パキスタンの有力英字新聞「Dawn(ドーン)」が、紙面にChatGPTのプロンプト文をそのまま掲載してしまうという前代未聞のミスを犯し、SNSを中心に世界的な批判を浴びています。
問題となったのは、11月12日に掲載された同紙のビジネス記事。記事末尾に、以下のような明らかにAI編集時のメッセージが誤って残っていたことが判明しました。
「もしよければ、よりスナッピーで“フロントページ風”の、一行ごとの統計が並ぶ太字のインフォグラフィック調レイアウトも作れますよ。次にそれをやりましょうか?」
SNSで嘲笑と批判が殺到
この“AIの置き土産”は即座にSNSで拡散され、X(旧Twitter)やRedditでは同紙に対する批判が噴出。読者からは
・「倫理を語る新聞がAI記事を無断掲載とは皮肉すぎる」 ・「紙面にChatGPTのセリフが載るなんて信じられない」
といった厳しい声が多く寄せられました。
The Straits Timesの報道でも、読者が「報道倫理と編集体制への深刻な失態」として痛烈に批判する様子が紹介されています。
編集部は「AI使用は社内規定違反」と謝罪
Dawnは問題発覚後、「記事はAIを用いて編集されていたが、それは社内のAI利用ポリシーに反するものであった」と公式に謝罪し、該当箇所を速やかに修正。
「AI生成のテキストが編集過程で混入した」と説明し、現在調査を進めているとしています。
世界の大手メディアではAI利用が急速に進む中…
The New York TimesやBloomberg、Business Insiderなど、世界の主要メディアはすでにAIを業務の一部に組み込みつつあります。しかし、いずれも「人間による最終チェック」を前提とした厳格なガイドラインを設けているのが一般的です。
DawnもAIを補助ツールとして活用していた可能性がありますが、今回の件は「AIのチェック漏れ」がどれほど大きな問題に発展するかを象徴する事例となりました。
ニュース編集におけるAI活用が急速に広がる中、改めて「人の目による最終確認」の重要性が問われる出来事となっています。
Image source: @uff_areesha/X
Source: ABC10 News(Fact or Fiction) / The Straits Times / The Indian Express
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