iPhoneのマイナンバーカードで学園祭の年齢確認ができる|デジタル庁が5大学で実施、学生スタッフに渡るのは「20歳以上かどうか」だけ

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iPhoneを持つ手のイメージ画像。Apple Watchは写っていない。

2026年9月10日、デジタル庁が、大学の学園祭での年齢確認にマイナンバーカードを活用する取り組みを発表しました。9月12日の東京都市大学「横浜祭」を皮切りに、京都大学「11月祭」まで5つの学園祭で実施されます。

注目したいのは、iPhoneに追加したマイナンバーカードを提示した場合、学生スタッフに伝わる情報が「20歳以上か20歳未満か」だけになる点です。氏名も住所も、実年齢すら相手に渡りません。

スマートフォンに身分証を入れておく利点が、「見せなくていい情報を見せずに済む」というわかりやすい形で表れた事例です。

学園祭の「20歳未満の飲酒防止」にマイナンバーカードを使う

大学の学園祭には、学生だけでなくさまざまな年代の人が訪れます。酒類を提供する学園祭では、20歳未満の来場者への提供を防ぐために、確実な年齢確認が欠かせません。

これまで運営を担う学生スタッフは、本人確認書類を目視で確認していて、負担が大きかったといいます。デジタル庁はこの課題に対して、各地の学園祭実行委員会とともに、マイナンバーカードを使った年齢確認の取り組みを進めています。

当日の流れはシンプルです。

来場者が実物のマイナンバーカード、またはiPhoneのマイナンバーカードを学生スタッフに提示します。スタッフが「マイナンバーカード対面確認アプリ」で読み取り、20歳以上であることを確認します。確認後は、リストバンドの交付など、各学園祭のルールに沿って酒類を購入できます。

使うのはデジタル庁の「マイナンバーカード対面確認アプリ」

今回使われるのは、デジタル庁が提供するマイナンバーカード対面確認アプリです。学園祭のために作られたものではなく、事業者や自治体のスタッフが対面で本人確認を行うためのアプリとして、すでに公開されています。

デジタル庁が挙げている利用シーンには、金融機関での取引、携帯電話の契約、不動産の契約、中古品の買取、飲食店での20歳以上の確認、チケット販売のための年齢確認、自治体窓口での本人確認などが並びます。学園祭の年齢確認は、このうち「飲食店での20歳以上の確認」に近い使い方といえます。

実物のマイナンバーカードの場合は、ICチップを読み取って本人情報を確認します。券面を目で見るだけの確認と比べて、偽造された本人確認書類によるなりすましの対策につながります。読み取るのは券面に記載された情報だけなので、暗証番号の入力は必要ありません。

なお、このアプリが確認できるのはマイナンバーカード、iPhoneのマイナンバーカード、特定在留カード、特定特別永住者証明書の4つです。運転免許証の読み取りには対応していません。

マイナンバーカードをスマートフォンへ集約していく流れ全体については、マイナカードはスマホへ集約が加速|重点計画2026を解説でも取り上げています。

iPhoneのマイナンバーカードなら、渡るのは「20歳以上かどうか」だけ

今回の取り組みでいちばん面白いのは、実物のカードとiPhoneのマイナンバーカードとで、相手に伝わる情報の量が違うところです。

実物のマイナンバーカードを読み取った場合、確認できるのは券面に記載された本人情報です。氏名や住所も含まれます。

一方、iPhoneのマイナンバーカードを読み取った場合、アプリが確認する情報は「20歳以上か20歳未満か」のみ。デジタル庁は、氏名や住所など年齢確認に必要のない個人情報や、実年齢すら学生スタッフに渡さずに年齢確認を受けられる、と説明しています。

学園祭という場を考えると、この差は小さくありません。年齢を確認するのは同じ大学に通う学生です。生年月日や住所を見られずに済むというのは、来場者にとって安心材料になります。

実際、一部の大学では確認の対象を「iPhoneのマイナンバーカード」に限定して実施するとのことです。

実施予定の学園祭は5つ

発表時点で予定されているのは、以下の学園祭です。

開催日 大学・学園祭名
2026年9月12日(土)から13日(日) 東京都市大学「横浜祭」
2026年9月19日(土)から20日(日) 長岡技術科学大学「技大祭」
2026年10月24日(土) 信州大学工学部キャンパス「光芒祭」
2026年11月7日(土) 信州大学伊那キャンパス「落葉松祭」
2026年11月20日(金)から23日(月・祝) 京都大学「11月祭」

実施内容や実施時間は学園祭によって異なります。訪れる予定がある人は、各学園祭の案内を確認してください。

読み取る側にも条件がある

来場者側だけでなく、確認する学生スタッフ側にも満たすべき条件があります。ここは見落とされやすいところです。

iPhoneのマイナンバーカードを読み取るには、スタッフ側もiOS 18.5以上を搭載したiPhoneが必要です。デジタル庁は、Android端末では現在利用できないと明記しています。実物のマイナンバーカードの読み取りについては、アプリがApp StoreとGoogle Playの両方で配布されています。

通信環境の条件も違います。実物のマイナンバーカードは、インターネットに接続できない場所でも確認が可能です。しかしiPhoneのマイナンバーカードは、ネットに接続できない場所では確認できません。屋外の会場で電波が弱い状況は起こりうるので、運営側にとっては気にしておきたい点です。

個人情報の扱いについては、個人が特定できる情報はアプリに保存されないとされています。ただし履歴として、確認日時など一部の情報が保存される場合があります。

なお、デジタル庁は2025年11月に、このアプリを偽装したPC版アプリへの注意喚起も出しています。アプリを入れる際は、App StoreまたはGoogle Playの正規の配布先から入手してください。

iPhoneにマイナンバーカードを追加しておくには

マイナンバーカードをAppleウォレットに追加する画面

「iPhoneのマイナンバーカード」は、iPhoneのAppleウォレットに追加して使うマイナンバーカードです。2025年6月24日から利用できるようになりました。

出かける前に追加しておけば、対象の学園祭では財布から実物のカードを取り出すことなく、スマートフォンだけで年齢確認を済ませられます。マイナアプリへのログインや、マイナ保険証としての病院での利用、コンビニでの証明書取得にも使えます。

追加の手順は実際にやってみた!マイナンバーカードをiPhoneに追加する方法を写真つきで解説で、実際の画面とともに紹介しています。マイナンバーカードの実物、券面入力用暗証番号、署名用電子証明書パスワードが手元に必要になるので、先に用意しておくとスムーズです。

デジタル庁のiPhoneにマイナンバーカードを追加する方法でも手順が案内されています。

まとめ

学園祭での年齢確認は、規模としては小さな取り組みです。それでも、スマートフォンに身分証を入れておく意味が具体的に伝わる事例になっています。

これまで「スマホに入れると便利」と語られてきた部分は、財布を出さなくていい、忘れにくい、といった手軽さの話が中心でした。今回はそこに、相手に渡す情報を必要な分だけに絞れるという利点が加わっています。年齢確認のように「20歳以上かどうか」しか知る必要がない場面では、この差がそのまま安心につながります。

飲食店やチケット販売でも同じ仕組みが使えることを考えると、学園祭は入口にすぎないのかもしれません。秋に学園祭へ行く予定があるなら、その前にiPhoneへマイナンバーカードを追加しておくと、当日の列がひとつ短くなりそうです。

Source: デジタル庁「学園祭での年齢確認にマイナンバーカードを活用しています」/デジタル庁「マイナンバーカード対面確認アプリ」

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