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日本人約2,000名のFitbitデータで活動・睡眠・心拍変動の「基準値」が登場。テックドクターが構築し学会発表

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公開日:

テックドクター ウェアラブル基準値研究 メインビジュアル

スマートウォッチやスマートバンドを使っていると、歩数や睡眠時間、心拍数といったデータが毎日たまっていきます。でも、いざ数字を見たときに「この値って、自分の年齢だと普通なの? それとも低いの?」と迷った経験はないでしょうか。これまで日本では、こうした「自分のデータが標準的かどうかを判断するためのものさし(基準値)」が、ほとんど整っていませんでした。

そんな中、デジタルバイオマーカー開発を手がける株式会社テックドクターが、日本人の就労世代 約2,000名のウェアラブルデータを解析し、活動量・睡眠・心拍変動について年齢・性別ごとの基準値を構築したと発表しました。研究成果は、2026年5月に開催された第99回日本産業衛生学会で口頭発表されています。

約2,000名・延べ50万名日のFitbitデータから「基準値」を構築

今回の研究では、研究協力企業の従業員 約2,000名から、約1年3か月にわたって取得したGoogle Fitbitのデータを活用。延べ50万名・日を超える大規模なデータをもとに、活動量・睡眠・心拍変動に関する16の指標について、日本人就労世代の基準値(中央値と95%予測区間)を割り出しました。

加齢や性差、気温による変化に加え、既往歴やメタボリックシンドロームとの関連も示唆されており、ウェアラブルデータを使った個人の健康モニタリングや健康指導への応用が期待される内容です。

そもそも、なぜ「基準値」が必要なの?

近年は、ウェアラブルデバイスで測った日常データと、健康状態や病気のリスクとの関係が数多く報告されています。たとえば歩数が増えると死亡リスクや慢性疾患のリスクが下がることや、Fitbitの歩数データが糖尿病・高血圧・肥満リスクの低さと関連することが、海外の大規模研究で示されています。

ただ、こうしたデータを健康管理に役立てるには、「その数字が正常の範囲に収まっているのか」を判断するためのものさし=基準値が欠かせません。海外では数万〜数百万人規模の研究が進む一方、日本では数十人規模の研究が中心で、日本人に基づく大規模な基準値づくりはほとんど進んでいませんでした。今回の研究は、その空白を埋める取り組みといえます。

研究でわかったこと

心拍変動(SDNN)は加齢とともに低下

自律神経の状態を反映するとされる心拍変動(SDNN)は、若い世代では男性のほうが高く、25歳時点で男性32ms・女性27msでした。加齢とともに低下し、特に男性の下がり幅が大きいため、60歳頃には男女差が縮まる傾向が確認されました。

年齢ごとの心拍変動(SDNN)の基準値グラフ

歩数の性差は明確、活動量は年齢で大きく変わらない

歩数は一貫して男性のほうが多い傾向がみられました。一方で、加齢による大きな変化は確認されていません。総身体活動量(TPA)はむしろ加齢とともに増える傾向があり、睡眠時間が短くなることで活動時間が増えることとの関連が示唆されています。

年齢ごとの歩数の基準値グラフ

年齢ごとの総身体活動量(TPA)の基準値グラフ

睡眠は加齢とともに短く、浅くなる

睡眠時間は男女とも年齢が上がるにつれて減少しました。25歳時点では男性7.1時間・女性7.7時間だったのが、65歳では男性6.6時間・女性6.7時間に。深い睡眠の割合も加齢とともに低下し、睡眠が浅くなっていく傾向が確認されています。

年齢ごとの睡眠時間の基準値グラフ

年齢ごとの深い睡眠割合の基準値グラフ

基準値からの「ズレ」は健康リスクと関連の可能性

ウェアラブルデータに加えて健康診断の結果も合わせて解析したところ、既往歴がある人や、メタボリックシンドロームの基準に当てはまる人のグループでは、心拍変動の低下と心拍数の上昇が確認されました。つまり、基準値から外れていることが健康リスクと関係している可能性が示されたことになります。

研究の概要

今回の研究のおもな条件は次のとおりです。

項目 内容
対象者 企業に勤務する25〜65歳の従業員 1,996名(男性1,260名/女性736名)
使用デバイス Google Fitbit
測定期間 2023年1月〜2025年11月(平均装着期間 435日)
取得データ 1分単位の活動量、睡眠ステージ判定(Wake/REM/Light/Deep)、睡眠中の心拍変動
構築した指標 活動・睡眠・心拍変動に関する16指標の年齢・性別ごとの基準値(中央値・95%予測区間)
発表 第99回日本産業衛生学会(2026年5月30日・口頭発表)

この研究が私たちにとって持つ意味

約2,000名・延べ50万名日超という国内でも大規模なデータから基準値ができたことで、自分のウェアラブルデータが「年齢・性別の標準と比べてどうか」を客観的にとらえる土台ができつつあります。

テックドクターは、この成果が将来的に生活習慣病リスクの早期発見や、一人ひとりに合わせた健康指導、産業保健(働く人の健康管理)の現場での活用、さらにはデジタルバイオマーカーの開発などにつながることを期待しているとしています。スマートウォッチで測ったデータが「ただ眺めるもの」から「健康の判断に使えるもの」へと近づいていく動きとして、注目しておきたいニュースです。GoogleもAIヘルスコーチ「Google Health コーチ」でデータをもとにした健康アドバイスを進めるなど、ウェアラブルデータを”活かす”流れは加速しています。

デジタルバイオマーカーとは

デジタルバイオマーカーとは、スマートフォンやウェアラブルデバイスなどから取得した日常の生体データをもとに、病気の有無や状態の変化、治療の効果を、連続的かつ客観的に評価しようという指標のことです。従来のように医療機関で一時的に測る「点のデータ」ではなく、日常生活の「線のデータ」を継続的に活用できるのが特徴で、病気の早期発見や治療のモニタリングへの応用が期待されています。

まとめ

テックドクターが構築した、日本人就労世代の活動・睡眠・心拍変動の基準値。普段スマートウォッチを使っている人にとっては、「自分の数値が平均的かどうか」を知る手がかりが増えていく流れを感じさせる研究です。今後、こうした基準値が一般のアプリやサービスに取り込まれていけば、毎日のデータがもっと役立つものになっていくかもしれません。

学会発表の詳細は第99回日本産業衛生学会の公式サイト、研究のより詳しい内容はテックドクターのプレスリリースで確認できます。

株式会社テックドクターは「データで調子をよくする時代へ」をビジョンに、ウェアラブルデバイスなどの日常データから健康に関するインサイトを導く「デジタルバイオマーカー」の開発と社会実装に取り組む企業です。医療・製薬・食品関連企業や研究機関と連携しています(公式サイト)。

Source: 株式会社テックドクター プレスリリース

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指輪型で睡眠や心拍を測るデバイスが気になる方は、日本で購入可能なスマートリング徹底比較(2026年版)もあわせてどうぞ。

Googleとの統合が進むFitbitの最新モデルについては、Google Fitbit Air×Google Health コーチの実機レビューで詳しく紹介しています。

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