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吉野家で牛丼を待っているときに、テーブルの端から黒いケーブルが伸びているのに気づきました。先端はUSB-Cで、根元にはAnkerのロゴ。注文用タブレットの台座に、そのまま充電ボックスが組み込まれています。
使ってみると、これがちょうどいい。スマートフォンをテーブルに置いたまま、食事のあいだだけ充電を継ぎ足せます。モバイルバッテリーを鞄から出す必要も、片手で持っている必要もありません。
実際に席で使ってみた様子と、アンカー・ジャパンが発表している仕様をあわせて整理します。
注文タブレットの台座が、そのまま充電ボックスになっている

設置されているのは、注文用のタブレット端末が置かれている席です。そのタブレットを載せている黒い台座が充電ボックスを兼ねていて、正面に「空腹も、スマホも急速チャージ!」というオレンジ色のバナーが貼られています。
よくできていると思ったのは、専用の充電スタンドを新しく置いたわけではないところです。もともとタブレットのために電源が来ている台座の中に電源タップを入れて、ケーブルを1本外に出しているだけ。テーブルの上に新しい機械が増えていないので、席が狭くなりません。
いちばん便利なのは「置いたまま継ぎ足せる」こと

ケーブルはテーブルの手前まで届く長さがあります。スマートフォンを置いた位置に無理なく挿さるので、食べているあいだ、スマホは伏せたままでも横に置いたままでもいい。これが思っていた以上に楽でした。
牛丼屋の滞在時間はそう長くありません。10分か15分で店を出ることも珍しくない。それでも、外出中に残量が心もとないときに「ゼロにはならない程度まで戻しておく」用途としては、この短さがちょうど噛み合います。満充電を目指す場所ではなく、継ぎ足しの場所と考えるとしっくりきます。
そしてモバイルバッテリーを持ち歩いている人にとっては、その一回ぶんを使わずに済むということでもあります。鞄から出して、つないで、また戻す、という手間が丸ごと省けます。
マグネットホルダーが地味に効いている

ケーブルの先端は、充電ボックスの側面にあるマグネットに貼り付いて待機しています。掲示にも「使用後は、マグネットにお戻しください」と書かれていて、赤いタグにも同じ案内が付いています。
これは店側の管理のためだと思って見ていたのですが、使う側にとっても効いています。ケーブルの先端が床に落ちていないし、テーブルの上を探さなくても定位置にある。共用のケーブルで気になるのは端子の汚れですが、宙ぶらりんにならない構造なら、そこもいくらか安心できます。
バナーの隅には「水や食べ物にケーブルの端子をつけないでください」という注意書きもありました。牛丼屋という場所を考えると、もっともな一文です。
ケーブルはAnker PowerLine III Flow、電源タップは最大67W

使われているケーブルは、アンカー・ジャパンの発表によると「Anker PowerLine III Flow USB-C & USB-C ケーブル」です。外装にシリコン素材を採用した、絡みにくく癖がつきにくいタイプ。約25,000回の折り曲げに耐える耐久性があるとされています。
不特定多数が毎日抜き差しする場所なので、この選定は理にかなっています。同じシリーズのケーブルは市販されていて、Ankerの直営店でも扱いがあります。実際、席にあったケーブルもへたった様子はなく、手に取ったときに硬い癖は残っていませんでした。
充電ボックスの中には最大67W出力に対応したAnkerの電源タップが入っており、スマートフォンやタブレットを急速充電できるとされています。
使う前に知っておきたいこと

実際に使ってみて、事前に分かっていたほうがいい点がいくつかありました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 端子 | USB-C。ケーブルはUSB-C & USB-Cなので、Lightning端子のiPhoneはそのままでは挿さらない |
| スマートウォッチ | Apple WatchやGalaxy Watchは専用の充電器が必要なため、このケーブルでは充電できない |
| 設置される席 | 注文用タブレットが導入されている店舗の客席。店舗によっては設置のない席もある |
| 衛生面 | 端子を水や食べ物につけないよう掲示がある。気になる場合は自分のケーブルを使う手もある |
| 使い終わったら | ケーブルの先端をマグネットに戻す |
スマートウォッチの充電については期待しないほうがいいでしょう。Apple Watchを外出先で充電したいなら、ケーブル込みで21gという小型の充電器を持っておくほうが現実的です。
設置はどこまで広がっているのか
アンカー・ジャパンが2025年10月10日に発表した内容によると、この取り組みは同日までに関東の39店舗で実証実験としての設置が完了した段階でした。同じ発表のなかで、注文用タブレット端末が導入されている関東エリア全域の約220店舗の全客席へ順次拡大するとしています。
発表時点で設置が完了していたのは、東京都の36店舗と、神奈川県の川崎西口店・川崎富士見店、埼玉県の草加ヴァリエ店です。上野駅前店や新宿靖国通り店、渋谷宮益坂店といった、乗り換えのついでに寄りやすい立地が多く並んでいました。
ただし、これは2025年10月時点の情報です。そして今回ケーブルを使ったのは、このリストに入っていない埼玉県内の店舗でした。発表で名前が挙がっていた埼玉県の店舗は草加ヴァリエ店の1軒だけなので、少なくとも当時の39店舗より先には確実に広がっています。
とはいえ、いまどの店に入っているかを網羅した情報は見当たりません。目当てにして向かうより、入った店の台座を見て確かめるくらいの距離感がちょうどいいと思います。
アンカー・ジャパンはこれまでも、タクシーやホテル、全席で充電できるAnker Cafeなど、製品を売る場所ではなく使う場所を増やす取り組みを続けてきました。牛丼チェーンの客席というのは、そのなかでもかなり日常に近い場所です。
まとめ
吉野家の客席に設置されたAnkerの充電ケーブルは、注文用タブレットの台座を充電ボックスとして使う、席を占有しない作りになっていました。ケーブルはテーブルまで届き、スマートフォンを置いたまま食事のあいだだけ充電を継ぎ足せます。
満充電にする場所ではありません。ただ、外出中に残量が減ってきたときの「あと少し」を、待ち時間ついでに稼げるのは実用的です。マグネットでケーブルが定位置に戻る作りも、共用設備としてよくできていました。
USB-C限定であることと、スマートウォッチには使えないことだけ頭に入れておけば、寄る価値のある充電スポットが1つ増えたと考えていいと思います。設置が進んでいるのは注文用タブレットが入っている関東エリアの店舗からなので、近くの店に寄ったらテーブルの台座を覗いてみてください。
そして、お腹が空いていて、スマホの残量も心もとなくて、あいにくモバイルバッテリーを持っていない。この3つが重なったときは、吉野家に入るのが一石二鳥になるかもしれません。牛丼が出てくるまでの数分と、食べているあいだの十数分。その時間をただ待つのではなく、充電にあてられるというだけで、店を選ぶ理由がひとつ増えます。
Source: アンカー・ジャパン「空腹も、スマホも急速チャージ!吉野家の関東エリア220店舗の全客席にAnker充電ケーブルの常設を開始」(2025年10月10日)/製品画像・店内の使用イメージはアンカー・ジャパン提供、テーブル上のケーブルの写真は編集部撮影
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