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SUUNTO 9を富士登山で使った徹底使用レポート!

REVIEW

2019.07.19

日常の生活でも役に立つSUUNTO 9。でも、その真骨頂は登山などのアクティビティにあります。

スント社の社名の由来になった言葉はフィンランド語で「方向」という意味だそうで、元々は熱心なアウトドア愛好家であった創始者がコンパスのメーカーを立ち上げたところからスタートしています。

今回はそんなSUUNTO 9を使って富士登山に挑戦します!

SUUNTO9とは


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タフなバッテリーと最新のGPSを搭載
アウトドアスポーツを楽しむアクティブなアスリートのためのマルチスポーツ対応GPSスマートウォッチ。GPSを使用した状態でも最大120時間のバッテリー駆動が可能なモデルです。

Suunto独自のFusedTrack™アルゴリズムにより、GPSとモーションセンサーのデータを組み合わせることで、軌道と距離の精度が向上。これにより、精度を大幅に損なわずGPS消費電力を低下させ、バッテリー寿命を延ばすことを実現しました。ケース幅50㎜。100m耐水。

搭載スペック


 

「Movescount」でルートを登録。

まずはSUUNTOデバイス(ウォッチ)に今回の登頂/下山ルートを登録するところから準備が始まります。すでにSUUNTO製品を使っている方は使用していると思いますが、PCで「Movescount」に接続し「SUUNTO LINK」をインストールしておきます。


Movescount


SUUNTO LINK

MOvescountで詳細なルートを登録して、SUUNTO LINKでデバイスに転送するイメージです。
今回はMovescountの他のユーザーのMOVE(ログデータ)からルートを自分用に加工して保存するやり方です。

Movescountでまずは他の人が作った富士山のルートを探します。

MOVESCOUNT
1.MOVESCOUNTのトップページから「マップ」をクリックし

MOVESCOUNT
2. ルートを探したいエリアにズーム。

MOVESCOUNT
3. 自分が計画するルート(今回の計画は吉田ルートです)と同様のものを探す。
今回の行程は
1)富士吉田のスバルライン5合目バス停からスタートする「吉田ルート」を使う。
2)頂上に着いたらお鉢まわりはせずに下山ルートに進む。
3)吉田ルートの下山ルートで出発点に戻る
という要素を満たしているルートを探しました。

MOVESCOUNT
4. クリックすると他のユーザーのログデータが表示されるので、そのデータを一度エクスポートします。

その後、データをインポートして自分で加工できるようにします。(非公開にしておいた方がいいでしょう)

MOVESCOUNT
5.編集ボタンを押して自分だけのウェイポイントを作ります。

MOVESCOUNT
6.今回は行程が長いので、途中の山小屋や山頂など5箇所を登録します。中間ポイントがあった方が登山にもメリハリができるので。

MOVESCOUNT
7.中間ポイントにマークをつけて保存し、「以下を使用」の部分をオンにしておきます。
この状態でSUUNTO LINKでデバイスと接続すると、自動的にデバイスにこのルートが登録されます。

「SUUNTO LINK」でデバイスに転送。

SUUNTO LINK
8.PCでSUUNTO LINKを起動します。(USB接続すると自動的に立ち上がります)

SUUNTO LINK
9.SUUNTO LINKがデバイスを認識すると自動的に同期が始まります。この同期をすることによって先ほどMovescountで登録したルートがデバイスに転送されることになります。

SUUNTO LINK
10.「時計は最新の状態です」と表示されればもうOK。これでルートはデバイスに入りましたので後は当日に向けて体調を整えるのみです。

準備しておいたルートを呼び出してスタート。

いざ登山当日。カプセルホテルに宿泊して、朝の4時にスタートです。

まずはエクササイズを選択。


トレッキングを選択します。


ナビゲーションを選択。


ルートを選択して以前登録したルートを呼び出す。


Movescountで登録していた「MtFUJI」を呼び出す。


全行程を確認。


さあ、スタートです。


自分の進行方向がルートに乗っているか表示されるので、暗い中出発しましたが安心です。


ここでトラブル発生!SUUNTOを見ずに会話に夢中になっていたらどうやらルートを外れてしまっているらしい。
どこで間違えたのか。。。。


画面を変えると「オフルート」も文字が。完全に宝の持ち腐れと化しています。
ただし、標識を見てみると別の道から正規ルートに戻れるらしい。あ〜危なかった。無駄に帰らないといけないところだった。


途中で確認。2時間45分歩いて、垂直方向には757m登っているとのこと。


3000mをついに突破。行程の半分くらいは登っているらしい。この「いまどれくらい登っているのか」というのがわかるのは地味に励みになります。しかも高度がリアルタイムでわかるのでやる気が出ます。


垂直方向に登っていくペースも表示されます。この近辺では少し休み休みだったので高度はあまり上がっていません。


事前にチェックしておいたウェイポイントまであと少しだと表示されている。
つまりもう少しで山小屋だ!

