2025年6月1日に施行された改正労働安全衛生規則により、企業には職場での熱中症対策が義務化されました。この社会的な背景のなか、2025年開催の大阪・関西万博では、清掃スタッフの安全管理の一環として、ダスキンがミツフジ株式会社製のリストバンド型デバイス『hamon band 2』を導入。現場での“暑さの見える化”を実現する取り組みが始まりました。
清掃現場での熱中症リスクに新たな対策を導入
大阪府吹田市に本社を構える株式会社ダスキンは、万博会場内で1日あたり約300名の清掃スタッフの業務を担当しています。猛暑の影響を強く受けるこの現場では、これまで「こまめな休憩」や「水分補給」などの基本的な熱中症対策が行われてきました。
今回、これに加え新たに導入されたのが、ミツフジ株式会社が開発した『hamon band 2』です。手首に装着することで、深部体温の変化を推定し、スタッフの体調変化をリアルタイムで可視化。リスクの高まりを迅速に把握することが可能になりました。
開発企業・ミツフジのコメント
『hamon band 2』を開発したミツフジ株式会社(京都府精華町)は、2021年から熱中症対策用のウェアラブルデバイスを提供。年々改良を重ね、現場の声に応えた製品へと進化させてきました。
同社の代表取締役社長・三寺歩氏は、以下のようにコメントしています。
「猛暑リスクによる事故をこの世から無くすことを目的に開発したhamon bandが、世界的イベントである大阪・関西万博で活用されることは大変光栄です。今後も社会に役立つ製品開発を進めてまいります」
現場での期待と反響
導入を決定したダスキンの室長・松山敦氏は、以下のように語っています。
「清掃業務における熱中症リスクは重大な課題と認識しています。デバイスを用いることで、スタッフの安心感と意識向上が図られ、より安全な業務環境が実現すると期待しています」
今回の導入は、大阪・関西万博の清掃現場において初の事例となります(ダスキン調べ)。
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まとめ:猛暑の中で働く人々を守る新たな一歩
万博という国際的イベントの裏側で働くスタッフの安全を支えるテクノロジーとして、hamon band 2の導入は大きな意味を持ちます。今後、建設現場や物流、介護など他の職場でも広く活用が進むことが期待されます。
スマートウォッチライフでは、こうしたウェアラブル技術による職場の安全対策にも今後注目していきます。