スマートフォンやワイヤレスイヤホンなど、現代人の生活に欠かせないデジタル機器。その充電に使われるモバイルバッテリーも日々の必需品になっています。
しかし近年、モバイルバッテリーの発火事故が急増しているのをご存じでしょうか? 東京消防庁のデータによると、リチウムイオン電池による火災は過去10年間で約9倍に増加。中でもモバイルバッテリーが原因となる事故が多く報告されています。
本記事では、エレコム株式会社のニュースレターに掲載された情報を参考に、モバイルバッテリーを安全に使用するためのポイントや、避けるべきリスク、安心して選べる製品の見分け方を詳しくご紹介します。
なぜモバイルバッテリーは発火するのか?
エレコムの情報によると、モバイルバッテリーの発火原因は、主に以下の3つに分類されます。
1. バッテリーの劣化
リチウムイオン電池は使用や経年により劣化し、内部の電解質が酸化するとガスが発生・膨張します。この状態で衝撃が加わると、発火・爆発につながるリスクがあります。
2. 安全装置の不備や低品質な部品
安価なバッテリーには、発熱時に給電を制御する安全装置が搭載されていなかったり、機能しないケースもあります。こうした製品は過熱による事故のリスクが高くなります。
3. 外部からの衝撃や圧力、水濡れ
モバイルバッテリーは精密機器です。落下や、お尻のポケットに入れたまま座って強い圧力をかけてしまうなどの衝撃、水濡れは、内部の損傷によって発火の原因になります。
安全に使用するための3つの基本ルール
モバイルバッテリーの事故を防ぐには、以下の基本ルールを守ることが重要です。
PSEマーク付きの製品を選ぶ
PSEマークは、電気用品安全法の技術基準に適合していることを示すものです。日本国内で販売されているモバイルバッテリーにはこのマークが必要ですが、個人輸入品などには注意が必要です。
熱を避ける
高温環境や熱がこもる状況は避けましょう。たとえば以下のような行為は避けてください。
・夏の車内など高温になる場所への放置
・ゲームなど負荷の高いアプリを使用しながらの充電
熱はバッテリーの劣化を早め、発火リスクを高めます。
衝撃や圧力を加えない
バッグの底に入れて重い物を載せたり、ポケットに入れて座るといった日常的な行動でも、内部の破損につながることがあります。衝撃には十分注意しましょう。
信頼できるメーカーの製品を選ぶ
エレコム株式会社では、モバイルバッテリーの安全性を確保するため、以下のような厳格な基準で製品を開発しています。
・日本の電気用品安全法(PSE)に適合
・リチウムイオン電池の安全性試験規格(JIS C8711、C8712)に準拠
・過充電・過放電・過電流防止、短絡保護、温度検知の5つの保護回路を搭載
・国内外の開発センターでの品質検証
さらに、エレコムは「ナトリウムイオン電池」を使用した世界初のモバイルバッテリーも開発。発火リスクが極めて低く、環境負荷も少ない次世代電池として注目されています。
使い終わったモバイルバッテリーはどう処分する?
モバイルバッテリーは家庭ゴミとして捨てるのではなく、正しくリサイクル処分する必要があります。エレコムの直営店「エレコムデザインショップ」では、使用済みのバッテリーを無償で回収しています。他社製品も、JBRC加盟製品であれば対象です。
まとめ
便利なモバイルバッテリーも、正しい知識と使用方法がなければ危険を伴います。PSEマークの確認、熱・衝撃を避ける扱い、安全装置のある製品選びなど、日々の使い方に少し注意を払うだけで、事故を大きく防ぐことができます。
エレコムのニュースレターに掲載された内容を参考に、安全で長く使えるモバイルバッテリーを選び、安心なガジェットライフを送りましょう。