Apple Watchには通知を静かにするための複数のモードが用意されていますが、「どれを使えばいいの?」「似たような機能ばかりで違いがわからない」という声も多く聞かれます。
実際に筆者も、映画館や子供の寝かしつけ中にApple Watchの画面が光ってしまったり、通知音が鳴ってヒヤリとした経験があります。
状況に応じて正しくモードを使い分けることで、こうしたトラブルを防ぐことができます。
この記事では、Apple公式サポート「Apple Watchで長時間にわたって通知を消音にする」に掲載されている比較表をもとに、4つのモードの違いと使いどころをわかりやすく解説します。
Apple公式による4つのモードの比較表
以下はAppleの公式サポートページに掲載されている、通知や表示の動作を比較した表を要約したものです。
項目 | 消音モード | シアターモード | おやすみモード | 集中モード |
---|---|---|---|---|
サウンド | オフ | オフ | オフ | オフ(例外設定可) |
触覚通知 | オン(許可した場合) | オン(許可した場合) | オフ | オフ(例外設定可) |
視覚的通知 | オン | オフ | オフ | オフ(例外設定可) |
ディスプレイ | オン | オフ(手首を上げても点灯しない) | オン | オン(スリープなど一部除く) |
オプション | 特になし | 特になし | 「1時間」「場所を離れるまで」など時間指定が可能 | スケジュール設定・通知の許可カスタマイズ可 |
適した用途 | 静かな環境で通知を感じたいとき | 劇場・映画館など暗い場所 | 会議・面会・完全に通知を止めたいとき | 睡眠・仕事・運動など特定の活動 |
(出典:Apple公式サポート「Apple Watchで長時間にわたって通知を消音にする」より)
各モードの特徴と使い方
赤く光っている部分が消音モード。青の部分がおやすみモード
① 消音モード(Silent Mode)
消音モードをオンにすると、通知音やアラーム音は鳴らなくなりますが、触覚(バイブレーション)による通知は受け取れます。
周囲に音を出したくない静かな環境(会議、電車内など)での利用に適しています。
設定手順: Apple Watchのコントロールセンターを開き、「ベル」アイコンをタップ。
なお、Apple Watchが充電中の場合は、消音モードでもアラームやタイマーが鳴る仕様です(公式注記より)。
② シアターモード(Theater Mode)
映画館や暗い場所で便利なのが「シアターモード」です。
これをオンにすると、手首を上げても画面が点灯せず、通知音も消えます。触覚による通知は引き続き有効です。
設定手順: コントロールセンター → 「マスク」アイコンをタップ。
このモード中に画面を表示するには、ディスプレイをタップするか、サイドボタンまたはDigital Crownを押します。
寝室での利用にもおすすめで、夜中にApple Watchが光って目が覚める問題を防ぐことができます。
オレンジ部分がシアターモード
③ おやすみモード(Do Not Disturb)
「おやすみモード」は、通知や着信を完全に抑制し、音・振動・視覚的通知をすべてオフにするモードです。
会議や勉強中、集中したいときに便利です。
ただし、名前から「寝るときに使うもの」と誤解されがちですが、実際には睡眠専用ではありません。
夜の就寝時に画面の光を抑えたい場合は、より最適な「睡眠モード(Sleep Focus)」を使うのが正解です。
設定手順: コントロールセンター → 「月」アイコン → 「おやすみモード」を選択し、時間や場所を指定してオンにします。
④ 集中モード(Focus)
「集中モード」は、iPhoneやiPadと共通の「フォーカス機能」に基づいた設定で、「おやすみモード」や「仕事」「睡眠」「運動」など複数のカスタマイズが可能です。
アプリや連絡先ごとに「通知を許可する/しない」を細かく設定できるのが特徴です。
設定手順: コントロールセンター → 「月」アイコンを長押し → 「フォーカス」を選択。
もしくはiPhoneの「設定 > フォーカス」から設定を共有できます。
仕事中にSlackやメールだけを許可し、他の通知をすべてブロックしたり、睡眠中にアラームだけを残すなど、自分の生活リズムに合わせて柔軟に制御できます。
どのモードを使うべき? シーン別おすすめ
シーン | おすすめモード | 理由 |
---|---|---|
静かな会議中 | 消音モード | 音は鳴らさず、触覚通知で内容を確認できる |
映画館・寝室 | シアターモード | 画面が光らず、誤操作も防げる |
仕事や勉強に集中したいとき | 集中モード(仕事) | 必要な通知だけ許可して生産性を保てる |
夜眠るとき | 集中モード(睡眠) | 画面表示を簡素化し、睡眠トラッキングも自動で実行 |
まとめ
Apple Watchの「消音モード」「シアターモード」「おやすみモード」「集中モード」は、それぞれ似ているようで役割が異なります。
・音だけを消したいなら「消音モード」
・暗い場所や寝室では「シアターモード」
・短時間だけ通知を止めたいなら「おやすみモード」
・状況ごとに通知内容を自動制御したいなら「集中モード」
用途に合わせて正しく使い分ければ、Apple Watchをより快適に活用できます。
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