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『シャオミ(Xiaomi) 世界最速1兆円IT企業の戦略』を読んでみた。なぜXiaomiのスマートウォッチは日本でも売れたのかが分かる1冊!

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公開日: 最終更新日:

2020年第4四半期のスマートフォン出荷台数において、世界で3位にランクインしているXiaomi(Xiaomi)。

スマートウォッチの分野でも「低価格・高品質」の製品の先駆け的な存在で、コスパの高いスマートウォッチは非常に高い人気を誇っています。

なおXiaomiは創業当初、露骨にAppleを意識したマーケティング手法を取っていたことから「中国のApple」と称され、創業者の雷軍も「中国のジョブズ」と称されたことのある人物です。

Xiaomiというブランドの何がどうスゴいのかを知るために、今回は2015に発売された『シャオミ(Xiaomi) 世界最速1兆円IT企業の戦略』という本を読んでみました。

スマートウォッチの話は出てきませんが、Xiaomiという企業の真髄が分かる内容だったので、印象的な部分を引用しながら紹介してみます。

『シャオミ(Xiaomi) 世界最速1兆円IT企業の戦略』


著者:陳 潤  翻訳:永井 麻生子  出版社:PHP研究所 ¥1980

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まずは簡単にあらすじ紹介

Google、Apple、Facebook、Amazonを超え、わずか創業5年で売り上げ1兆円を達成した謎のIT企業のビジネスモデルと戦略。

本書は、「超低価格+高スペック+洗練されたデザイン」のスマホをもとに市場を席巻し、今最も注目されているIT企業シャオミのすべてを、「チーム」「プロダクト」「イノベーション」など9つの観点から分析した一冊だ。

リアル店舗は「持たない」、自社工場は「持たない」、役職は「つくらない」、ハードウェアでは「稼がない」、KPIは「いらない」
などの常識破りなビジネスモデルと経営戦略を、シャオミの創設以来のプロセス、そして創設者である雷軍の20年の経験をもとに徹底的に解説する。

目次

第1章 チーム シャオミの中核的価値
第2章 プロダクト 商品こそがメディアである
第3章 イノベーション 神は細部に宿る
第4章 バリューチェーン 何も持たない者が最も速く走ることができる
第5章 ビジネスモデル シャオミ=Apple+Google+Amazon
第6章 マネジメント フラット&フリー
第7章 マーケティング 商品を売るな。参加感を売れ。
第8章 エクスペリエンス 「使用感」こそが、競争力の源泉である
第9章 オリジナリティ ライバルは自分を磨く石だ

創業者はジョブズ顔負けの名言製造機

本書を読んでまず気づいたのは、創業者の雷軍(レイ・ジュン)氏はスティーブ・ジョブズ顔負けの名言製造機であること。

ちなみに雷軍氏は、ジョブズ流経営を徹底的に研究して、ジョブズ流プレゼンもまるごと模倣。発表会での喋り方、間の取りかた、歩き方、黒シャツにブルージーンズのような服装まで、ジョブズを徹底的にマネしたそうです。

以下、本書で心に残った名言を紹介しましょう。

・風を受けるところに立てば、豚だって空を飛べる

・イノベーションの真髄は「創造する」ことにあり、決して「新しい」ことにあるのではない。世界を変えるような発明やイノベーションはすべて、「段階的な改良」から生まれた。

・スマホをパソコンとみなすこと

・集中は極めて重要だ。1種類のスマホを世に出すからこそ、難しい。もし自信が持てなければ100種類になるし、自信があれば1種類でもいい。

(以上、『シャオミ(Xiaomi) 世界最速1兆円IT企業の戦略』より)

どうでしょう?「なるほど!」と膝を打ちたくなる言葉が多く、Xiaomiが急成長を遂げられた秘訣が、これらの言葉にもよく現れていると思います。

ちなみに、商品数を絞ることで企業を成長させる「集中」の哲学は、Appleを率いたスティーブ・ジョブズにも見られるもの。

またスティーブ・ジョブズも「優れた芸術家はマネる。偉大な芸術家は盗む」という言葉を残しており、模倣を通して大きなイノベーションを成し遂げてきた人物です。

やはり雷軍氏の経営哲学はスティーブ・ジョブズの強い影響下にあることが、こうした言葉からも伺えるわけです。

「クレイジーな価格設定」を目指す商品戦略

また本書には、ユーザーに驚きの声を上げさせるために「クレイジーな価格設定」を目指す、「コストから売価を決める」というスマートフォンの商品戦略も書かれていますが、この戦略はXiaomiがのスマートウォッチにも通ずるものがあると感じました。

Xiaomiのバンド型のスマートウォッチ「Mi Band」シリーズは、5000円前後の価格にも関わらず、スマートウォッチの基礎機能が網羅的に・かつハイレベルに搭載されていて、日本でもその圧倒的なコスパが評判を呼んだシリーズだったからです。

また本書には、「不満とはニーズであり、ビジネスチャンスである」「不満が大きいほど、大きな市場が眠っている」という言葉もありましたが、Xiaomiのスマートウォッチは、安いだけで使い勝手がメチャクチャ悪かった格安スマートウォッチユーザーの不満を見事に付いたものだった……という印象もありました。

そして日本には、Xiaomiのスマートウォッチやスマートフォンの熱い支持者も生まれており、ファンの存在を通じてXiaomiの存在感は日増しに大きくなっている印象です。

ただ、最近のスマートウォッチ市場を見ていて気がかりなのは、Xiaomi以外の中韓のブランド(OPPO、HUAWEIなど)も、Xiaomi顔負けの「クレイジーな価格設定」の製品を出していて、人気を大きく伸ばしているということ。

徹底的な模倣を通じてイノベーションを成し遂げていく戦略は、急成長を遂げるには有効である一方で、追随者にもさらに模倣されてしまう……というリスクがあるのだな、とスマートウォッチ市場を見ていて感じるのでした。

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