米フィラデルフィア在住の30歳女性、Casey Cattieさんは、昨年8月から原因不明の寝汗に悩まされていました。友人から譲り受けたOura Ringを着けていたところ、アプリが繰り返し「重篤な病気の兆候」を通知。実際に彼女が病院を受診したのは数カ月後でしたが、その時点では原因が判明せず、最終的に医師よりも約8カ月早くリングが異常を検知していたことが明らかになりました。
複数の医師でも原因不明 ― 旅行先で病状が悪化
Cattieさんは寝汗や発熱を訴え、内科や消化器科を受診。血液検査や内視鏡検査を受けましたが、いずれも異常なしと判断されました。がん専門医ですら「悪性疾患の可能性は低い」と告げられ、生活を続けていたといいます。
ところが30歳の誕生日旅行で訪れたアイスランドで呼吸困難を発症。現地の病院で「胸水貯留(胸腔内に大量の水がたまる症状)」と診断され、CT検査の結果、がんの可能性を指摘されました。帰国後の精密検査でステージ4のホジキンリンパ腫と診断され、そのまま入院。現在は2週間ごとに化学療法と免疫療法を受けています。
Oura Ringが示していた「異常」
当時、CattieさんはApple Watchと併用してOura Ringを使っていました。Oura Ringは体温の急激な上昇を検知し、繰り返し「発熱」や「体調不良の兆候」を示していたといいます。彼女は当初「生理周期による変動かもしれない」と軽視していましたが、結果的にOura Ringの警告が正しかったことになります。
専門家「体調変化の兆候を示す精度は高い」
スタンフォード大学のMichael Snyder教授は「ウェアラブル機器は絶対値としての体温測定は精密医療機器に劣る場合があるが、個人のベースラインからの変化を検出する能力は非常に高い」とコメント。これまでもCOVID-19など感染症を発症する前に検知した事例が複数報告されているといいます。
「自分の感覚を信じて」
Cattieさんは「40年の経験を持つ専門医でも診断が遅れた。だからこそ、自分の体に異変を感じたら諦めずに訴え続けることが大切」と語っています。彼女は現在もOura Ringを着用し、治療経過を見守りながら生活を送っています。
情報源:
TODAY.com(Meghan Holohan, 2025年8月7日)