2025年9月に正式リリースされたwatchOS 26。
アップデート直後から編集部でも実際に試してみましたが、見た目の刷新から日常的な使い勝手の改善まで、「Apple Watchがまた一段と身近な存在になった」と感じられる進化が随所に見られます。本記事では、Liquid Glassによる新しいUIやワークアウト機能の強化、メッセージまわりの進化、そして新しい文字盤の実際の使い心地をレポートします。
結論先取り:UIの「Liquid Glass」で見た目が一新し、ワークアウトの導線と提案が賢くなり、メッセージまわりもスマート化しました。さらに、手首フリックや音量自動調整、メモアプリの追加など細かな改善も効いています。対応条件や言語制限もあるため、「できること」と「まだ日本語非対応のもの」を切り分けて紹介します。
睡眠スコア
watchOS 26から導入された睡眠スコアも実際に試してみました。スコアは「非常に高い」から「非常に低い」まで段階的に評価され、睡眠時間や中断回数、就寝時刻の規則性といった要素を総合的に反映します。単なる睡眠時間の記録ではなく、「どの程度回復できたか」を示す指標になっている点がポイントです。
たとえば編集部が計測した昨晩の結果は87点で「高い」評価でした。睡眠時間は6時間10分で基準を満たし、就寝時刻は平均より13分遅めでしたが大きな影響はありませんでした。睡眠中に2回目覚めたものの合計4分と短く、結果的に高評価につながっています。こうして「何がスコアを押し上げ、何が下げているのか」が具体的に示されるため、生活習慣の振り返りに役立ちます。
継続して使うことで、自分の睡眠パターンや質がどのような習慣によって左右されているかが分かり、改善への具体的なヒントを得られる仕組みになっています。
まだ2日しか使っていないので、使い勝手は何ともいえませんが、ほかのスマートウォッチに当たり前にあった機能がAppleにも導入されたのは嬉しいポイントです。
Liquid Glass関連:観やすさと一貫性がアップ
watchOS 26で最も印象的だったのは、インターフェース全体に導入されたLiquid Glass(リキッドグラス)スタイルです。コントロールセンターやアプリ内コントロール、スマートスタックまで半透明の質感で統一され、背景の屈折や重なりが生む奥行きによって、情報の階層が直感的に理解できるようになりました。
実際に使ってみると、写真文字盤では数字が被写体の前後に回り込み、人物写真でも時間表示が埋もれにくくなっています。コントロールセンターのアイコンはより洗練され、夜間の明るさでも視認性が高く、とくに消音や就寝モードの操作が直感的にできました。スマートスタックも半透明化され、カード切替が軽快になり、カレンダーや天気、トレーニング負荷などを前面に出すと日常の情報管理がスムーズになります。
Workout関連:導線の再設計+提案が賢い
ワークアウト開始画面はレイアウトが刷新され、画面の四隅に「ペーサー」「レースコース」「カスタム」「Workout Buddy」などのボタンが配置されました。
これにより目的の機能に素早くアクセスできるようになっています。
また、Apple Musicとの連携でワークアウト種目やユーザーの嗜好に合わせたプレイリストが自動で提案され、年間走行距離など新しいマイルストーンを達成するとWorkout Buddyが通知してくれるのも新しいポイントです。
ただし、Workout Buddyやスマートな提案機能は現時点では英語のみの提供となっています。
実際にランニングで使う場面を想定すると、開始までのタップ数が減り、走り出す前の設定がスピーディーになりそうです。提案プレイリストも、音楽によってモチベーションを維持できる便利な機能だと感じます。
毎日の色々なシーン関連:先回りと“ながら操作”が着実に向上
新しく追加された手首フリックジェスチャーは、通知を閉じる、着信音をオフにする、タイマーを停止するといった操作を手首を返すだけで実行できます。
対応はSeries 9以降とUltra 2以降に限られますが、片手が塞がっている状況でも操作できる点は非常に実用的です。
また、Apple Watchにメモアプリが追加されたことで、外出先でも腕の上でサッとメモを作成・確認できるようになりました。Siriを使って新規メモを作成することもでき、iPhoneを取り出さずに済むのが大きなメリットです。
キーボードを使って打つのは画面が小さすぎて現実的ではないですね。
さらに、電話や通知、Siriの音量が周囲の騒音に応じて自動調整される音量自動調整機能(Series 9以降/Ultra 2以降対応)も追加されました。会議室や図書館など静かな場所での“うっかり大音量”を防げるのは安心感があります。
