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Apple WatchとMasimo(マシモ)の長い特許紛争が、ついに最終決着を迎えたようです。海外メディアのAppleInsiderによると、Appleがこの裁判で求めていた控訴が退けられ、Appleが約6億3,400万ドル(634M)の賠償金を支払うことが確定しました。支払い先は、2026年6月にMasimoを買収した親会社Danaher(ダナハー)です。健康志向のユーザーに人気のApple Watchの血中酸素センサーをめぐる騒動が、これで一区切りついた形です。
気になるのは「自分のApple Watchの血中酸素測定は今後も使えるのか?」という点ですが、結論からいえば影響はありません。この記事では、今回の決着で何が確定したのか、そして私たちユーザーにどう関係するのかを、やさしく整理します。
何が確定したのか|Appleの控訴が棄却され634M支払いが決定
もともとMasimoは、Apple Watchの血中酸素センサーが自社の特許を侵害しているとして裁判を起こしていました。しかしMasimo側は、最終的にApple Watchの販売禁止(差し止め)も、血中酸素センサーの使用停止も勝ち取ることはできませんでした。裁判で残されていたのは、Appleが支払う賠償金の部分だけだったのです。
Appleは、陪審が示した「患者モニター(patient monitor)」の定義などをめぐって、評決の内容そのものに対して控訴していました。しかしLaw360の報道によると、担当のJames V. Selna連邦地裁判事はAppleの請求を退けています。新たな評決も、裁判のやり直しも認められなかったため、Appleは634Mの賠償金を支払うことになりました。現時点では、これ以上の控訴や不服申し立ての道はほとんど残されていないとみられます。
とはいえ、複雑なアメリカの司法制度のもとで、資金力のあるAppleが別の手段を探す可能性もゼロではありません。数兆ドル規模の企業にとって634Mは決して大きな痛手ではなく、Appleは可能な限り争う姿勢を見せてきたからです。
Apple Watchの血中酸素センサーは今後も使える
ユーザーにとって一番大事なのは、「これまで通り血中酸素の測定が使えるのか」という点でしょう。ここは安心してよさそうです。Apple Watchの血中酸素センサーは、2024年1月のソフトウェアアップデートによって販売禁止措置を回避しており、それ以降は問題なく利用できる状態が続いています。
今回の決着でMasimo側が求めていた販売禁止措置の復活も認められなかったため、手元のApple Watchで血中酸素を測る機能が突然使えなくなる、という心配はありません。あくまで「Appleがお金を支払って終わる」という決着です。血中酸素をはじめとするApple Watchの健康機能を活用したい人は、これまで通り使い続けられます。
Masimoを買収したDanaher|賠償金の行方
今回のもう一つのポイントが、賠償金の受け取り手です。Masimoは2026年6月10日に、技術系企業のDanaherによって約99億ドルで買収されました。そのため634Mの賠償金は、Masimoの新しい親会社となったDanaherに入ることになります。
Danaherがこの買収を決めた背景には、Masimoの収益力への期待があります。報道によると、DanaherはMasimoが2027年に5億3,000万ドルを超えるEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)を生み出すと見込んでいるとされます。その見立てからすると、Appleからの634Mの支払いは、新しい親会社にとってなかなかの臨時収入といえそうです。ただし、Danaherが今後もこの特許や訴訟にこだわり続けるのかは、現時点では分かっていません。
この訴訟が残したもの
長く続いた争いでしたが、結果としてMasimoはApple Watchの販売禁止も設計変更も勝ち取れませんでした。手にしたのは賠償金だけで、しかも今回の裁判の対象となった特許は、いずれも2028年と2029年に失効する予定です。時間もコストも大きくかけたわりに、得られたものは大きくなかったという見方もできます。
Masimo自身は、特許を使って実際に製品を作っているメーカーであり、いわゆる「パテント・トロール(特許を訴訟の道具にする企業)」とは異なる存在です。それだけに、なぜここまで強い姿勢でこの裁判を続けたのか、という疑問も残ります。この種の訴訟でしばしば言われるように、Apple Watch市場を支える多くのユーザーのように、いちばんの割を食うのは、選択肢や利便性が制限されかねない私たち消費者なのかもしれません。
ともあれ、長かったMasimoをめぐる一連の騒動は、これでようやく落ち着きそうです。今後この問題が再び蒸し返されるのかどうかは、これからの動き次第ということになります。
まとめ
今回の決着で確定したのは、Appleが約6億3,400万ドル(634M)をMasimoの新しい親会社Danaherに支払う、という点です。一方で、Apple Watchの血中酸素センサーは2024年1月のソフト更新で販売禁止を回避済みで、今後もこれまで通り使えます。ユーザーへの実質的な影響はない、と考えてよさそうです。
数年にわたって続いたApple対Masimoの特許紛争は、大きな販売禁止にはつながらず、賠償金の支払いという形で幕を下ろそうとしています。Smart Watch Lifeでは、Apple Watchの健康機能や、それを取り巻く最新の動きについて、これからも分かりやすくお届けしていきます。
Source: AppleInsider
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