検索
         
  1. スマートウォッチライフTOP
  2. NEWS
  3. 「ジムに通っているのに痩せない」わけをウェアラブルデバイスが解明

「ジムに通っているのに痩せない」わけをウェアラブルデバイスが解明

NEWS

公開日: 最終更新日:

 

「ジムで筋トレをする」「屋外でジョギングをする」といった体系化された運動を行った日は、かえって消費カロリーが少なくなる傾向がある。

なぜなら、運動を行ったという安心感、あるいは疲労感から、他の時間を家でゴロゴロ過ごしてしまいがちになるからだ。

そんな警鐘を鳴らす研究(*1)が最近発表されました。

*1. Compensatory Responses to Exercise Training As Barriers to Weight Loss: Changes in Energy Intake and Non-exercise Physical Activity | SpringerLink.
https://link.springer.com/article/10.1007/s13668-023-00467-y

運動をするとお腹は空きますし、喉も渇きます。

それに加えて、頑張った自分へのご褒美に、といつもより多く食べてしまう人も、ビールを余分に飲んでしまう人も多いでしょう。

つまり、運動をした日は摂取カロリーも普段より多くなってしまいがちなのです。

消費したカロリーより少ないカロリーを摂取することがダイエットの基本です。運動をすることで、かえって消費カロリーがより少なくなり、摂取カロリーがより多くなってしまっているのだとしたら、痩せない理由は不思議でもなんでもなかったのです。

「塵も積もれば山となる」をウェアラブルで把握

体系化した運動そのものが悪いわけではありません。ただ、それだけでは十分ではないのです。

上の論文を発表したコペンハーゲン大学のジュリー・マーベル・マンスフェルトさんが提唱するのは、運動以外の日常的な身体的活動(”NEPA” – Non-Exercise Physical Activity)をおろそかにしないことです。

たとえば、ふだんなら駅の階段を登っているのに、ジムの帰りは疲れているからとエスカレーターを使っていないでしょうか。

掃除をする予定を走ったからと翌日に回してはいないでしょうか。

とくに意識することなく行っている日常的動作で消費されるエネルギー量が注目されていることを以前に別の記事で紹介しました。

関連記事:世界のフィットネス業界で注目を浴びる「N.E.A.T.」とは? トレーニング以外で消費されるエネルギーが実は重要

その記事のなかで、私はこんな一文を書きました。図らずも、マンスフェルトさんと同じことを考えていたようです。

実際にジムで1時間筋トレをした以外はゴロゴロしていた1日と、家じゅうの大掃除をして動き回った1日の、カロリー消費量を比較してみて下さい。おそらく後者の方がはるかにカロリー消費量は大きくなるはずです。

別の研究(*2)では、ウェアラブルを用いて、家事や通勤などの人々が無意識で行う身体的活動の蓄積がどれだけ健康に寄与しているかを証明しました。

*2. Brief bouts of device-measured intermittent lifestyle physical activity and its association with major adverse cardiovascular events and mortality in people who do not exercise: a prospective cohort study.
https://www.thelancet.com/journals/lanpub/article/PIIS2468-2667(23)00183-4/fulltext

シドニー大学の研究者らは25,000人もの人々からウェアラブル経由で提供された日常的動作を解析し、それらが心臓発作や突然死のリスクを大幅に軽減する効果があることが分かりました。

「階段を登るであるとか、床をモップで掃くなどといった、短時間の身体的活動が大きな意味を持ちます。ここ数年の研究で体系化された運動だけが健康に良いわけではないことが分かってきました」

研究を主導したエマニュエル・スタマタキス博士が同大学のプレスリリースで上記のように述べています。

ウェアラブルを常時着用して、運動時間以外の活動量やカロリー消費量を把握してみると意外な事実を発見できるかもしれません。

●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookはhttps://www.facebook.com/WriterKakutani

※本記事のリンクから商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームより当サイトに還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報になります。
     

関連記事


   

RANKING

  1. 「ChatGPTが“嘘をつかなくなる”?」SNSで話題の“ファクトベースAI”プロンプトが凄い!

  2. 「ChatGPTの“優しさフィルター”を外したら成果が上がった」――海外ユーザーが話題のプロンプトを公開

  3. ChatGPTを“おだて役”から“辛口参謀”に変える! SNSで話題の「神プロンプト」10選

  4. 【新モデル登場】“Makuake No.1スマートリング”RingConnから「Gen2 Air」日本上陸。10月30日より先行予約スタート!

  5. OPPOが中国で新型スマートウォッチ「OPPO Watch S」を発表!薄型デザインに軍用レベルの耐久性と医療認証ECGを搭載

  6. 【最新版】モバイルバッテリーのリコール対象製品まとめ(2025年10月)|Anker・Xiaomi・CIOなど主要ブランドも対象に

  7. あのデザインが指先に宿る――「INFOBAR」コラボのスマートリカバリーリングが登場!CAMPFIREでアイデア公開中

  8. 自分の持っている家電やガジェットがリコール対象になった時の対処法

  9. Apple Watch Series 11レビュー|SE3最強説の中でも「11」を選ぶべき人は誰? 実機で両方使って見えた“体験の差”

  10. 【正直レビュー】Redmi Pad SE 8.7は買って大丈夫? セールで1万円を切る格安タブレットを実機検証

   

NEW CONTENTS

  1. KDDI、Apple Watch向け「au Starlink Direct」を提供開始。圏外でも衛星通信でメッセージ送信が可能に

  2. 「ChatGPTが“嘘をつかなくなる”?」SNSで話題の“ファクトベースAI”プロンプトが凄い!

  3. ChatGPTを“おだて役”から“辛口参謀”に変える! SNSで話題の「神プロンプト」10選

  4. 「ChatGPTの“優しさフィルター”を外したら成果が上がった」――海外ユーザーが話題のプロンプトを公開

  5. AIに正しく頼める人は、部下にも上手く頼める ― ChatGPTが教える上司力の本質

  6. リチウムイオンバッテリーが燃えたときの対処法と防止策|消費者庁・NITE・東京消防庁の公式情報を総まとめ

  7. OPPOが中国で新型スマートウォッチ「OPPO Watch S」を発表!薄型デザインに軍用レベルの耐久性と医療認証ECGを搭載

  8. Reebokが初のスマートリングを米国で発表。健康管理とフィットネスを融合した「Reebok Smart Ring」登場

  9. レノボ、個人向けスマートグラス「Lenovo Legion Glasses(Gen2)」を発表。わずか65gで126インチ級の大画面体験を実現!

  10. 自分の持っている家電やガジェットがリコール対象になった時の対処法