スマートウォッチは今や、歩数や運動量を記録するだけのデバイスではありません。
心拍数や睡眠、体調の変化を日常的に記録できることから、疾患を抱える人の健康管理ツールとしての役割も注目されています。
株式会社テックドクターは、疾患を有するスマートウォッチ・ウェアラブルデバイス利用者601名を対象に、「健康管理の実態」に関する調査を実施。その結果、活用実感が広がる一方で、精度への不安や世代間ギャップといった課題も明らかになりました。
調査の概要
・調査期間:2025年11月6日
・調査方法:インターネットリサーチ
・有効回答数:601名(疾患を有するウェアラブルデバイス利用者)
最も多い利用目的は「活動量の管理」

スマートウォッチを見る目的として最も多かったのは、「活動量(歩数・消費カロリーなど)の管理」で、全体の56.9%。
一方で、以下のような疾患管理を意識した使い方も、2〜5割の利用者に広がっていることが分かりました。
・心拍数や血圧など体調変化の確認
・疾患の経過や症状変化の記録
・通院や服薬など治療管理の補助
スマートウォッチが、単なる運動管理デバイスから「日常的な体調把握ツール」へと役割を拡張している様子がうかがえます。
約8割が定期的にデータを確認

ウェアラブルデバイスのデータ確認頻度については、
・「ほぼ毎日確認している」:52.9%
・「週に数回程度」まで含めると:約8割
多くの利用者が、心拍・睡眠・活動量などのデータを日常的にチェックする習慣を持っていることが明らかになりました。
約7割が「疾患管理に役立っている」と実感

スマートウォッチのデータが疾患管理に役立っているかという問いに対し、
・「非常に役立っている」:29.0%
・「ある程度役立っている」:43.6%
合計72.6%が「役立っている」と回答しています。
日々のデータが、自分の体調変化を把握するための“気づきのきっかけ”として機能している実態が浮かび上がりました。
医師とのデータ共有には世代差が

一方で、ウェアラブルデバイスのデータを医師に共有する行動には、年代による大きな違いが見られました。
20〜40代では、「定期的に共有している」「体調変化時に共有している」と答えた人が各世代で5割前後に達しています。
しかし50代以上では、「共有したことがないし、必要性も感じない」という回答が増加。特に60代以上では、この割合が5割を超える結果となりました。
また全世代共通の課題として、
・共有方法が分からない
・医師が関心を示さないと感じる
といった声も一定数あり、医療側の受け皿づくりや分かりやすい共有手段の必要性が示唆されています。
最大の不安は「測定結果の正確性」

データ活用における不安点として最も多かったのは、「測定結果の正確性」(43.9%)。
一方で、50代以上では「特に困っていない」「難しさは感じない」と答える割合も高く、高齢層ではデータを深く解釈せず、受動的に眺める利用に留まっている可能性も示されました。
スマートウォッチは“医療の入口”になれるか
今回の調査から、疾患を抱える人の間でスマートウォッチを活用した健康管理が着実に広がっている一方、
・精度への不安
・データ共有の難しさ
・世代間の活用ギャップ
といった課題も明確になりました。
スマートウォッチが本当の意味で「医療につながるデバイス」となるためには、ユーザー側だけでなく、医療現場やサービス設計側の進化も求められそうです。
Source:株式会社テックドクター











