筆者はこれまでに複数のAIボイスレコーダーを仕事で使い込んできましたが、今回紹介する「Notta Memo」には、これまでの製品とは違う“完成度の高さ”を感じました。
Notta(ノッタ)は2020年に音声文字起こしのウェブサービスとして登場し、長年にわたり高精度なASR(自動音声認識)を磨いてきた業界の大手・老舗ブランド。そのNottaが2025年に満を持してAIボイスレコーダーを発売した――という背景自体が、まず安心材料です。
「話した内容を、AIが自動でまとめてくれる」。そんな未来型の録音体験を、ついに“ポケットサイズ”で実現したのがNotta Memoです。今回は実機を使って、携行性・文字起こし精度・使い勝手を“取材1回分”の体験としてレビューします。なお本稿は製品紹介+ファーストインプレッションで、詳細な検証レビューは後日あらためて公開予定です。
製品概要
| 製品名 | Notta Memo(ノッタ メモ) | 
|---|---|
| 発売日 | 2025年6月16日(月) | 
| 価格 | 23,500円(税込) | 
| 重量/サイズ | 約28g/幅86.1mm × 高さ55.1mm × 厚さ3.5mm | 
| マイク | MEMSマイク×4 + 骨伝導マイク×1(推奨録音距離:約3m以内) | 
| バッテリー | 470mAh(録音時:約30時間/待機時:約28日) | 
| 充電方式 | マグネット式(フル充電:約1.5時間) | 
| 内蔵メモリ | 32GB | 
| 通信 | Bluetooth & Wi-Fi | 
| 付属品 | 充電ケーブル、MagSafeケース | 
注目ポイント
AI文字起こしサービスの“本家”が作ったレコーダー

Nottaはクラウド型のAI文字起こしサービスとして早くから実績を積み、官公庁や大手企業にも導入されるなど信頼性の高いブランドです。そのソフトウェア技術をそのままハードへ落とし込んだのがNotta Memo。サービス由来の豊富なテンプレートや要約・翻訳・話者識別までワンストップで扱えるのが強みです。
コンパクト&軽量ボディ
幅86.1mm、高さ55.1mm、厚さ3.5mmというカードサイズで、重さは約28g。実際に手に取ると、胸ポケットや小さなポーチに入れても存在感がないほど軽快です。取材や会議への携行でストレスを感じませんでした。
録音+AI文字起こし・翻訳・要約まで対応
メーカーの案内では最大98.86%という高い認識精度が示されており、話者識別にも対応。
筆者が数年前にウェブ版Nottaを使ったときは、「これはまだ実用には厳しいかな……」という印象があったのですが、下で紹介する取材時の仕様では、明らかに認識精度が上がっていることを実感しました。
ファーストインプレッション
取材で使った時の感想

会議室での取材に持ち込み、まず携行のしやすさに納得しました。軽くて薄いので、手帳やスマホと一緒に並べて置いても邪魔になりません。
文字起こしは、以前に感じた“固有名詞の取りこぼし・助詞の誤認”が目に見えて減り、話者識別も編集作業の負担を軽減してくれました。
もちろん細部でミスはあり、漢字、カタカナ、アルファベットの大文字・小文字の使い分けなどに違和感がある部分もありましたが、環境の整った場所での録音では「プロの文字起こし」にかなりレベルが近づいた印象です。
比較のために同価格帯の中国大手ブランド製AIレコーダーも併用しましたが、体感ではNotta Memoのほうが誤変換が少なく、話者特定の精度も一段高いと感じました。
録音条件をそろえたうえでの“同条件比較”でも、今回の現場ではNotta Memoに軍配が上がりました。
電車内での録音で驚いたこと

取材後に録音を切り忘れたまま移動したところ、電車の車内アナウンスまで正確に文字起こしされていて驚きました。
リュックの中に入れていたうえ周囲ノイズも多い状況でしたが、案内の定型フレーズはかなりの精度でテキスト化。もちろん、騒音・複数話者・反響音などが重なると誤認識は増えますが、「実務で拾っておきたい情報」を後から検索できる程度に整ったテキストになっていたのは頼もしいポイントです。
使い勝手と注意点

操作はシンプルで、録音開始・停止も直感的。付属のMagSafeケースを使えば、スマホ背面に装着して通話録音モードとしても活用できます。
録音データはクラウドへ自動同期され、アプリから要約・翻訳・AIチャットまで連携可能です。
いっぽうで、雑音・話者の重なり・マイクからの距離といった環境要因で精度は左右されるため、会議では話者の位置をなるべく近づける/発言が重ならない進行を意識する――といった基本配慮で結果が安定します。
雑音の多い環境下では、今回のように高精度な文字起こしは実現しない可能性もありそうなので、そのあたりは今後使いながらチェックしていきたいです。
こんな人におすすめ
インタビューや取材を頻繁に行うライター・編集者。会議や打ち合わせの議事録化を効率化したいビジネスパーソン。語学学習や多言語取材で翻訳も活用したい人。荷物を減らしつつ、録音から文字起こし・要約までをスマートに済ませたい人に、とても相性のよい一台です。
まとめ(後日、詳細検証を公開予定)

携行性とAI精度の両立という点で、Notta Memoは現時点のファーストインプレッションでも抜きん出た完成度でした。
同価格帯の競合機と比べても、誤変換と話者識別で一歩リードしているのが今回の実感です。
業界全体としても年々精度が向上してきた“地合い”があり、Notta Memoはその恩恵を受けつつ、サービス由来の後工程(要約・テンプレ・翻訳)までワンストップで整えているのが強みといえるでしょう。
録音環境が厳しい場合の限界や、細かな使いこなし・精度検証は、環境別テスト・機能比較・実例付きで後日あらためて詳報します。








 
         
     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                    