スマートスタックも進化し、デバイスのデータや日々の習慣を学習して必要なカードを先回り表示してくれるようになりました。予定直前の乗換案内や天気の急変が前に出るなど、さりげないサポートが日常を快適にします。
さらに、iPhoneのライブリスニング機能を使って録音した音声を文字起こしし、Apple Watchに表示できるライブキャプションも便利です。会話内容をリアルタイムで読むことができ、アクセシビリティ面で大きな進歩を感じました。
新しい文字盤:写真・フロー・イグザクトグラフ・Ultra向けウェイポイント
文字盤にも新しい選択肢が追加されました。
写真文字盤の「おすすめシャッフル」では、腕を上げたり画面をタップするたびにお気に入りの写真が切り替わります。
「フロー」はLiquid Glassの数字と屈折する球体の動きが美しく、「イグザクトグラフ」は時刻の確認に特化したデザインです。
セットアップのコツとしては、写真文字盤ではコンプリケーションを最小限にして被写体を活かしつつ、カレンダーや天気、アクティビティリングなど必要最低限の情報だけを配置するとバランスが良いです。また、情報量はスマートスタックに集約し、文字盤は見映えを優先させると使いやすくなります。
新しい文字盤については、ここで挙げた以外のものも含めて、下記の記事で詳しく解説しています。
Apple Watchの新作文字盤5種を徹底解説【watchOS 26】
コミュニケーション関連:腕の上で“意思疎通”が進化
watchOS 26では、Apple Intelligenceを有効にした対応Apple Watchで、受信したテキストを自動翻訳してくれるライブ翻訳機能が利用可能になりました。返信も相手の言語で提案され、日本語を含む複数言語に対応しています(条件あり)。
また、メッセージの内容に応じて行動候補を提案してくれるスマートアクションも追加されました。たとえば「どこにいる?」と聞かれると位置情報共有の候補が表示され、タップするだけで送信できます。ただしこちらも現時点では英語提供からとなります。
通話機能も進化し、知らない番号からの着信に自動応答して用件を聞き取ってくれる着信スクリーニングや、オペレーター接続まで待ってくれる保留アシストが利用可能になりました。どちらもiPhoneが近くにある必要がありますが、仕事や日常の効率化に役立ちます。
その他(対応・制約・アップデート手順)
watchOS 26は、iOS 26を搭載したiPhone 11以降とペアリングしたApple Watch Series 6以降、Apple Watch SE(第2世代)、そしてApple Watch Ultra全モデルで利用できます。
ただし、Apple Intelligenceやライブ翻訳、スマートアクションなどは対応モデルや言語・地域、設定条件による制約があります。手首フリックや音量自動調整はSeries 9以降/Ultra 2以降のみ対応、Apple Musicの自動選曲はサブスクリプション必須です。
アップデートは、まずiPhoneをiOS 26に更新したうえでWatchアプリの「一般」→「ソフトウェア・アップデート」から実施します。容量確保と50%以上の充電、Wi-Fi接続を確保し、事前にバックアップを取っておくと安心です。
使って分かった「ここが良い/注意点」まとめ
今回の実践で感じた良かった点は、UI刷新による視認性と操作の一貫性の向上、ワークアウト前後の導線短縮と提案の進化、そして毎日使う細かな機能改善の積み重ねが体験差を大きくしていることです。
一方で、英語のみ対応のものがある点は注意が必要です。
写真文字盤はコンプリケーションを盛りすぎると数字の立体感が損なわれるため、役割を分けて使うのがおすすめです。
関連記事
Apple Watch Series 11発表!バッテリー強化、耐久性&価格アップなど進化・変化ポイントをチェック
Apple Watch SE 3登場!常時表示で“エントリーモデルの革命” 今年は間違いなく買い!
Apple Watch Ultra 3の進化ポイントを詳細に解説【Series 11との違いも】
スマートウォッチの最新ニュースやレビューは、Smart Watch Life トップページからもご覧いただけます。
※本記事のリンクから商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームより当サイトに還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報になります。