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Apple Payが使えない店もまだ多い? アメリカのキャッシュレス決済事情

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クレジットカードを手にスマホアプリを操作する人物の手元

アメリカのティーンに一番人気の決済方法はApple Pay

最近の若い者の間では何が流行っているのか。日本でもアメリカでもその答えを知りたがる人は多いようで、最近とある投資銀行(Piper Sandler Companies)がアメリカ国内の「Z世代」と呼ばれるティーンエージャーたちの消費傾向に関する調査結果(*1)を公表し、多くのメディアに紹介されました。

*1. Piper Sandler Completes 43rd Semi-Annual Generation Z Survey of 7,100 U.S. Teens.
https://www.businesswire.com/news/home/20220406005379/en/ 

全米各地に住む7,100人、平均年齢16.2歳のティーンエージャーたちへの聞き取り調査の結果、彼らは年に平均して30万円ほどを使い、そのお金の60%は親から貰ったもので、お気に入りのアパレルはナイキ(30%)。靴ブランドもナイキ(60%)。アマゾン(53%)で注文することを好むのだそうです。

注目するべきことに、回答者の実に87%がiPhoneを所有していました。そのせいもあるのでしょうが、決済方法としてはApple Payが1番人気になっています。

Apple Watchを使ってApple Payで買い物をする意味

Apple Payとは文字通り、Apple社の機器で使うことができるモバイル決済サービスです。広義的には電子マネーの1形態ではありますが、ここではざっくりと「Apple WatchやiPhoneの画面をお店のリーダーにかざして支払いをする」ためのアプリと定義しておきます。

関連記事:【電子マネーまとめ&一覧表あり】 Apple PayやGoogle Payは「電子マネーのお財布」と考えよう! 多すぎる「○○ペイ」を徹底解説

最初に使用するクレジットカードをApple WatchかiPhoneに登録する手続き(*2)が必要になりますが、それさえ済んでしまえば、後は簡単です。

*2. Apple Pay を設定する    https://support.apple.com/ja-jp/HT204506

お店がApple Payでの支払いを取り扱ってさえいれば、現金もカードも出すことなく買い物ができます。Apple WatchかiPhoneの右側ボタンを2度クリックすると、Apple Payの画面が現れます。それをお店のリーダーにかざせば支払いが完了します。料金は自動的に登録したクレジットカードに請求されます。つまり、財布を持ち歩かなくても買い物ができるわけです。特にApple Watchなら普通は手首に巻いているでしょうから、ポケットやバッグから何も取り出す必要がありません。

アメリカでApple Payが使える場所、使えない場所

私はアメリカに住んで30年以上になりますが、毎年のように日本に帰国します。以前は空港でドルから日本円に両替するか、ATMで現金を引き出したりしていたのですが、最近はSuicaを使い始めて、その必要がなくなりました。

少なくとも首都圏周辺では、Suicaさえあれば電車にも乗れるし、コンビニで買い物もできますし、ほとんどのレストランでも取り扱っています。

日本はキャッシュレス決済の普及が海外に比べて遅れているという話はよく聞きますが、私にとってはSuicaだけで日本滞在中の生活や旅行のほとんどの用を足すには十分です。とても便利になったと思います。

それでは逆に、日本に住んでいる人がアメリカに来た時、はたしてApple Payだけで旅行ができるでしょうか。日常生活や小旅行のなかで、可能な限りApple Payで支払うことができるかどうかを試してみました。

まずは食事。マクドナルドなどのファストフード・チェーンなら、ほとんどのお店でApple Payを取り扱っています。スターバックスでコーヒーを飲みたくなった時もApple Payで支払えます。しかし、テーブルに座ってサーブしてもらう形式の伝統的なレストランでは、従来通りのクレジットカードや現金を手渡す形式が今でも主流のようです。

食料や日用品などの買い物については、ややApple Payの利便性は下がるかもしれません。

大手のスーパーマーケットでも取り扱っていないところがあるからです(取り扱っている店もたくさんあります)。カートに商品を積んで、いざレジに進んだところで、「Apple Payは取り扱っていません」と言われるケースも多々あるわけで、現在のところ、知らない店に足を踏み入れるときは、やはり財布を持たなくては安心できません。

盲点はガソリンスタンドでした。アメリカでは殆どが自分でガソリンを入れるセルフサービス形式なのですが、そこではクレジットカードを差し入れる機械はあっても、Apple Payを取り扱っているスタンドを少なくとも私は見たことがありません。

と、ここまで書いて、あまりにも自分が見聞できる範囲に限られているのではないかと不安になりましたので、試しに「Apple Payが使えるガソリンスタンド」と検索してみました。すると、これだけあるよ~と32ものチェーンを紹介するページ(*3)にヒットしました。2022年度改訂版なのだそうです。

*3. Gas Stations That Take Apple Pay (2022 Updated)

やはり私が知らないだけで、Apple Payで決済できるガソリンスタンドは探せばあるようです。しかし、広いアメリカの、特に地方を旅行しているときは、周囲何10キロ以上にガソリンスタンドはひとつしかない、なんて状況はよくありますので、Apple Payに頼るのはギャンブルに過ぎるでしょう。

その他、ホテルのチェックイン、レンタカーのカウンター、駐車場の支払い、国立公園や各種観光施設の入場など、従来通りにクレジットカードの掲示や現金での支払いが求められる場所はまだまだ多いようです。

海外旅行に行くときは、米ドル建てのトラベラーズ・チェックを必ず用意していた世代からすると、信じられないくらい便利な世の中になりました。しかしそれでも、Apple Pay「だけ」でアメリカを旅行するのは困難だ、と私は思います。あくまで現在のところは、ですけど。

●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookは https://www.facebook.com/WriterKakutani

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