近年、健康管理機能の強化が進むスマートウォッチの中でも、「心電図(ECG)」機能の搭載は大きな注目を集めています。
これまではApple Watchの独壇場とされていた心電図機能ですが、ついにGarminやHUAWEIといった他ブランドのスマートウォッチでも、日本国内で心電図が使えるようになりました。
この記事では、現在日本で心電図機能が使えるスマートウォッチとその特徴、そして注目モデルをご紹介します。
なぜ「心電図機能」が注目されるのか?
Apple Watchの心電図機能
・心電図は心拍数よりも詳細な心臓のリズムを測定でき、健康チェックに役立つ
・不整脈(特に心房細動)などの早期発見につながる可能性がある
・近年、医療現場でもスマートウォッチのECGデータの活用が広がっている
高齢化社会や健康志向の高まりを背景に、ウェアラブルデバイスでの簡易な心臓チェックのニーズが高まっているのです。
それでも「心電図機能付き」が日本で広まらなかった理由
日本では長らく「心電図機能付きのスマートウォッチ」が登場しづらい状況が続いていました。その背景には以下のような理由があります。
・日本国内で心電図機能を正式に提供するには、医療機器としての認証(薬機法に基づく)が必要
・この手続きには時間とコストがかかるため、多くのメーカーが日本ではECG機能を無効化した状態で販売していた
・そのため「海外では心電図が測れるのに、日本では使えない」というモデルが多く存在した
たとえば以下のようなモデルが該当します。
・HUAWEI WATCH GT 3 Pro
→ 欧州などでは心電図対応だが、日本版は非対応で販売されていた
・SAMSUNG Galaxy Watchシリーズ(4以降)
→ 韓国やアメリカでは心電図機能が解禁されていたが、日本版では非対応のまま
こうした状況が続いたことで、Apple Watchの一強状態が長く続いたのです。
Apple Watchの先行と独走
Appleの心電図のイメージ図
・日本で心電図機能がいち早く解禁されたのはApple Watch Series 4以降
・iPhoneとの連携、ヘルスケアアプリとの統合により、利便性と信頼性が高い
・医療機器認証を取得し、日本でも正式に心電図が測定可能に
Appleの技術力と申請リソースを活かして、いち早くこの分野をリードした形です。
そして今、GarminとHUAWEIが本格参入!
Garminの心電図測定
Appleに続き、GarminとHUAWEIも日本国内で正式に心電図(ECG)機能を提供するスマートウォッチを展開し、いよいよ「心電図が測れるスマートウォッチ」の選択肢が広がっています。
・Garminは、2025年4月23日(水)より「心電図(ECG)アプリ」の国内提供を開始しました。このアプリにより、対象機種で日常的な心電図測定が可能になり、Garmin Connectアプリ上で記録・管理できます。
日本版公式サイトで心電図機能に対応している機種は以下のとおりです。
・epix Pro
・tactix 8
・fēnix 8
・Venu 3 / Venu 3S
・fēnix 7 Pro シリーズ
・Enduro 3
・tactix 7
・quatix 7 Pro
心電図対応モデルとして新発売したHUAWEI WATCH 5
・HUAWEIも、医療機器認証を取得したモデルの販売を本格化。心電図機能に対応したシリーズは以下の通りです。
・HUAWEI GT Proシリーズ
・HUAWEI Watchシリーズ
・HUAWEI Watch Dシリーズ
・HUAWEI WATCH Ultimateシリーズ
いずれも国内での医療機器認証をクリアしており、「日本国内で正規に心電図が測定できるスマートウォッチ」として位置づけられます。
各モデルの比較と特徴
・Apple Watch Series 10 / Ultra 2
– 精度と信頼性の高いECG機能(日本国内で医療機器認証済)
– 心房細動の兆候を継続的に追跡できる「心房細動履歴」も利用可能
– iPhoneとの連携に優れ、ヘルスケアアプリとの統合がスムーズ
・Garmin Venu 3 / 対応プロモデル各種
– 2025年春より国内でECGアプリが正式提供開始
– 対応機種が多く、アウトドア志向から高性能モデルまで選択肢が豊富
– 最大14日駆動の長寿命バッテリーや高度なスポーツ機能も搭載
・HUAWEI WATCH 4 Pro / 対応シリーズ各種
– 医療機器認証済みで、日本でも心電図機能が正式に利用可能
– Android・iOSともに対応(一部制限あり)
– 呼吸数・ストレス・動的心拍などを含む総合的な健康モニタリング機能が充実
今後の展望:「心電図」はスマートウォッチ選びの新基準に?
Garminの心電図機能
今後の展望:「心電図」はスマートウォッチ選びの新基準に?
スマートウォッチに搭載される心電図機能は、医療機器としての実用性や信頼性が年々高まっています。これまでApple Watchの独壇場であったECG機能も、GarminやHUAWEIといった他ブランドの参入により選択肢が拡大し、日本国内でも「心臓のセルフチェック」を日常的に行える環境が整いつつあります。
その結果、スマートウォッチを選ぶ際の基準も変化しています。これまで重視されていた通知機能やデザイン性に加え、心拍や不整脈といった健康情報を正確に取得できる「医療レベルの健康管理機能」が、新たな判断基準として注目されているのです。
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