株式・FX・仮想通貨などのチャート分析を行う人にとって、日々の操作効率はトレード成績に直結します。TradingView(トレーディングビュー)を使い込んでいる人なら、描画ツールや時間軸の切り替え、ズームなど、マウス操作とキーボードショートカットを行き来することの煩わしさを一度は感じたことがあるはず。
そんな“操作の摩擦”を大幅に減らしてくれるのが、クリエイター向けデバイスとして人気のTourBox Elite(ツアーボックスエリート)です。
TourBox Eliteとは?

TourBox Eliteは、クリエイター向けの入力デバイス。複数のダイヤルやノブ、ボタンを自由にカスタマイズでき、PhotoshopやPremiere Proなどの操作効率を高めるツールとして知られています。
しかし近年は、トレーダーの間でも「チャート操作用デバイス」として注目を集めています。Bluetooth接続対応でケーブルレス、手にすっぽり収まるサイズ感も魅力です。
TradingView操作が圧倒的にスムーズに

TradingViewでのチャート分析には、時間軸の変更・インジケータの切り替え・描画ツールの呼び出しなど、多くの繰り返し操作があります。TourBox Eliteを使えば、これらを指先の直感操作で行えるようになります。
主な便利設定例
・メインダイヤル → チャートのズームイン/アウト
・ノブ1 → 時間軸の切り替え(1分足/5分足/日足など)
・ノブ2 → 銘柄リストの切り替え
・ショートカットボタン → トレンドライン/水平線の描画ツール呼び出し
・サイドボタン → 「チャートリプレイ」や「再生速度」変更
これらを一度設定してしまえば、マウスとキーボードの往復操作が激減し、チャート分析のリズムが途切れなくなります。
TradingViewショートカット割り当て例
TourBox Eliteを最大限に活かすには、TradingViewのショートカットキーを効率よく割り当てるのがポイントです。以下はその一例です。
| TourBoxのボタン・ノブ | 割り当て内容 | TradingViewショートカットキー | 用途・効果 |
|---|---|---|---|
| メインダイヤル | ズームイン/ズームアウト | Ctrl+スクロール or Alt+上下矢印 | チャート全体の拡大・縮小をスムーズに |
| トップノブ | 時間軸切り替え | 1/5/15/60 | 1分足から1時間足まで瞬時に切り替え |
| ショートカットボタン1 | トレンドライン描画 | Alt+T | ライン分析を素早く開始 |
| ショートカットボタン2 | 水平線描画 | Alt+H | サポート/レジスタンスラインの描画 |
| サイドボタン | チャートリプレイ起動 | Ctrl+Alt+R | 過去チャートを再生して検証 |
| ノブ2 | ウォッチリスト移動 | ↑/↓ | 銘柄を瞬時に切り替え |
| 下ボタン | スクリーンショット保存 | Alt+S | 記録・SNS共有を素早く実行 |
手元操作で“チャートの流れ”をつかめる

TourBox Eliteの強みは、単なるボタン割り当てに留まりません。ダイヤルやノブの抵抗感が絶妙で、まるでアナログ的にチャートを操っている感覚が得られます。
この“手の感覚で操作する”ことが、意外にもチャートのリズムや流れをつかむ助けになります。特にスイングトレーダーやデイトレーダーにとって、チャートのスピード感を体で覚えるような感覚は大きなアドバンテージとなります。
TourBoxシリーズには有線モデルも

TourBoxシリーズには、Bluetooth対応のEliteのほか、有線接続のTourBox Neoや初代モデルも存在します。
| モデル | 接続方式 | 特徴 | 価格帯(目安) |
|---|---|---|---|
| TourBox Elite | Bluetooth無線 | 最上位モデル。振動フィードバック・無線接続対応 | 約35,000円前後 |
| TourBox Neo | 有線(USB-C) | 最も人気の高い標準モデル。安定した動作と低遅延 | 約25,000円前後 |
| TourBox(初代) | 有線 | 安価な旧モデル。エントリー用におすすめ | 約18,000円前後 |
Bluetooth接続にこだわらない方や、できるだけ価格を抑えたい方は、有線モデルを選ぶのも良い選択肢です。
他にもある! トレーダーに人気の左手デバイス
TourBox以外にも、チャート操作や作業効率を高める左手デバイスは多数存在します。代表的なものをいくつか紹介します。
Loupedeck(ループデック)シリーズ
ダイヤル・ボタン数が多く、プロの映像制作者にも愛用されるデバイス。TradingViewの操作にも応用でき、特に複数の機能をレイヤー化して使いたい人におすすめ。
Elgato Stream Deck
物理キーに画像やテキストを表示できるデバイス。チャート切り替え、銘柄検索、ニュースウィンドウの呼び出しなどをワンタッチで行えます。
Xencelabs Quick Keys
高精度のダイヤル操作が特徴。ズームやスクロールの微調整を快適に行えます。コンパクトで省スペース派にも人気。
Razer Tartarus / Orbweaver
ゲーミング用途の左手キーパッドですが、ショートカット割り当て自由度が高く、トレード用途にも十分活用可能です。
TradingViewに限らず、あらゆるチャートソフトで有効

左手デバイスは、TradingView専用というわけではありません。MetaTrader(MT4/MT5)やThinkorSwim、NinjaTrader、TradingLiteなど、ほとんどのチャートソフトでショートカットキーが使えます。
つまり、TourBoxやLoupedeckを使えば、異なるソフト間でも同じ感覚で操作ができるようになります。アプリを切り替えても「手の動き」が変わらない──これが大きな強みです。
まとめ:チャート操作の「最後の一手」に
モニターやPCのスペックを上げる人は多いですが、意外と「操作デバイスの最適化」は見落とされがちです。TourBox Eliteをはじめとする左手デバイスは、その“最後の一手”となる存在です。
慣れてしまえば、マウスとキーボードだけには戻れなくなるほど快適。TradingViewやMT5などを使い込むトレーダーにとって、間違いなく投資する価値のあるガジェットです。











