行っています。
・LTPO技術でリフレッシュレートを動的に制御
・「シアターモード」「睡眠モード」などで画面の動作を制限
・自動輝度調整と組み合わせて省電力化
結果として、最新のスマートウォッチでは「滑らかさ」と「省電力」の両立が進んでいます。
まとめ:リフレッシュレートは「見え方」と「省電力」のバランスを決める要素
リフレッシュレートは、画面の滑らかさを左右するだけでなく、
バッテリー消費にも直結する重要な要素です。
最新のLTPO技術によって、この数値を自動で調整できるようになったことで、
スマートウォッチはより快適で効率的なデバイスになりました。
スペック表を見る際は、「60Hz固定」か「1〜120Hz可変」かをチェックしてみると、
そのモデルのディスプレイ性能の違いがよくわかります。
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