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先日、家族で鉄道博物館に出かけた日のことです。子どもの相手をしながら、レビュー中のGalaxy Watchとスマートフォンの検証も進めたい。iPhoneからGalaxyへテザリングを張り、3歳の息子がぐずれば動画を見せる。バッテリーが減って当たり前の1日でした。
夜10時、残量は15%。何にどれだけ使ったのか気になって設定アプリのバッテリー画面を開くと、1位はインターネット共有で33%、2位は動画アプリで20%。ここまでは納得です。問題は3位で、その日一度も指につけていないスマートリングのアプリが8%を占めていました。しかも「バックグラウンドアクティビティが10時間18分増えました」と書かれています。
使っていないのに、10時間以上も動いていた
筆者が使っているのはOura Ringです。この日は充電もしておらず、電源が入ったまま自宅に置きっぱなし。指にはめていないので、当然ながら心拍も睡眠も測っていません。それなのに、iPhoneの側ではアプリが10時間以上動き続けていたことになります。

ここで大事なのは、上位2つとの性質の違いです。テザリングも動画も、目的があって使った結果の消費です。減った分だけ仕事が進み、子どもが泣きやんでいる。ところが3位の8%だけは、何も得ていないのに減った分でした。
この「8%」は、実は控えめな数字だった
もうひとつ補足しておきたいことがあります。バッテリー画面に並ぶ%は、消費量そのものではなくその日の総消費に対する割合です。この日はテザリングという普段はやらない使い方をしたので、分母が大きく膨らんでいました。平均97%のところ、この日は128%です。
つまり同じ量を消費していても、テザリングをしなかった平常日であれば、割合としてはもっと大きく見えていたことになります。単純に換算すれば1割前後。順位が3位だったから軽い、という話ではありませんでした。
バッテリーの数字を読むときは、順位や%そのものより「その消費に見合うものを得られたか」で見るほうが実態に近づきます。iPhoneのバッテリー消費が気になる方は、充電の設定側も一度見直しておくと、原因の切り分けがしやすくなります。
原因は、位置情報が「常に」のままだったこと
心当たりを探して設定を開くと、答えらしきものがありました。Ouraアプリの位置情報が「常に」になっていたのです。Bluetoothもアプリのバックグラウンド更新も、すべてオンのままでした。
iOSでは、位置情報を「常に」許可されたアプリは、位置が変わったことをきっかけにバックグラウンドで起動できます。この日は自宅から鉄道博物館まで往復した移動の多い日でした。移動するたびにアプリが起こされ、そのたびにリングを探しに行く。10時間18分という数字は、そうやって積み上がったものと考えると筋が通ります。
裏を返せば、出かける日ほど、使っていないデバイスのアプリが裏で活発になるということです。家にいる日には気づきにくい種類の消費でした。
Oura自身が「スマホのバッテリー消費が増える」と書いている

ここで、そもそもなぜOuraが位置情報を求めるのかを確認しておきます。公式のサポートページによれば、位置情報はアクティビティの記録品質を上げるために使われます。ランニングやウォーキングのルート地図、距離、ペースや速度といったデータは、位置情報がなければ記録できません。
そして「常に」を推奨する理由も明記されています。アクティビティの開始時点からGPSにアクセスできる必要があるため、というものです。運動を始めた瞬間から記録したいなら、アプリを開いていないときも位置情報が取れる状態にしておく必要がある、という理屈です。
注目したいのは、この説明にあわせて公式が「スマートフォンのバッテリー消費が増える」と注意を添えていることです。つまりメーカー側は、これがトレードオフであることを最初から認めています。隠された仕様ではなく、承知のうえで選ばせる設計になっている。
問題はメーカー側ではなく、リングを使っていない期間もその設定を放置していたことのほうでした。運動を記録するための権限が、運動どころか装着すらしていない期間に効き続けていたわけです。
位置情報だけをオフにしたら、一覧から消えた
そこで、Ouraアプリの位置情報だけをオフにしました。Bluetoothもバックグラウンド更新もオンのまま、触ったのは位置情報だけです。
翌日、同じ画面を開いてみました。1%まで表示される全アプリの一覧を最後までスクロールしても、Ouraの名前はどこにもありません。前日8%で3位にいたアプリが、一覧から完全に姿を消しました。

