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Apple Watch等のスマートウォッチが筋トレ効果の測定に向いていない理由とは?

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Apple Watch, Garmin, Fitbitなどのスマートウォッチを「フィットネストラッカー」と呼ぶことがあります。

スマートウォッチが持つ様々な機能のうち、ジョギング等の運動の消費カロリーを計測したり、日常生活の歩数などを記録したりして、ユーザーがより健康的な生活を送ることに役立つ部分に焦点を当てた呼称です。

健康志向が世界的に高まるなか、そうした理由でスマートウォッチの購入を考える人も多いでしょう。

ただ、1つ注意するべきは、ほとんどのスマートウォッチは有酸素運動に偏る傾向があり、筋トレなどの効果を測るには必ずしも向いていないということです。

スマートウォッチの測定機能は「同じ動作を一定時間繰り返す」運動向き

誤解のないように最初にお断りしておきますが、スマートウォッチが有酸素運動の効果を過大に評価している、あるいは筋トレなどの他のタイプの運動を軽視しているという意味ではありません。

ただ、スマートウォッチとそのアプリは、有酸素運動(特にランニング、ウォーキング、水泳、自転車など、同じ動作を一定時間繰り返すタイプの運動)の動作を追跡することに最適化されている、と考えて下さい。

そもそもスマートウォッチに搭載されている各種センサーと計測される指標は、有酸素運動向きのものです。

たとえばApple Watchの「アクティビティ」アプリは、腕の動きと加速度センサーを頼りに運動量を記録します。

そして、より具体的な運動を指定して記録する「ワークアウト」 アプリでは、加速度センサーに加えて心拍センサー、GPS のデータが用いられます。

運動関連の機能に定評があるGarminのスマートウォッチも、複数のセンサーを用いて様々な運動データを記録している

筋トレやほかの運動「モード」を選択できる機種も多いですが、そうしたときにはデータの正確性や有効性の面で、有酸素運動のときより、スマートウォッチへの期待値を下げる必要があります。

その理由を下で詳しく述べていきます。

心拍数の変化だけでは運動効果は語れない

Apple Watchなどのスマートウォッチは運動時の心拍数の変化も記録できる

ほとんどの運動は心拍数を増加させます。

特に有酸素運動は心拍数の変化が運動強度を測る重要な指標になります。

スマートウォッチはセンサーによって心拍数をかなり正確に計測できますし、それと年齢や体重などの身体データを合わせることで、ユーザーが有酸素運動によってどれだけカロリーを消費したかについても、信頼性の高いデータを提供します。

ユーザーの視点からすると、有酸素運動をする際には心拍数を基準に強度を設定することもできるわけです。

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消費カロリーと筋トレ効果には相関関係が乏しい

しかし、筋トレを行う場合は、その効果を測る上で、心拍数はあまり参考にはなりません。

たとえば、ある重さのベンチプレスを10回3セット行うことを考えてみて下さい。

それだけの運動をこなすと、筋肉が疲労することはもちろんですが、心拍数も上がります。

より重いモノを上げるか、あるいはより多くの回数を挙げると、心拍数もそれにつられて上がります。

しかし、心拍数の増加が必ずしも筋トレの目的である筋肥大や筋持久力の向上に繋がるとは限りません。

消費カロリーと筋トレ効果には相関関係が乏しい、言い換えるならば、疲れ果てたからと言って筋肉が成長するとは限らないのです。

移動距離では評価できない動作

Garminのfēnix 6S Pro Dual Powerが計測したランニング時の移動経路。移動距離もかなり正確に算定される。

スマートウォッチはユーザーの動作やGPSから移動距離を測定します。

有酸素運動においては、移動距離は大切な指標です。

同じスピードなら、1キロ走る(あるいは泳ぐ)より2キロ移動した方が、より多くの運動効果があることは自明の理だからです。

しかし、これも筋トレには当てはまりません。

またしてもベンチプレスを例にするならば、同じ10回3セットでも、50キロのバーベルを挙げるか、あるいは100キロを挙げるかでは、運動強度はまったく異なります。

しかし、バーベルが上下に移動する距離はどちらも同じです。

移動距離では筋トレの効果を測れない所以です。

ましてや、プランクなどのアイソメトリック運動はじっと動かないわけですので、こうしたタイプの運動にとって移動距離や加速度センサーが計測するデータは、まったく意味がない指標です。

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同じように、ヨガやピラティスなどは静かな動作ですが、柔軟性を高めることや、インナーマッスルを鍛えることに大きな効果があります。

しかし、これらの効果もスマートウォッチでは測りにくいでしょう。心拍数も移動距離も大きく変化することはないからです。

もちろん、テクノロジーは進化を続けています。

ありとあらゆる種類の運動の効果を多方面から測定できるスマートウォッチ製品もいつかは出てくるかもしれません。

あくまで現時点においては、スマートウォッチは筋トレより有酸素運動の効果を測ることに向いている、と考えておいても間違いではないでしょう。

●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookは https://www.facebook.com/WriterKakutani

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