日本が誇る世界のデジタルウォッチ“G-SHOCK”
G-SHOCKをアイスホッケーのパックに見立てて耐衝撃性を表現したCMがきっかけで世界中で(特にアメリカで)爆発的な人気を得て以来、G-SHOCKはデジタルウォッチの分野では圧倒的なブランド力を持ったアウトドアウォッチです。
1983年に発売を開始した「DW-5000」はG-SHOCKの初期モデルで、そこからELバックライト機能を搭載させたり、ソーラー充電機能を搭載したり、スマートフォンリンクを搭載したりと、角形デザインのG-SHOCKは40年間に様々な進化を遂げてきました。
2023年の5月に発売されたG-SQUAD DW-H5600は、デザイン面では最初期モデルの「DW-5000」にみられる角形の形状を継承しながら、スマートフォンとの連携機能を搭載し他社のスマートウォッチにも引けを取らない機能性を持った、まさに「二刀流」のハイスペックウォッチと言えるモデルです。
G-SHOCKの初期モデルデザインを継承し、形を変えずに機能面では飛躍的に進化させています。
一般の(G-SHOCKの一般モデルに代表されるような)デジタルウォッチと比べ、スマートウォッチに付加されている代表的な機能としては
・心拍計測などのライフログ
・加速度センサーなどによる運動ログ
・スマートフォンとのBluetooth連携による通知機能
の3つが挙げられるでしょう。
G-SQUAD DW-H5600では光学センサーによる心拍計数、加速度センサーによる歩数などの活動量の計測、スマートフォンリンクによる通知機能がついており、機能面で言えば一般的なスマートウォッチ以上とも言える性能を持っています。
しかもソーラーアシスト充電機能がついていますので、「時計として」使用することを考えれば電池残量を気にすることなく使うことができます。
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G-SQUAD DW-H5600の外観
液晶にはMIP液晶を採用。
一般的なデジタルウォッチでは「STN液晶」を使用していますがそれにくらべて高精細になっています。
一般的なスマートウォッチと比べれば、精細さではやはりカラー液晶のスマートウォッチに軍配が上がりますが、日中の外出時での視認性では圧倒的にG-SQUAD DW-H5600の液晶が見やすいです。
もちろん、タッチスクリーンではありません。
ボタンはG-SHOCKの初期モデルデザインと同様に左右に2つずつ、4つが配置されています。
向かって右側は「ライト」のボタンと「戻る」のボタン。
ライトのボタンがついているところがG-SHOCKなどのデジタルウォッチならではの特徴でしょう。
日中は視認性が抜群ですが、夜間の外出時はライトをつけないとほとんどディスプレイが見えません。
夜間のランニングなど、一般的なスマートウォッチに慣れていると少し不便さを感じてしまうかもしれません。
向かって左側が「決定」ボタンと「選択」ボタン。
選択ボタンでモードを選んでいき、決定を押すとモード内に入れます。
これらのボタンも、一般的なスマートウォッチに慣れていると少し押しづらく感じます。
やっぱり「時間を見るため」に開発されたG-SHOCKと、さまざまな機能を小さな画面に収録して操作するために作られたスマートウォッチではフィロソフィーが少し違うのだろうなと思わされました。
ボタンは確かに少し押しにくいのですが、実際にはボタンを押さなくてはいけないシチュエーションは1日にそんなに多くないので、ライフログを取ったり、通知を受けたりする分には特に不便さは感じませんでした。
裏蓋にはLED光学センサーが4つついており、腕から浮かないように設計されています。
充電は付属の専用ケーブルで行います。
LOW BATTERYからフル充電までは1時間もかからずにできました。
アップルウォッチとの見た目比較
スマートウォッチと比較するならば、スマートウォッチ界のトップランナーであるアップルウォッチと比較してみたくなります。
アップルウォッチにタフウォッチ用のケースを装着して比較してみました。
全体の大きさとしてはG-SQUAD DW-H5600が少し小ぶりで、腕にはめた時の装着感も自然です。
時間を確認するにはG-SQUAD DW-H5600のほうが見やすいと言えます。
もっとも、ライフログなどの画面を見るには文字も小さいですしドットも粗く、詳細画面を見るにはアップルウォッチの方が圧倒的に見やすいですね。
厚さではG-SQUAD DW-H5600が若干薄くて装着しやすく感じます。
振動で通知を教えてくれる体感としては、どちらも丁度よく、通知に気づかないことはほとんどないでしょう。
G-SQUAD DW-H5600を使用した印象
一般的なスマートウォッチと違い、スマートフォンとペアリングせずとも時計としてはすぐに使用することができます。
G-SQUAD DW-H5600のスマートウォッチの機能としては下記のようなものになります。
スマートウォッチ機能を活用するためにペアリングするにはまずは「CASIO WATCHES」というスマートフォンアプリをスマートフォン側にインストールします。
CASIO IDを取得してログインするところから始めます。
(スマートウォッチに抵抗がある方は、こういうところが苦手だったり好みでない方もたくさんいるかもしれません)
G-SHOCK側で選択ボタンを長押しして「SETTING」を表示させ、決定→GENERAL SETTINGS→決定→PAIRING→決定→PAIRINGと進むとスマートフォンとのペアリングができます。
前述しましたが、一般のスマートウォッチと同じくG-SQUAD DW-H5600でできるのは
・心拍計測などのライフログ取得
・加速度センサーなどによる運動ログ取得
