検索
         
  1. スマートウォッチライフTOP
  2. NEWS
  3. ヨセミテでの8時間超のハイキングでApple Watchはやはりバッテリー切れになってしまった話

ヨセミテでの8時間超のハイキングでApple Watchはやはりバッテリー切れになってしまった話

NEWS

2022.10.29

アメリカの西海岸には有名な国立公園がたくさん集まっていますが、そのなかでもヨセミテはグランドキャニオンと並んで世界的にも人気が高い観光地です。

サンフランシスコから約4時間のドライブで着くというアクセスの良さもあって、夏のハイシーズンや週末には園内の道路が渋滞することもあれば、駐車するスペースを探して右往左往するなんてことも珍しくありません。

それでもビレッジと呼ばれるホテルやキャンプ場などの観光施設が集まったエリアから少しだけ山道を歩きだしてみるだけで、そういった都会的な喧噪から離れ、素晴らしい景観を眺めながらのハイキングを楽しむことができます。

自分だけの眺めを楽しむ

ヨセミテ「ビレッジ」内からの眺め

ヨセミテ峡谷には数多くの清流が流れ込み、巨大な岩の絶壁と滝、そして樹齢1000年以上と言われるジャイアント・セコイアの大木が織りなす自然のハーモニーが、まるで別世界に紛れ込んだように感じさせてくれる土地です。

グランドキャニオンやデスバレーのような厳しさを感じさせる大陸的な景色と比べると、ヨセミテの清らかな水と緑に包まれた自然は日本人にとっても親しみを感じやすいのではないでしょうか。

ヨセミテのビレッジは峡谷のいわば谷底のような位置にあります。園内を車で周る人たちの多くは、いくつかある見所スポットに車を停めて、たとえばヨセミテ滝やハーフドームなどを基本的には下からの角度で見上げることになります。

ところが山道を登っていくことを厭わなければ、そうした滝や絶壁を真横から見ることも、あるいは逆に上から見下ろすこともできます。そして何より、上へ向かって歩けば歩くほど、周りから他人の影が少なくなります。自分が気に入ったポイントを静かに心ゆくまで眺めることができるのです。

4時間ほどで戻るつもりだったが

トレイル近くを流れる川

今回私が寝泊まりしていたカリー・ビレッジというキャンプ場の一番近くにある登山口から歩き出したときは4時間くらいで戻るつもりでした。ネバダ滝と呼ばれるポイントまで往復4~5時間と案内板に書かれていたからです。

Apple Watchのワークアウトで「屋外ウォーキング」を選び、歩き始めました。背中に背負ったバックパックには水のペットボトルが1本と念の為に用意したレインコートを入れただけの軽装です。

トレイルは基本的には川に沿って、滝が落下を始めるポイントを目指して登っていきます。ところどころで清流に近づき、そして視界が開けるたびに出発地点の谷底が遠くなっていきます。

Apple Watchの画面には経過時間、距離、そして心拍数がリアルタイムで表示されます。これはとても便利です。どれだけ歩いたかを知ることができるだけではなく、どれだけ疲れているかも知ることができるからです。

ウォーキング中のApple Watch画面

とくに心拍数の数値は私にとって興味深いものでした。当然のことですが、険しくなった山道をよじ登るようにして歩くときは心拍数が上がりますし、休憩すれば下がります。その増減の度合いが走るときよりもむしろ大きくなることが分かりました。ハイキングと呼ぶにはいささか厳しい行程でしたので、トレッキングと呼ぶべきかもしれませんが、山道を歩くと言う動作は思っていたより激しい運動のようです。

2時間ほど歩いたところで、なんとなく目的地として決めていたネバダ滝のポイントに到着しました。それまでは穏やかに流れていた川が絶壁から轟音を上げて流れ落ちるさまをすぐ近くから見ることができます。高所恐怖症の私はたとえ柵があっても岸壁に近づくのは非常に恐ろしいのですが、中には岩にちょこんと腰かけて景色を眺めている人もいます。

「ネバダ滝」ポイント

山道はここからも続いています。と言うより、ここまで歩いてきた「ジョン・ミューア・トレイル」はヨセミテを始点として、アメリカ本土最高峰(アラスカを除く)のマウント・ホイットニーまで300キロ以上の長さで縦走しているのです。

なんとなく物足りないものを感じていた私はもう少しだけ歩き続けることにしました。もちろん食料もテントもありませんので、それほど遠くには行けません。

自分の中で5時間という時間を設定しました。出発してからそれだけの時間が経過した時点でそれまで歩いてきた道を引き返そう。

少しお腹が空くかもしれないけど、そうすれば夕方までにはキャンプ場に戻ることができる。売店にはビールもピザも売っていたぞ、という素晴らしいアイデアが頭に浮かんだのです。

