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アップルが2026年のハードウェア出荷計画を縮小している——。著名アナリストのミンチー・クオ(Ming-Chi Kuo)氏がそう指摘したと、MacRumorsが2026年8月10日に報じました。理由はDRAM(メモリ)の不足です。
すでにMac Studio、Mac mini、MacBook Airに影響が出ており、この先はiPhoneにも及ぶ見通しだとされています。ウェアラブルを扱う立場としても、この流れがどこまで広がるのかは気になるところです。
発端は「TSMCに10億ドル分の在庫が滞留」という報道
クオ氏のコメントは、ある報道への反論として出てきたものでした。
その報道は、TSMCに10億ドル(約1,500億円)相当のパッケージング前のプロセッサが積み上がっており、アップルが確保できないメモリチップを待っているという内容でした。
クオ氏はこれを否定しています。アップルはプロセッサの生産を少なくとも3か月前から、確保できる見込みのメモリ量に基づいて計画しているため、TSMCに大量のウエハーを前倒しで作らせるようなことはしない、というのが理由です。
同氏のコメントを訳すと、次のようになります。
「メモリ供給が逼迫しているのは事実です。しかし私の理解では、TSMCがまず10億ドル分の仕掛品を積み上げ、その後パッケージングを進めるためにメモリの到着を待たなければならなかった、というドラマチックな展開は起きていません。TSMCとアップルはどちらも世界最高水準の実行力で知られており、両社がこれほど密接にサプライチェーンを調整していることを考えれば、そうした劇的な事態は考えにくいのです」
つまりクオ氏の主張は、「メモリ不足は本当。ただし報じられたような在庫滞留は起きていない」という二段構えです。不足そのものは否定していない点が重要です。
すでに影響が出ている製品
メモリ不足の影響は、これから起きる話ではありません。すでに出ています。
・Mac Studio
・Mac mini
・MacBook Air
これらはすでに供給の影響を受けており、問題が続けばこの先のiPhoneにも及ぶとされています。供給不足は価格を押し上げ、一部の製品では待ち時間が長期化しています。
実際、編集部でMac miniを検討していたときも、メモリを増やした構成だけ納期が2か月近くまで延びていました。標準構成ならすぐ届くのに、増量した途端に待たされる。メモリ不足は、購入画面の納期表示にそのまま出てきます。

画像はイメージです(出所:Unsplash)
なぜメモリが足りないのか|AIデータセンターが優先されている
原因ははっきりしています。メモリメーカーがAIデータセンター向けの供給を優先しているためです。
データセンター向けチップの契約のほうが利益率が高く、その結果、コンシューマー機器向けに回る生産能力が減っている。AIブームのしわ寄せが、私たちが買う製品の値段と納期に出てきているという構図です。
この流れはアップルだけの話ではありません。クアルコムも2026年9月1日からの値上げを表明しており、理由として同じくメモリ価格の高騰を挙げています。部品メーカーから完成品メーカーまで、順番に波及しているのが分かります。
価格への波及|6月にMacとiPad、9月にiPhoneか
価格はすでに動いています。
アップルは6月に、すべてのMacとiPadを値上げしました。そしてiPhoneについても9月に値上げが見込まれるとされています。
この点については、iPhone 17の値上げ観測も別途出ており、日本ではすでにApple Watchが先に値上げされています。2026年4〜6月期にアップルがスマートフォン市場の売上49%を占めたのは、各社がメモリ高で値上げするなか価格を据え置けたことが効いたと分析されていました。その優位が、ここで終わる可能性があるということです。
iPhone 18 Proシリーズは予約段階で売り切れるか
MacRumorsは、iPhone 18 Pro、iPhone 18 Pro Max、そして折りたたみの iPhone Ultra が、メモリの問題で数量限定になる可能性があると伝えています。そのうえで、これらの製品は予約期間中に売り切れると見込まれるとしています。
折りたたみモデルについては、カラーバリエーションに関するリークも出てきており、発表は来月の見込みです。狙っている人は、予約開始の時間に間に合うよう準備しておいたほうがよさそうです。
Apple Watchはどうなるのか
ここからが、腕元の話です。
今回のクオ氏の指摘に、Apple Watchは含まれていません。名前が挙がっているのはMacとiPhoneだけです。ただ、それは「影響がない」と確認されたという意味ではなく、単に言及がないということです。
考えるうえで手がかりになるのは、スマートウォッチが積むメモリの量は、スマートフォンやパソコンとは比べものにならないほど小さいという点です。同じ枚数のウエハーから取れる数が違うので、価格や納期への跳ね返り方も、iPhoneやMacほど直接的ではないと考えるのが自然でしょう。
とはいえ、日本ではすでにApple Watchの値上げが実施されています。部品価格の上昇は、製品ごとの搭載量とは別に、全体のコストとして効いてきます。アップルが下取り額を引き上げているのも、新製品を買いやすくする調整と見ることができます。
秋の新モデルを待っている人にとって、「待てば安くなる」が成立しにくい局面になっているのは確かだと思います。
まとめ
今回の話を整理すると、こうなります。
・メモリ不足は実在する。ただし報じられた「TSMCに10億ドル分の在庫が滞留」はクオ氏が否定
・アップルは2026年の出荷計画をすでに縮小している
・Mac Studio・Mac mini・MacBook Airにはすでに影響が出ている
・原因はAIデータセンター向けの供給が優先されていること
・6月にMacとiPadが値上げ、9月にiPhoneも値上げの見込み
・iPhone 18 Proシリーズと iPhone Ultra は予約段階で売り切れる可能性
買い替えを検討している人にとっては、欲しいモデルが決まっているなら、動くタイミングを早めに考えておいたほうがいいという状況です。値下がりを待つより、予約に間に合わせるほうが現実的な局面が続きそうです。
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Source:MacRumors/画像:Unsplash
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