・スマートフォンとのBluetooth連携による通知受信
となります。
スマートフォンに届いたメールやLINE通知やアプリ通知が腕元に振動・ビープ音とともに届きます。
カレンダーに登録してある予定も通知を受けることができるので、大事な予定を忘れる心配がなくなります。
アクティビティモード
G-SQUAD DW-H5600で取得するアクティビティは
・ランニング
・ウォーキング
・筋トレ
・インターバルトレーニング
の4つとなります。
時計表示画面から決定ボタンを押してアクティビティ選択画面にしてから計測したいアクティビティメニューを選択し、決定ボタンを押して計測を始めます。
このG-SQUAD DW-H5600で計測されたアクティビティのトレーニング分析には、ポラールのアルゴリズムを使用しています。
ポラールは心拍計測を中心としたトレーニング分析に優れた製品を多数発売しているスマートウォッチ界のトップブランドで、カシオとのタッグは最強の組み合わせと言っていいかもしれません。
G-SQUAD DW-H5600でできるトレーニング解析の種類としては、ランニング時のVO2MAXであるランニングインデックスの計測、ワークアウト時の心肺にかかった負荷を計算するカーディオ負荷といったものがあります。
カーディオ負荷ステータスではこれまで行ったワークのハードを負荷情報から現在のトレーニング状況を確認できます。
また、ワークアウトで使用したエネルギー源の表示もできます。
消費したカロリーの中で脂肪、炭水化物、タンパク質をどれだけ使用したかをパーセントで表現します。
運動強度によって使用されるエネルギー源が変わってきます。
例えば運動強度を上げすぎず、適度な有酸素運動を行うと脂肪の消費率が高くなったり、無酸素運動に近いダッシュなどをするとタンパク質の消費率が高まります。
目的に合わせて運動強度を設定する目安として活用できるでしょう。
G-SHOCK本体にはGPS機能は内蔵されていませんが、スマートフォンとの連携でGPSを捕捉しアクティビティ時の距離計測に活用できます。
「CASIO WATCHES」の画面で確認することもできますが、G-SHOCK本体で直近のデータを確認することもできます。
少し見づらいですが、ACTIVITY LOGの画面から最近の3つのLOG LISTを確認できます。
ウォーキングなどは自動計測ではありませんが10分くらい歩くことがわかっている時はこまめに計測しておくと自分の体調を知ることができて便利でしょう。
心拍計測とライフログの蓄積
スマートウォッチ機能の利点は、毎日の歩数や心拍数などを自動的に保存してくれることでしょう。
スマートフォンにリンクされたG-SQUAD DW-H5600を腕につけていればアクティビティの計測ボタンを押していなくても自動的に「歩数」「心拍数」「消費カロリー」を自動で計測して保存してくれます。
G-SHOCK本体でもLIFE LOGの画面から直近のデータを確認できます。
やはりちょっと画面が小さいのですが、スマートフォンを取り出さなくても腕元でさっと確認できるのが便利です。
もちろん睡眠の質も自動的に計測します。
レム睡眠、浅い睡眠、深い睡眠の3段階と中断を合わせた4つのステージをパーセンテージごとに表示し、睡眠スコアも表示します。
計測された睡眠の分析についても、ポラールのアルゴリズムNightly Rechargeを使っています。
睡眠による回復度を計測するNightly Rechargeという機能は、ワークアウトなどで日中に受けた負荷から心身がどれだけ回復したかをフィードバックします。
こちらも腕元で同じ数値をチェックできます。
バッテリーライフとその他便利機能
バッテリーの持ち方としてはG-SHOCK独自の考え方に基づいています。
通常のスマートウォッチ機能をフルに使うと、「LOW BATTERY」になるまで3日間くらいでした(こちらは個人差があると思います)。
LOW BATTERYになると電池残量表示の部分に「LOW」と表示されます。
この状態になるとスマートウォッチ機能が働かず、スマートフォンに届いた通知も届かず、アクティブログなどの計測値をG-SHOCK本体では見れなくなります。
ただし、画面の輝度も落ちずに何ら変わることなく表示していて、時計として使う分にはまったく問題なく使うことができます。
充電して使用する電池残量は光学センサーや加速度センサー、Bluetooth接続などの機器のために必要なようで、もしも充電を忘れてしまっていたとしても時計の用途には使えるのは意外と便利かもしれません。
むしろスマートウォッチ機能はたまにしか使わずに、気が向いた時だけ充電してライフログを取る、といったような使い方を好む人もいるかもしれません。
その他の便利機能としては、「SPO2の計測」「深呼吸」「現在の心拍計測」「タイマー・ストップウォッチ」など、一般のスマートウォッチでも重宝されている機能がついています。
3画面しかありませんが、ウォッチフェイスの変更も一応できます。
個人的には、スマートウォッチとしては少し物足りなかったり不便だったりするところもありましたが、むしろG-SHOCK愛好家や、スマートウォッチに興味がない方にとっては、G-SHOCKの良さを全く損なわずにスマートウォッチ機能を使えるということで、ものすごく便利な一本だと思います。
耐衝撃性のデジタルウォッチとしてワールドクラスであるのは周知の事実。もう一つの武器としてスマートウォッチ機能を加えた二刀流の時計が4万円ちょっとで買えるなら、これは誰にでもお勧めできる一本だと言えるでしょう。
●ライター 杉本陽介
スポーツ好きアラフィフ男子。常にスマートウォッチを両腕に着け、1日12,000歩を目標にしている。
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