バッテリーの切れ目が素人ハイカーのガイドに

歩き続けるうちに滝を上から見下ろすようになる

それでもネバダ滝のポイントを過ぎると、すれ違う人は極端に少なくなりました。

ここまでは観光ルート、ここから先は健脚者コースと呼べるかもしれません。それこそが私が望んでいたものでした。他人の目や会話を気にすることなく、ヨセミテの自然を独り占めしているような気分を味わえたからです。

ところがひとつだけ問題がありました。予期していたことではあるのですが、Apple Watchのバッテリー残量が残り少なくなっていったのです。

4時間を越えたくらいで「バッテリー残量が少ないので低電力モードに切り換えます」というメッセージが表示され、それからしばらくすると本当に画面が真っ黒になってしまいました。

歩き始めてから4時間後くらいでApple Watchに表示されたメッセージ

元々引き返そうと考えていた時間でしたので、特に大きな問題はありません。

帰りは基本的に下りとなりますので、体力的にも楽です。ちょうど良いタイミングでバッテリーが切れたのだと言えるかもしれません。

予定通りキャンプ場に戻って美味しいビールを飲みながらiPhoneでワークアウトを確認すると、バッテリー切れを起こしたであろう時間で記録が止まっていました。

GPS地図でも私の足跡は途中の山中で終わっています。

左:Apple Watch Fitness 右:Stravaにインポートした結果

念の為に書いておきますが、私が使用しているApple Watchは最新バージョンからひとつ前のSeries 7です。

そもそも長時間に渡って、しかもGPS機能を使用することを想定してはいないのです。非はアップル社にはなく、正しい使い方をしなかった私にあります。

アップル社のウェブサイトにある仕様情報(*1)では、最新版の、とくにApple Watch Ultraのバッテリー駆動時間は以前より大幅に長くなったということですので、私のような無計画なハイカーにもきっと対応してくれるでしょう。

*1. Apple Watchのバッテリー
https://www.apple.com/jp/watch/battery/

●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookは https://www.facebook.com/WriterKakutani

※本記事のリンクから商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームより当サイトに還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報になります。
     

関連記事


RANKING

  1. 【保存版】スティーブ・ジョブズの名言100選|人生・仕事・創造性・リーダーシップのヒント

  2. 【全文和訳】スティーブ・ジョブズ 伝説のスピーチ「2005年 スタンフォード大学卒業式」

  3. iPhoneで計測できる「歩行非対称性」とは?何%なら正常?

  4. RORRYが世界初の分離式プラグ搭載超薄型モバイルバッテリー「PowerSplit」発売 – 先着100名限定で40%OFF!

  5. Amazfit Bip 6: 上位モデル級の機能を搭載した史上最高のエントリーモデル、日本上陸!

  6. スティーブ・ジョブズの「成功哲学」── 革新を生むビジネス手法と思想の核心

  7. 1日300kcalだけで平気なの?Apple Watchの「ムーブ」のカロリーは何の数値か

  8. Garmin、待望の「心電図アプリ」2025年4月23日より提供開始 スマートウォッチで心房細動の兆候も確認可能に

  9. スティーブ・ジョブズの思想を体現したApple製品7選:革新の源を探る【McIntosh、iMac、ipod、Apple Storeも!】

  10. ASUSが指先で血圧とECG測定可能なスマートウォッチ「VivoWatch 6 AERO」を発表。

NEW CONTENTS

  1. スマートウォッチ&リングで計測可能な心拍変動(HRV)の見方、健康管理の活か仕方を徹底解説!

  2. 日本発の健康管理用スマートリング「SOXAI RING 1.1」、ドコモで先行取扱い開始

  3. スマートリングを活用した新たな健康管理プロジェクト「Impakt Life」がFiNANCiEプラットフォームで公開

  4. 【徹底解説】Apple Watchの「バンド」と「ベルト」「ストラップ」の違いとは?

  5. スマートタトゥー:未来のウェアラブルデバイスを詳しく解説

  6. 【GWセール開催】TokyoTool×MP2Lコラボ!NOMAD製品購入で豪華プレゼント進呈

  7. ノースフェイスやAPEのApple Watchバンドを売ってる怪しい店を調査!

  8. RORRYが世界初の分離式プラグ搭載超薄型モバイルバッテリー「PowerSplit」発売 – 先着100名限定で40%OFF!

  9. スマートコンタクトにスマートタトゥー……。スマートウォッチ&リングに続く未来のウェアラブルデバイスは?

  10. Apple Watchやスマートウォッチで体温測定ができない理由は? 計測可能な体表温度と深部体温の違いも解説!

TAG

タグをさらに表示