冬の寒冷地でカメラを使っている人なら、一度は悩むのが結露トラブルです。レンズが曇るだけでなく、内部に水分が入り込むと、カビや故障の原因にもなります。
そんな中、SNSで大きな反響を集めたのが、「寒い地域ではカメラをあえて自宅に入れない」という実践的な知恵でした。
実際の投稿がこちらです。
冬の山形にいる時は、カメラは基本玄関に置いてる pic.twitter.com/2Oq1kBais2
— さんぽごはん (@SampoGohan) January 1, 2026
この投稿は数百万回表示され、「結露防止として理にかなっている」「北海道でも同じことをしている」といった共感の声が多く寄せられました。
では、この方法は本当に有効なのでしょうか。本記事では、結露が起こる仕組みから整理しつつ、このSNSの知恵がどの程度実践的なのかを科学的に解説します。
そもそも、なぜカメラは結露するのか

結露は「寒いから」起こるわけではありません。原因は温度差と湿度です。
具体的には、冷え切ったカメラを暖かく湿度の高い場所に持ち込むと、カメラ表面や内部の温度が空気の露点を下回り、空気中の水蒸気が水滴へと変化します。
特に問題なのは、以下のような目に見えない内部結露です。
・レンズ内部
・イメージセンサー周辺
・電子基板
これらは一度結露すると乾燥しにくく、カビや腐食につながるリスクがあります。
「玄関に置く」という行為はなぜ効果があるのか
寒冷地の住宅では、リビングなどの居住空間は暖房が効いており、外気との温度差が非常に大きくなります。
一方、玄関は以下のような特徴があります。
・外気温に近い
・湿度が比較的低い
・急激な温度変化が起きにくい
そのため、屋外で冷えたカメラをいきなり暖房の効いた部屋に入れるよりも、玄関でワンクッション置くことで温度変化を緩やかにできるのです。
これは結露発生の条件そのものを避けているため、冬の山形や北海道といった寒冷地では、実際に高い効果が期待できます。
車のヒーターを入れないのも同じ理屈

SNS上では「撮影時は車のヒーターを入れない」という声も見られましたが、これも同じ原理です。
例えば、外気温がマイナス10度の状態で、車内を一気に20度以上に暖めると、30度以上の急激な温度差が生まれます。
ヒーターを使わなければ、カメラは外気に近い温度を保ち続けるため、湿った暖気にさらされる機会が減り、結露リスクも下がります。
フリーザーバッグに入れる方法は本当に意味がある?
投稿の中では、ジップ付きのフリーザーバッグを使う方法も紹介されていました。
これは単に「温度をなじませる」ためではなく、湿った空気に触れさせないことが最大の目的です。
正しい使い方は以下の通りです。
・屋外または寒い場所でカメラを袋に入れて密閉する
・そのまま室内へ持ち込む
・数時間放置して室温になってから開封する
こうすることで、暖かい室内の湿った空気がカメラに触れず、結露を防ぐことができます。
登山や天体撮影、極地観測などでも使われている、非常にスタンダードで信頼性の高い方法です。
実はこれが一番安全な結露対策

玄関に置く方法も有効ですが、再現性と安全性の面で最もおすすめなのは、以下の組み合わせです。
・屋外で密閉袋に入れる
・室内で数時間から半日放置
・完全に室温になってから開封
この方法であれば、玄関スペースがなくても結露リスクを最小限に抑えられます。
逆にやってはいけない行動
結露対策として、次のような行為は逆効果になる可能性があります。
・濡れた状態で袋に入れる
・暖房の吹き出し口の近くに置く
・ドライヤーなどで急激に温める
・結露したまま電源を入れる
特に内部結露が起きた状態で通電すると、故障につながるリスクが高まります。
まとめ:SNSの知恵はどこまで信頼できるのか

今回話題になった「寒冷地ではカメラを室内に入れない」「玄関に置く」「車のヒーターを入れない」といった行動は、結露の物理的な仕組みにしっかり合致しています。
経験則としても正しく、条件が合えば非常に実践的で有効な結露防止策と言えるでしょう。
ただし、より安全性を高めるなら、密閉袋と時間を使った方法がおすすめです。原理を理解した上で状況に応じて使い分けることで、冬場のカメラトラブルは大きく減らせます。
結露対策は「気合」ではなく「仕組み」を知ることが何より重要です。
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