Table of Contents
サムスン電子などSamsungグループの6社は2026年9月29日、投資会社KKRが設立したAIインフラ企業「Helix Digital Infrastructure(Helix)」に、総額10億ドルを共同で出資すると発表しました。サムスン電子の日本法人は10月29日に、この発表の日本語版を公開しています。
出資するのは、サムスン電子、Samsung C&T、Samsung SDS、Samsung SDI、Samsung生命、Samsung火災海上保険の6社です。GalaxyのスマートフォンやGalaxy Watchで知られ、アジアのブランド価値ランキングで3年連続1位のSamsungが、AIを動かすデータセンターと、それを支える電力の分野に本格的に踏み込みます。
Helixはデータセンターから発電・送電・光回線まで一括で開発・運営
Helixは2026年6月に設立された会社です。大規模なデータセンターの開発と運営に加えて、発電所、送電・配電の設備、光ファイバーの通信網まで、AI向けのインフラに必要なものをまとめて提供します。
主な顧客は、AmazonやMicrosoft、Googleのような大規模なクラウド事業者(ハイパースケーラー)です。AIの需要が急に伸びるなか、こうした事業者はHelixを使うことで、データセンターとそれを動かす電力を一度に確保できるようになります。
経営を率いるのは、Amazon Web Services(AWS)の元CEOであるアダム・セリプスキー氏です。初期の投資家には、KKRのほか、クウェート投資庁(KIA)、NVIDIA、米国の電力大手Vistraが名を連ねています。
AIの競争は「計算」と「電力」の同時確保が勝負どころに
Samsungは発表のなかで、データセンターを「AI時代の生産拠点」、電力をそれを動かす「燃料」にたとえています。AIのサービスが暮らしや仕事に広がるほど、膨大な計算をこなすデータセンターと、それを止めずに動かす電力の需要が増えます。いま、AIインフラづくりで一番の足かせになっているのは電力の確保だとされています。
Helixは、自社で直接投資するほか、出資者でもあるVistraなどのエネルギー企業と組んで、必要な電力を早く確保する計画です。
AIデータセンター向けの需要は、スマートフォンやパソコンに使われるメモリの不足にもつながっています。iPhoneの出荷計画にも影響が出ているという報道もあり、私たちが使う機器の価格にも無関係ではありません。
半導体・冷却・建設・バッテリーでグループ各社が役割を分担
Samsungは、これまでの「部品を納めるメーカー」から一歩進んで、AIインフラ全体を設計する立場へ役割を広げていく方針です。グループ各社の得意分野は次のとおりです。
・サムスン電子のDS部門:データセンター向けの最先端の半導体
・サムスン電子のDX部門:2025年に買収した空調会社FläktGroupを通じて、空冷から液冷用の冷却水分配装置(CDU)まで、データセンターの冷却設備を提供。世界14か所の生産拠点と65か国の供給・サービス網を持つ
・Samsung C&T:データセンターや発電所の設計・調達・建設(EPC)
・Samsung SDS:データセンターの設計・構築・運営と、GPUを時間貸しするGPUaaS事業
・Samsung SDI:サーバーを24時間止めないための無停電電源装置(UPS)とバッテリーバックアップユニット(BBU)
Samsungは今回の出資で、Helixと組んで世界でAIデータセンターを広げるとともに、グループ各社の協業を深めたい考えです。
GalaxyのAI機能を支えるのも、こうしたデータセンターです。端末のメーカーとして知られるSamsungが、AIの裏側をどこまで押さえにいくのかは、今後のGalaxyの価格や機能にも関わってきそうです。Samsungのほかの動きは、下の記事でも紹介しています。
Source: Samsung Newsroom Japan
あわせて読みたい関連記事
Samsungのブランド価値がアジアで3年連続1位になった調査はこちら。
サムスンのブランド価値がアジアで3年連続1位|日経リサーチ調査でAppleは4位から2位 Xiaomiは20位に
メモリ不足がスマートフォンに与える影響はこちら。
iPhone 18 Proは予約で売り切れるのか? メモリ不足でアップルが2026年の出荷計画を縮小、9月の値上げ観測も【海外ニュース】
Appleが自社チップのAIサーバーを検討しているという報道はこちら。
Appleは自社チップのAIサーバーを外部に売るのか? M8 Ultraを2基か4基搭載しNvidiaの接続技術も検討と報道|発売は2029年以降の見込み【海外ニュース】
はじめての方・記事の探し方に迷った方へ
記事が多くて迷ったら、
記事の探し方ガイド
から目的別に読めます。











