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海外メディアのTom’s Guideによると、Appleが開発を進めているとされるスマートグラス「Apple Glasses」について、Bloombergのマーク・ガーマン氏が新たな見通しを伝えています。Appleは2015年に登場したApple Watchが時計業界に大きな変化をもたらしたのと同じように、今度はおよそ2,000億ドル規模とされる眼鏡業界そのものを揺さぶる可能性があるという内容です
Image source: Smart Watch Life (AI generated)
Apple Watchの成功パターンを眼鏡市場で再現する狙い
Tom’s GuideがBloombergのマーク・ガーマン氏の最新ニュースレターをもとに紹介しているのは、Appleがスマートグラスで描いているシナリオが、Apple Watchの立ち上げ時と驚くほど似ているという見立てです。
2015年にApple Watchが登場した当時、スマートウォッチは一部のテック好きが身に着けるニッチな製品で、伝統的な腕時計と比べて存在感はわずかでした。しかし、その後の数年で腕時計市場全体の売上が大きく落ち込み、その一因としてApple Watchが繰り返し挙げられるようになります。Appleが次に狙っているのは、ちょうど今のスマートグラスがそうであるように、まだ「未来のガジェット」と見られているこの領域で同じ流れを作り出すことだといいます。
競合として名前が挙がっているのは、レイバンやワービー・パーカーといった眼鏡の有名ブランドです。Appleは自社ブランドの強さ、工業デザインへのこだわり、そしてiPhoneとの連携といった、これまで他のApple製品を後押ししてきた要素を、そのままスマートグラスにも持ち込もうとしていると伝えられています。
2,000億ドル規模の眼鏡市場と、Appleが見ているターゲット層
Tom’s Guideが触れているとおり、世界保健機関(WHO)は世界でおよそ22億人が何らかの視覚障害を抱えていると推定しています。眼鏡が必要な人の数はそれだけ多く、市場規模も年間およそ2,000億ドル(Grand View Researchの推計)に達するとされています。Appleが本格的に参入しようとしている領域の大きさが伝わってきます。
記事の筆者自身は「普段から眼鏡をかけていないので個人的にはスマートグラスに魅力を感じない」と率直に語っていますが、それでも視力矯正のために毎日眼鏡を使っている人にとって、そこにテクノロジーが加わる意味は決して小さくない、というニュアンスです。
気になるのは、Appleが第三者製のスマートウォッチに対してApple Watchを優遇してきたのと同じように、Apple Glassesにも独自のエコシステム機能を多数搭載してくる可能性が高いと指摘されている点です。「同じスマートグラスでも、iPhoneユーザーならApple Glassesでしか体験できない機能がある」という形になれば、ブランド力と組み合わさって強い差別化要因になり得ます。
初代Apple Glassesは「カメラ+AI」、AR機能は当面お預け
ガーマン氏の見立てとして紹介されているのは、初代となるApple Glassesが2027年後半に登場するというスケジュール感です。そして、本格的なAR(拡張現実)グラスはこの10年が終わる頃まで登場せず、その間を埋める形で、Vision Proよりもスリムで価格を抑えたApple Vision系のヘッドセットが投入される可能性があるとしています。
注目したいのは、最初のApple Glassesは「カメラとAIを組み合わせたデバイス」になり、視界に映像を重ねるようなディスプレイは搭載されないと見られている点です。今のMeta Ray-Banのように、「眼鏡型のAIアシスタント」「眼鏡型のカメラ」として日常で使う方向性に近いと言えそうです。
デザイン面では、楕円形のカメラ、複数のカラー展開、フレーム形状のバリエーションといった要素で「Apple Glassesらしさ」を打ち出してくると伝えられています。さらに、Apple Watchがフィットネスから健康管理へと役割を広げてきたのと同じように、Apple Glassesも単なるスマホ操作の延長ではなく、ヘルスケアデバイスとして進化していく可能性が示唆されています。
狙う価格帯は200〜500ドル、ラグジュアリー眼鏡市場は対象外
Apple Glassesが狙うのは、200〜500ドル(おおむね日本円で3万〜7万円台に相当する価格帯)の眼鏡市場だとされています。日常使いの眼鏡として、多くの人が買い替えのタイミングで選択肢に入れられるレンジを想定しているようです。
一方で、数十万円〜数百万円クラスの高級眼鏡ブランドについては、影響は限定的だろうとガーマン氏は見ています。記事内で例に出されているのが、Apple Watchの18金モデル「Apple Watch Edition」が登場してもロレックスをはじめとする高級腕時計の存在感は揺るがなかった、という事実です。
つまり、Appleが本気で狙っているのは「ハイブランドの顧客」ではなく、「毎日眼鏡をかけている、いわゆる普通の眼鏡ユーザー」だということ。ここをどれだけ取り込めるかが、Apple Glassesが「次のApple Watch」になれるかどうかの分かれ目になりそうです。
残された変数は「Apple以外のスマホをどう扱うか」
Tom’s Guideの記事の中でも特に印象的だったのが、グローバル市場ではAndroidスマホの販売台数がiPhoneを大きく上回っているという指摘です。Apple Glassesがあくまでも「iPhone前提のデバイス」に留まるのか、それともAndroidユーザーにもある程度開かれた製品になるのかは、市場へのインパクトを左右する大きな変数になります。
Apple Watchがそうであったように、iPhoneユーザーだけを対象にしても十分な販売台数は確保できるはずです。ただ、眼鏡という「毎日身に着けるもの」の覇権を本気で取りに行くのであれば、ここでの戦略がどう描かれるのかは引き続き注目しておきたいところです。
Source:Tom’s Guide
まとめ
Apple Glassesは「次のApple Watch」になり得るのか、それとも市場全体を巻き込むまでには至らないのか。ガーマン氏の見立てに沿うとすれば、2027年後半の登場、200〜500ドルという価格帯、カメラ+AI主体のデバイス、健康分野への拡張、といった輪郭がうっすらと見えてきました。
Appleが本気で2,000億ドルの眼鏡市場に切り込んでくるのだとすれば、私たちが日常的に身に着けるウェアラブルの選択肢は、これからまた一段と広がっていくことになりそうです。日本のユーザーとしては、まずは「日本でいくらで、いつ買えるのか」という基本情報が出てくるのを楽しみに待ちたいところです。
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