ただ、この翌日は外出していない在宅の日でした。移動が少ない日は、そもそもアプリが起こされる回数も減ります。位置情報を切ったから消えたのか、単に動かなかったから発火しなかっただけなのか、この時点では切り分けられません。
そこで8月11日、しっかり外出した日にも同じ画面を確認してみました。この日はGoogle マップがバックグラウンドで8分動き、PayPayや店舗のアプリも使っています。移動していたことは画面そのものが示しています。
それでも、Ouraはバッテリー消費の一覧に現れませんでした。1%まで表示される全アプリを最後の「表示を減らす」まで開いても、名前がありません。移動があった日でも出てこないのですから、消えた理由は外出の有無ではなく、位置情報をオフにしたことだと考えてよさそうです。

ただ、前日に10時間18分動いていたものがゼロになったこと、そして触ったのが位置情報だけであることは事実です。少なくとも、着けていないリングのために毎日発生していた消費を止められたことは間違いありません。
オフにすると、何が使えなくなるのか
リングを現役で使っている方のために、失うものも書いておきます。位置情報をオフにすると、次のデータが記録されなくなります。
・ルート(スタート地点・ゴール地点・移動経路の地図表示)
・距離(キロメートル/マイルでの正確な距離)
・ペースや速度(平均ペース、種目によってはスプリットタイム)
逆に言えば、睡眠・心拍・体温といったリング本体が測っているデータには影響しません。これらは指の光学センサーで取っているもので、位置情報とは無関係です。
判断の目安はシンプルです。ランニングやサイクリングのルートをアプリで残したい人はオンのまま。リングは睡眠と体調の記録に使っていて、運動の軌跡はスマートウォッチや別アプリで取っているという人は、「常に」から「使用中のみ」に下げるだけでも意味があります。スマートリングの睡眠計測の精度を目当てに使っている人なら、位置情報の優先度は高くないはずです。
使っていないデバイスのアプリを棚卸しする
今回いちばん効いたのは、設定を変えたこと自体より「見に行ったこと」でした。使わなくなったデバイスのアプリは、権限を持ったままスマホに残り続けます。
・機種変更して使わなくなったウォッチやリング
・レビューや比較のために一時的に入れたアプリ
・充電が切れたまま引き出しに入っているデバイス
こうしたものが増えるほど、常時オンの権限が積み上がっていきます。心当たりのある方は、次の手順で一度確認してみてください。
設定 > バッテリー > すべてのバッテリー使用状況を表示を開き、一覧を最後まで見ます。ここに「最近使っていないはずのアプリ」の名前があれば、それが今回と同じパターンです。バックグラウンドの時間が長いものほど疑わしいと考えてよいでしょう。
見つかったら、設定 > プライバシーとセキュリティ > 位置情報サービスで、そのアプリの権限を「常に」から「使用中のみ」または「なし」に変更します。GPSがバッテリーを消費する仕組みを知っておくと、どのアプリを疑うべきかの見当もつきやすくなります。
まとめ:減った理由より、減る必要があったかを見る
バッテリーが早く減った日は、つい「何が一番食っているか」を探しがちです。ただ今回のように、順位の上のほうが正当な消費で、下のほうに不要な消費が隠れていることもあります。
見るべきは順位ではなく、その消費に見合うものを受け取れたかどうかです。テザリングも動画も、払った分の見返りがありました。着けていないリングのアプリだけが、何も返してくれないまま10時間動いていた。ここに気づけるかどうかが分かれ目でした。
しばらく使っていないウェアラブルが手元にある方は、一度バッテリー画面を最後までスクロールしてみることをおすすめします。見覚えのない名前が下のほうに潜んでいるかもしれません。
Source: Oura公式サポート(Location Services for Activities)(画像:スマートウォッチライフ編集部)
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