検索
         
  1. スマートウォッチライフTOP
  2. NEWS
  3. Apple Watchの心電図機能の認可、なぜ日本で2年半も遅れた? 米国との差で見る、日本でイノベーションが起こらない理由

Apple Watchの心電図機能の認可、なぜ日本で2年半も遅れた? 米国との差で見る、日本でイノベーションが起こらない理由

NEWS

2021.12.25

日本では2021年1月から利用可能になった、Apple Watchの心電図測定機能。

現在はこの機能を活用した「Apple Watch外来」を設けるクリニックも登場するなど、日本の医療界にも小さな変革を起こしつつあります。

【あわせて読みたい】Apple Watchの心電図アプリの使い方&見方を徹底解説!【動画あり】

しかし、この心電図機能がアメリカのApple Watchで使用可能になったのは2018年9月。

他国も次々と使用可能になる中、日本ではなかなか医療用機器としての試用の認可が降りず、アメリカに遅れること約2年半での認可となりました。

なぜ、このような差がついたのでしょうか?

米国は医療用ソフトウェアのスピード認可を後押し

まずアメリカの事情について書くと、アメリカでは医療用ソフトウェアの承認プロセスを短縮化するために、「デジタルヘルスソフトウェア事前認証プログラム」(Digital Health Software Precertification (Pre-Cert) Program)というものが2017年の時点で作られていました。

医療用ソフトウェアの有効性や安全性を一つ一つ審査するには、非常に時間がかかります。

そこでアメリカでは、一つ一つのソフトウェアを審査する以前に、まずはソフトウェアの設計やメンテナンスの手法などを「企業ごと」に事前に審査。

そして基準を満たす企業をまず認定し、認定した企業が開発した医療用ソフトウェアについては、提出資料や情報を簡略化して新竿の期間短縮・効率化を図ったのです。

なお2017年7月に参加認定された企業9社は以下のもの。AppleのほかGoogleグループのスマートウォッチ企業のFitbit、そしてSamsungの米国法人も含まれていました。

Apple(米国)、Fitbit(米国)、Johnson & Johnson(米国)、Pear Therapeutics(米国)、Phosphorus(米国)、Roche(米国)、Samsung Electronics(米国)、Tidepool(米国)、Verily(米国)

日本にはスピード認可の仕組みはなく、他ブランドの心電図も使えない状態

一方で日本には、そのようなスピード認可の仕組みは存在しなかったため、Apple Watchの心電図機能が使用可能になるまで、非常に長い時間がかかってしまいました。

なお、心電図機能は他のスマートウォッチでも搭載するものが出てきていますが、「外国では使えるけど日本では未認可のため使用不可」というモデルが複数あります(Fitbit、Withingsのモデルなど)。

日本で認可が降りているスマートウォッチは、まだApple Watchのみの状況です。

また医療用ソフトウェアではありませんが、スマートウォッチの非接触型決済(キャッシュレス決済)の分野においても、日本は遅れをとっている印象があります。

「本体にはNFCを搭載していて、海外では各種キャッシュレス決済が可能だけど、日本では使用不可」というスマートウォッチも複数あるのです。

イノベーションが次々と起こるアメリカのような国では、小さなトラブルが起こることには目をつぶりつつ、企業は革新的なサービスはいち早く市場に投入。また国家も、各種トラブルに対応しつつも、その認可を後押しする姿勢があります。

日本での展開後のUber Eats関連の各種騒動を見ると、「革新的なサービスにはトラブルが付き物」ということが分かります。

またUber Eatsの登場により、日本の飲食デリバリーの世界が大きく変わったことや、飲食にまつわる利便性が非常に向上したことも、明確な事実だと思います。

心電図機能のような医療関係のソフトウェアについては、認可に一定の期間が必要なことは理解できます。

しかし、それ以外の革新的なサービスについては「多少のトラブルは織り込み済みで、市場に投入してしまおう」という姿勢が企業や国家にもないと、日本は世界のトレンドから取り残されてしまうのではないか……。

筆者はそう感じますが、他国よりもミスやトラブルを恐れる習慣が根強い日本では、そうしたイノベーションの後押しも難しいんだろうな、とも感じるのでした。

あわせて読みたい

バルミューダが目指すスマホの海外展開。ではスマートウォッチは? 国内大手3ブランドの苦戦の現状

Appleが市場シェア1/3を達成! Wear OSは大苦戦もSamsungと統合で巻き返し? スマートウォッチ世界市場の最新レポート

スマートウォッチ主要21ブランドのガイド記事はコチラ!

 

     

関連記事


     
 

RANKING

  1. 「買ってはいけないスマートウォッチ」の特徴6つ。謎ブランドの格安モデルや「Amazonの商品名に機能列挙」は要注意!

  2. Apple Watch Series 8の色選びを大量の写真・動画と7000字で徹底解説!

  3. 1日300kcalだけで平気なの?Apple Watchの「ムーブ」のカロリーは何の数値か

  4. Apple Watchで使える電子マネーを完全解説!【2022年版】 Suica、QUICPay、iDをApplePayで使う方法とその便利さとは

  5. この写真、実はApple Watch! 完成度高すぎの「G-SHOCK風カスタム」の秘密を投稿者に聞きました。

  6. iPhoneで計測できる「歩行非対称性」とは?何%なら正常?

  7. Ouraリング20日間使用レビュー【第3世代Horizon】睡眠、運動や心身の疲労を高精度で計測する超凄いスマートリング

  8. Apple WatchはLINEも使えてやっぱり便利! 「4つの返信法」「既読を付けない読み方」ほか、便利な使い方と疑問を徹底解説

  9. 石田ゆり子、二宮和也、齋藤飛鳥……。Apple Watchを使っている有名人40人を動画・画像付きで紹介します!

  10. 超スムーズなApple WatchのSuica改札通過法! 時計の裏側の”腕タッチ”でもOK

NEW CONTENTS

  1. ナビットの1000人アンケートでわかった スマートウォッチのリアルな利用状況

  2. エレコムから発売された4つの異なる素材のApple Watchバンド。あなたの好みはどのタイプ?

  3. ケースごと着替えて印象をガラッと変える。新発売スマートウォッチ『HUAWEI WATCH GT Cyber』。

  4. Apple Watchをエレガントに楽しみたいなら2重巻のレザーバンドはいかが?EPONASからドゥーブルレザーバンドが登場。

  5. 春の季節にぴったり。ポラールのGPSプレミアムランニングウォッチPolar Pacer Proに新色ゴールド・シャンパン登場!

  6. Apple、Samsungなど大手のウェアラブル出荷量が軒並み減少! 2022年第4四半期のデータを読み解く

  7. OuraリングがApple Watchと連携強化

  8. 運転免許証もApple WatchでOKに。アメリカ各州で広がる試み

  9. 30万円オーバーの最高峰スマートウォッチGarmin『MARQ』コレクション最新全5モデルが発売開始

  10. アップルウォッチは中古ならいくらで買える? 発売から半年経過したApple Watch現行モデル3種の価格推移調査

TAG

タグをさらに表示