スマートウォッチの画面素材って何が使われているの?
スマートウォッチは毎日身につけるからこそ、画面の「耐久性」や「透明度」はとても重要です。
見た目では分かりづらいですが、製品によって使われているガラス素材は大きく異なります。
この記事では、スマートウォッチに使われる代表的なディスプレイ素材――ゴリラガラス、サファイアガラス、Ion-Xガラス、アクリル系の安価素材などの違いと特徴を解説し、代表モデルに採用されている素材にも言及していきます。
代表的なディスプレイ素材の種類と特徴
ゴリラガラス(Gorilla Glass)
アメリカのコーニング社が開発した化学強化ガラスで、スマートウォッチ、スマートフォン、タブレットなどに広く使用されています。
特徴:
・傷に強く、割れにくい
・薄くて軽く、透過性も高い
・「Gorilla Glass 3」「DX」「Victus」など複数の世代がある
・アウトドアやスポーツ向けの中価格帯(2万〜5万円程度)のスマートウォッチやスマホに多く採用されている
Pixel Watchには「カスタム 3D Corning® Gorilla® Glass 5」が採用されており、デザイン性と耐久性のバランスが評価されています。
サファイアガラス(サファイアクリスタル)
人工サファイア(酸化アルミニウム結晶)を使用した非常に硬度の高いガラス素材で、高級腕時計でも広く採用されています。
特徴:
・モース硬度9で非常に傷がつきにくい
・視認性が高く、高級感もある
・強い衝撃にはやや弱く、割れるリスクもある
・製造コストが高いため、高価格帯モデル(5万円〜)で採用されることが多い
Apple Watchのステンレス/チタニウムケースモデルでは「サファイア前面クリスタル」、Apple Watch Ultraでは「フラットサファイアクリスタル」が採用されています。Galaxy Watch5以降のモデルやGalaxy Watch Ultraでもサファイアクリスタルが採用されています。
Ion-Xガラス(Apple Watch)
Apple Watchのアルミニウムケースモデルに採用されている、Apple独自の化学強化ガラスです。
特徴:
・軽量で割れにくく、衝撃には強い
・ゴリラガラスと似た性能を持つが、サファイアガラスよりは傷がつきやすい
・価格帯とのバランスを取った選定
その他:無名の強化ガラスやアクリルガラス
低価格帯(5,000円〜1.5万円程度)のスマートウォッチには、無名の強化ガラスやアクリル素材(樹脂ガラス)が使われていることが多いです。
特徴:
・非常に安価
・傷がつきやすく、透明度もやや劣る
・割れにくさはあるが、経年劣化やくすみが出やすい
・外見で素材の違いは判別しづらいため注意が必要
サファイアガラスとサファイアクリスタルの違いは?
実は「サファイアガラス」と「サファイアクリスタル」は本質的には同じ素材で、どちらも人工サファイア(酸化アルミニウムの結晶)から作られています。
・「サファイアガラス」=通称や簡易表記
・「サファイアクリスタル」=時計業界などで使われる正式表現
・「サファイア前面クリスタル」=Apple独自の呼称(実態はサファイアクリスタル)
名称の違いはあっても硬度・傷耐性・性質は同等です。重要なのは「コーティングだけ」ではなく、本体素材としてサファイア結晶が使われているかどうかです。
価格帯別:使われやすいディスプレイ素材の傾向
価格帯 | 主な素材 | 採用例 |
---|---|---|
〜1万円 | アクリル・無名の強化ガラス | 格安スマートバンド(Xiaomi等) |
1万〜3万円 | ゴリラガラス系 / Ion-X | Apple Watch SE、Fitbit、Pixel Watch |
3万〜6万円 | 上位ゴリラガラス / サファイア一部 | Pixel Watch 2、高機能モデルのGarmin等 |
6万円〜 | サファイアクリスタル | Apple Watch Ultra、Galaxy Watch Ultra |
まとめ:画面素材も「使い方」で選ぶのがコツ!
スマートウォッチのディスプレイ素材は、外からは見えづらい部分ですが、耐久性や長期使用時の満足度に大きく影響します。
・価格を抑えつつ日常使い中心 → Ion-Xやゴリラガラス
・スポーツやアウトドアでの使用 → ゴリラガラスDXやVictusなどの強化ガラス
・傷を絶対に防ぎたい、長く使いたい → サファイアクリスタル
製品選びの際は、「見た目」「機能」「価格」に加えて、「画面の素材」もぜひチェックしてみてください。