屋外のベンチにスマートフォンを置いたら、いきなり充電が始まった――。
そんな“信じがたい体験”を捉えたX(旧Twitter)の投稿が、2025年12月下旬に大きな反響を呼びました。
写真付きで投稿された内容は、と一気に拡散。街の中の何気ないベンチが、ここまで注目を集めるのは珍しい出来事です。
そんなまさかと思ってベンチにスマホを置いたら本当に充電が始まって衝撃を受けてる
pic.twitter.com/YtdGMd9TwM— あさよる (@asayoru11)
December 21, 2025
この“充電できるベンチ”の正体は、コトブキの「eX〈エックス〉エフラインシリーズ」

SNSで話題になった「スマホが充電できるベンチ」の正体は、公園遊具やストリートファニチャーを展開する株式会社コトブキが発表した、電装プロダクトライン「eX〈エックス〉シリーズ」の製品です。
eXシリーズの第一弾として登場したのが、ストリートファニチャーの中でも最も身近な存在である“ベンチ”に電装機能を搭載した「eX〈エックス〉エフラインシリーズ」。2024年10月21日より発売とされています。
キーワードは、プレスリリースでも掲げられている「電装化によって、オープンスペースの次のあたりまえをつくる」という発想。屋外で過ごす時間を、より安心で快適にするためのプロダクトとして位置づけられています。
ベンチが“電気を使える場所”になったら、街の体験は変わる
コトブキが課題として掲げたのは「屋外で過ごす時間をもっと居心地よくする」こと。
屋外空間において、多くの人にとって欠かせない要素として挙げられているのが、
・地域の安心・安全に欠かせない“あかり”
・暮らしに欠かせない“電気エネルギー”
これらが「いつでも」「だれでも」使えるようになれば、オープンスペースの価値はさらに高まる――。eXシリーズは、そうした考え方を形にしたラインだと説明されています。
機能は「光」と「電気」――2つのモデルで展開
eX〈エックス〉エフラインシリーズは、主に次の2機能を軸に展開されています。
エフライン Glow#〈グロー・シャープ〉:太陽光を蓄電し、夜間に自動点灯

Glow#は太陽光を蓄電し、夜間に光を灯すモデル。照度センサーにより自動点灯する仕組みで、夜の景観を演出するだけでなく、照明があることによって安心・安全の向上にもつながるとされています。
エフライン Charge#〈チャージ・シャープ〉:太陽光を蓄電し、スマホの非接触充電が可能

今回SNSで“衝撃の体験”として拡散したのは、こちらのCharge#にあたる機能とみられます。
ベンチに搭載されたQiの非接触チャージポートに対応するスマートフォンを置くことで、ワイヤレス充電が可能になります。
外出中に「充電が不安で帰りたくなる」「モバイルバッテリーを忘れた」といった状況は多くの人に起こり得ます。休憩のついでにベンチで充電できるのは、地味ながらも体験価値が大きいポイントと言えそうです。
既設ベンチの“後付け”にも対応するのが特徴

プレスリリースでは、新規設置だけでなく、既存のエフラインベンチをスペックアップできる点も紹介されています。
・Glow line#〈グロー・ライン・シャープ〉
・Charge line#〈チャージ・ライン・シャープ〉
照明(Glow)と充電(Charge)の機能を、既存ベンチの部材交換という形で取り付けることが可能で、エフラインベンチ(W1800タイプ・肘なし仕様)に搭載できるとされています。
「新しい設備を丸ごと導入しないと実現できない」のではなく、「既存のベンチを活かしながら機能を追加できる」という点は、公共空間への導入ハードルを下げる設計思想と言えます。
再生可能エネルギー活用で、防災の観点でも“頼れるベンチ”に
Glow#・Charge#はいずれも、再生可能エネルギーである太陽光を活用して電気を蓄える仕組みを採用していると説明されています。
停電時でもあかりを灯せること、スマートフォンの充電ができることは、災害時の不安軽減にも直結します。
特にスマートフォンが「連絡」「情報収集」「決済」まで担う現代において、非常時に充電できる場所があることは大きな意味を持ちます。
【補足】投稿者のリプライで、設置場所も明かされている
今回の投稿者は、反響が広がったあとに自分へのリプライとして、設置場所についても補足しています。
それによると、ベンチが設置されていたのは東京都調布市の「鉄道敷地遊歩道」。さらに布田駅から調布駅へ向かう遊歩道の間に4つあるとのことです。
投稿者自身も「他のところでは見かけたことがない」と述べており、少なくとも現時点では、まだ街のあちこちに普及している設備というより“限定的に導入されている先進事例”として受け止めた方がよさそうです。
街の“当たり前”を更新するストリートファニチャー
ベンチは、ただ座るためのもの――。
そんな固定観念を更新するのが、電装ベンチという発想です。
「外で過ごす時間」をより心地よくするために、“あかり”と“電気”を公共空間に溶け込ませる。今回のSNSでの反響は、その価値が一般の人にとっても直感的に伝わるものであったことを示しています。
「eX〈エックス〉エフラインシリーズ」について詳しく知りたい方は、コトブキの公式情報もあわせてご確認ください。
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