2025年5月1日、Appleが2025年度第2四半期(1〜3月)の決算を発表しました。全体的には市場予想を上回る好調な業績を記録した一方で、一部事業には陰りも見えています。本記事では、決算の詳細やウェアラブル部門の減少理由、今後の展望までを総まとめします。
決算ハイライト:売上・利益ともに市場予想を上回る
Appleの発表によると、2025年Q2の業績は以下の通り。
項目 | 実績 | 前年同期比 |
---|---|---|
売上高 | 954億ドル | +5% |
純利益 | 247.8億ドル | +4.8% |
1株あたり利益(EPS) | 1.65ドル | +8%(市場予想の1.62ドルを上回る) |
製品別売上:iPadとサービス部門が好調
製品カテゴリ | 売上高(億ドル) | 前年同期比 |
---|---|---|
iPhone | 468.4 | +1.9% |
Mac | 79.5 | +6.6% |
iPad | 64 | +15.2% |
ウェアラブル・ホーム・アクセサリー | 75.2 | -4.9% |
サービス | 266.5 | +11.6%(過去最高) |
iPadやMacが好調だった一方、ウェアラブル・ホーム・アクセサリー部門が唯一のマイナス成長となりました。
ウェアラブル・アクセサリー減収の理由
Apple WatchやAirPodsなどを含む「ウェアラブル・ホーム・アクセサリー」部門の売上減少には、以下の要因が重なっています。
1. Apple Watchの販売減少
・出荷台数は3年連続で減少。
・買い替えサイクルの長期化、機能革新の鈍化が影響。
2. AirPodsの競争激化
・中国・インド市場でのシェア低下。
・価格競争力のある他社製品に押され、売上が鈍化。
3. Vision Proの限定的貢献
・高価格・限定販売のため、部門全体へのインパクトは小規模。
4. 新製品サイクルの遅れ
・Apple WatchやAirPodsで目立った新機能が少なく、買い替え意欲を刺激できていない。
地域別・戦略面での動向
・中国市場:売上が2.3%減と、懸念材料に。
・生産体制の再編:iPhoneの米国向け生産をインドへ、iPadやMacをベトナムへ移行中。対米関税のリスクを回避する狙い。
法的リスクとAI戦略
・App Storeの規制強化:外部決済への誘導制限で法的問題が再燃。
・AI開発の遅れ:Apple IntelligenceやSiriの強化が進まず、Google Geminiとの連携が浮上。
株主還元・株価の反応
・配当金:1株あたり0.26ドルに増配(+4%)。
・自社株買い:1,000億ドル規模の新プログラムを発表。
・株価:時間外取引で約3%下落。好業績にもかかわらず、サービス部門の成長鈍化や中国市場の不透明感が重荷に。
今後の見通しと課題
Appleは次の四半期(4〜6月期)においても売上の成長を見込む一方で、以下の課題に直面しています。
・米中貿易摩擦と関税リスク
・ウェアラブル部門の成長停滞
・AI技術への対応と開発の加速
・App Storeに対する規制対応
まとめ:堅調ながらも試される「次の一手」
Appleは今期も堅調な業績を維持していますが、ウェアラブル市場の減速、AI競争への対応、法的リスクなど、今後の持続的成長に向けた壁も存在します。次なる成長戦略として、AIとの融合やウェアラブル製品の革新がカギを握るでしょう。
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