SUUNTOがもうひと頑張りだと励ましてくれているよう。


山小屋のあたりで一休憩。
晴れているように見えるかもしれませんが、結構降っています。
こんなに雨が降っている時にはいちいちスマホを取り出して画面を見るのは不可能。手もかじかんでるし。
メールやLINEの着信もたくさんありますがすべてSUUNTOで確認できます。
やっぱりスマートウォッチをつけてきてよかった。


そんなこんなでなんとか頂上へ。あーよかった。

これもSUUNTOのおかげです。


ほんの一瞬だけ雲が晴れました。これが雲海かー。


帰り道でもトラップのように分かれ道があります。これもSUUNTOで確認しながら進めば問題なし。


なんとか下山して、噴火カレーを食べました。
疲れましたが9時間でスタート地点まで到着!
今は疲れてますが、明日SUUNTOアプリで全行程を確認しようと思います。

詳細なログデータを見ることが可能

SUUNTOアプリにアクティビティを読み込めば、スマートフォンで様々なログを見ることができます。

ウォッチの「ロブブック」でも見ることができますし、Movescountに同期してPCから確認することも可能。

SUUNTO9は精度の高いGPS(みちびき)、高度計、加速度センサー、心拍計、温度計などが搭載され、時計と連動させることによってエクササイズを時系列で確認することができます。
登山当日に「カーナビ」のように道案内をしてくれるだけでも大助かりですが、高度な行動分析をしてくれるので、今後の行動の参考にすることができます。
更に言えば、登山前日の睡眠や登山後の睡眠なども記録できますので、体調管理までしてくれます。

それではログデータを見てみましょう。

まずは全体。今回のアクティビティをタップします。

 


時系列で1kmごとのログを一覧で見ることができます。

 


また、時間の部分をスライドさせながらどのようなペースで登ったのかを操作させながら見ることもできます。

 

 

ログデータを個別に解説


●距離(17.93km)
17.93kmと表示されていますので、これが実際に移動した距離になります。
事前にMovescountで登録したのは13.38kmですし、様々なガイドに書いてある吉田ルートの距離は「上り7.5km、下り7.6km、合計で15.1km」となっています。
ただ実際に山登りしていると、道の最短距離を歩くことはできませんし、むしろ少し大回りで歩いた方が傾斜が楽です。こういった数10センチのわずかな動きも正確なGPSで計測してくれるSUUNTOでは、「本当に歩いた距離」を知ることができます。

●継続時間(8時間31分14秒)
こちらはスタートからゴールまでの単純な経過時間ではなく、休憩時間を除いたエクササイズ本編の時間になります。山小屋で休んだ時は「一時停止」にしていたので、実際は4時にスタート、13時過ぎにゴールですから9時間ちょっとかかっています。逆にいうと30分ほど一時停止にして休んでいたことになります。ただし、この一時停止は自分でボタンを押さないと停止にならないので、実際にちょっと立ち止まったり、ちょっと岩場に座った時などは「継続時間」のなかに入っていることになります。しっかりと後でログを確認するつもりならばこまめに一時停止する必要があるでしょう。

●最高高度(3,720m)・最低高度(2,247m)

吉田ルートの富士山頂は3707mだそうですから10メートルほどずれていることになります。
ただし、これは実感としては大した誤差ではありません。リアルタイムで上昇と下降を正確にカウントしてくれるのが一番ありがたいです。

 

●上昇距離(1,487m)と上昇時間(3時間55分31秒)、下降距離(1,509m)と下降時間(2時間31分9秒)

これは平らな道ではカウントしないようです。ですのでほんのわずかな傾斜は平らな道と判断するので上昇距離と下降距離が微妙にずれることになります。
逆にこの数値を見ると富士山にいかに平坦な道がないかがよくわかります。全行程8時間半のうち6時間半は登っている時間か降っている時間かのどちらかになるということで、富士山の特徴をよく表していると思います。

●温度(17℃)

平均気温が17℃となっていますが、当日の天気予報サイトで見ると山頂は8℃くらいでしたし、全体的に高めに出ています。こちらは身につけているものなので少し実際とは誤差がありそうですね。
ただ、時系列で見ていくと、気温が山頂に近づいていくにつれて下がっていくのがよくわかります。たまに突然上昇しているのは、山小屋の室内に入っている時です。
山頂などは強風も吹くので体感温度はかなり低かったですね。

