2026年2月28日。
Sonyのスマートウォッチ「wena 3」シリーズは、サービス提供の終了を迎えます。
Suicaをはじめとする各種連携機能、専用アプリへのログイン、設定変更。
スマート機能の多くがこの日を境に使えなくなり、wenaは事実上「スマートではない時計」になります。
そして、ほぼ同じ時期。
毎年ラスベガスで開催される世界最大級のテクノロジー展示会CES 2026では、
wenaと非常によく似た思想を持つ製品が、静かに注目を集めていました。
それが「Smartlet One Classic」です。
wenaが目指していた“珍しい立ち位置”

wena 3
wenaは、最初から王道のスマートウォッチではありませんでした。
・画面を主役にしない
・時計の見た目を変えない
・スマート機能は手首の裏側に隠す
「腕時計文化を壊さずに、スマート化する」
この思想こそが、wena最大の特徴でした。
Apple WatchやGalaxy Watchのように、
“時計そのものをデジタルデバイスに置き換える”のではなく、
今ある腕時計を、そのまま主役にする。
このアプローチは、ガジェット好きだけでなく、
機械式時計や高級腕時計が好きな層からも強く支持されていました。
それでもwenaは「続かなかった」

wena 3
ではなぜ、wenaは終わってしまったのか。
理由は単純ではありませんが、構造的な難しさは明確です。
・専用アプリの継続開発
・iOS / AndroidのOSアップデート対応
・Suicaなど外部サービスとの契約・維持
・アカウント管理とサーバー運用
wenaは見た目こそ“腕時計寄り”でしたが、
中身はフルスタックのスマートウォッチ事業でした。
つまりSonyは、
・ハードウェアメーカー
・ITサービス企業
・決済・データ連携事業者
この三役を同時に担い続ける必要があったわけです。
思想は評価されていても、
事業として「維持し続けるコスト」が非常に重い構造でした。
CES 2026で現れた“よく似た答え”
そんなwenaの終了とほぼ同時期に、
CES 2026で注目されたのがSmartlet One Classicです。

Smartlet公式サイトより
一見すると、wenaと驚くほど似ています。
・表側はクラシックな腕時計
・スマート機能は裏側に配置
・時計の存在感を邪魔しない設計
しかし決定的に違う点があります。
Smartletは「バンドだけ」の製品
Smartlet One Classicは、時計本体を一切持たない製品です。
あくまで提供するのはスマート機能を内蔵したブレスレット(バンド)のみ。
この違いは、思想以上に事業構造として決定的です。
・専用の時計ヘッドを開発しない
・表示用ディスプレイを持たない
・時計OSを作らない
Smartletは、
「時計としての完成度」や「UI体験」を自社で背負わない設計になっています。
結果として、
・開発コストが低い
・OSアップデート対応が最小限
・サービス終了リスクが小さい
という、非常に“軽い”構造になります。
wenaとSmartletを分けたのは「正しさ」ではない

Smartlet One Classic
重要なのは、
wenaの思想が間違っていたわけではないという点です。
むしろCES 2026で、
同じ思想が別の形で評価されていること自体が、その証拠でしょう。
違いを生んだのは、
・どこまでを自社で抱えるか
・どこをユーザーや既存の時計文化に委ねるか
その線引きでした。
wenaは“完成された体験”を提供しようとし、
Smartletは“拡張パーツ”に徹した。
その結果、
同じ発想でも、持続性は大きく変わったのです。
wena終了が教えてくれる、もう一つの答え
wenaは終わります。
しかし、
・腕時計が好き
・でもスマートな体験は欲しい
・画面に縛られたくない
この感覚を持つ人は、今も確実に存在します。
CES 2026で見えたのは、
そのニーズが「消えた」のではなく、「形を変えた」という事実でした。
wenaは、少し重すぎた。
Smartletは、驚くほど軽い。
その差が、この皮肉なタイミングを生んだのかもしれません。
関連情報
・手首の表に高級腕時計、裏にスマートウォッチ。CES 2026で話題のSmartlet One Classicが面白い
CES 2026で注目されたSmartlet One Classicの詳細はこちら。
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スマートウォッチと、その周辺にある「別解」をこれからも追いかけます。
Source:Sony wena 公式サポート告知
Smartlet One Classic Official Website
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