 

 


●平均速度(2.1km/h)と最高速度(9.4km/h)

これを見るとやはり登りはゆっくり、特に山頂に近づくにつれて速度が下がっていくのがわかります。逆に下りはかなりの速度が出ているのがわかります。
下りの時に立ち止まったのは3回だけだったな、などということも思い出すことができます。
下山ルートには山小屋がないので7合目のトイレで少し休んだくらいでした。

 

●フィーリング(最高に良い)
こちらは自己申告で、アクティビティを終了するときに登録します。
5段階のうち「最高に良い」にチェックをつけましたが、初めての富士登山だったのでものすごく甘めにつけたのと、終了した時の達成感があったので思わず「最高」にしてしまいました。
後から振り返ってみると、実際には5段階のうちせいぜい真ん中の「普通」くらいの快適さだったと思います。複数回登ることを考えればここは正直につけていればよかったかもしれません。

 

●カロリー(3210kcal)
これが今回の消費カロリーです。一般的には1日300kcalが消費カロリーの目標だそうで、「10分間のなわとび」が100kcal、「水泳30分」が180kcal、「ランニング30分」が210kcalだそうです。今回の登山でいかにカロリーを消費したかがわかります。
1日の目標の10倍もの消費でしたから、下山後の疲労感も当然でした。

 

●平均心拍数(113bpm)、最大心拍数(201bpm)

心拍数は7合目から8合目あたりが最大になっているのがわかります。思い返すと、この区間がもっとも勾配がきつく、岩場をよじ登っていくような感覚でした。これも数値を見てさらに実感することができました。
最大心拍数の201というのは、ほんの一瞬なのでしょう。

 

●歩数(33,285歩)

こちらはケイデンスとも関係している数値かもしれません。
ケイデンスとは「足の回転数」ということで、1分間に何歩歩いたか(どれくらい回転したか)ということを表しているそうです。
歩数が33,285歩で、ケイデンスが54rpmですから、歩数が多めにカウントされているのか、回転数にカウントされていない歩数があるのかもしれません。
何れにしても平均すると一歩50cm、2歩で1メートルくらい歩いたことになるようです。

 

●回復(94h)
この数値には驚きました。
こちらは「一般的に回復に要する時間」を表しているようで、この数値を見る限りでは完全に体力が回復するまでまる4日間かかるとのことです。
いままでいろんなアクティビティをしました。サッカーでかなり激しい運動した時でも回復の数値は数時間でしたし、丹沢の大倉尾根に登った時でも、高低差は今回のものとあまりかわらないのにその時は30hでした。
それだけ負担のかかるルートなのでしょう。

●PTE(3.6)
PTEとはSUUNTOが独自に弾きだしてくれる数値で「ピークトレーニングエフェクト」を指しているそうです。5段階あって
「1=体力回復効果あり」
「2=体力維持効果あり」
「3=体力向上効果あり」
「4=高い体力向上効果あり」
「5=過剰運動」
となるようです。
後から出てくる「EPOC」と連動して出てくる数値です。
3.8とは体力向上の効果がある運動のようですが、体感的には4.5くらいはあってもよかったかなと思っています。


●EPOC(76)
EPOCとは、運動後に体が回復するのに必要な酸素不足量。
Excess Post-exercise Oxygen Consumption
運動強度の客観的指標になるようです。

●平均ペース(28分30秒/km)

1kmあたり28分30秒のペースで進んでいます。

こちらも頂上付近ではペースがゆっくりになり、下り坂ではペースが上がります。

PCのMovescountで確認する場合

上記はスマホのSUUNTOアプリで見た画面ですが、すべてPCでのMovescountで確認することもできます。


Movescountにアクセスして「自分」をクリック。


今回のアクティビティをクリック(今回は「トレッキング」)


すると、詳細な情報がPCでも確認できます。

以上、SUUNTO 9での富士登山レポートでした!


●執筆者:スマートウォッチライフ編集部
日本初のスマートウォッチのウェブメディア。編集部には50本以上のスマートウォッチがあり、スマートウォッチ・Apple Watchの選び方や入門者向けの記事を多く配信しています。日本唯一のスマートウォッチ専門ムック本『SmartWatchLife特別編集 最新スマートウォッチ完全ガイド』(コスミック出版)を出版したほか、編集長はスマートウォッチ専門家としてテレビ朝日「グッド!モーニング」や雑誌『anan』(マガジンハウス)にも出演。You Tube「スマートウォッチライフ」(チャンネル登録者7000人程度)でも各種レビューを行っています!

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