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ChatGPT時代に再注目される『AIの遺電子』──10年前からAI社会を描いていた漫画

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近年、ChatGPTをはじめとする対話型AIや、生成AI、AIロボットなどが急速に日常へ普及しています。AIと人間の関係性が大きく変わりつつある今、「実はこの未来を先に描いていたのではないか」と再評価されている作品があります。それが、山田胡瓜の漫画『AIの遺電子』(秋田書店)シリーズです。

本記事では、信頼できる公開情報をもとに作品概要を整理しながら、「どのようにして『AIの遺電子』は時代を予見していたのか」を丁寧に解説していきます。

『AIの遺電子』とはどんな作品か

『AIの遺電子』は、2015年から週刊少年チャンピオンで連載が始まったSF医療漫画で、山田胡瓜氏が手がけるシリーズ作品です。人間と見分けがつかない高度AI搭載のヒューマノイドが社会に溶け込んだ未来を舞台に、ヒューマノイドの“病”を治療する医師・須堂の視点から、人間とAIの境界を描く物語です。

シリーズは以下のように展開し、世界観が拡張し続けています。

・AIの遺電子(2015〜2017)
・AIの遺電子 RED QUEEN(2017〜2019)
・AIの遺電子 Blue Age(2020〜2024)

特にRED QUEEN以降は、社会を動かす超AIや、対話型AIによる社会の変容といったテーマも扱われ、現代の技術トレンドとの接続点がより明確になっていきます。

著者プロフィール

山田胡瓜(やまだ きゅうか)──漫画家。2012年「勉強ロック」でアフタヌーン四季大賞を受賞。IT系ニュースサイト「ITmedia」で記者として活動した経験を持ち、2013年から「ITmedia PC USER」で「バイナリ畑でつかまえて」を連載。
2015年より『週刊少年チャンピオン』でSFコミック『AIの遺電子』を連載し、文化庁メディア芸術祭優秀賞・AI ELSI賞を受賞。続編『AIの遺電子 RED QUEEN』、前日譚『AIの遺電子 Blue Age』へとシリーズを展開している。

“予見”していたと言われる理由

『AIの遺電子』が「時代を予見していた」と言われる背景には、大きく3つの理由があります。

1. ヒューマノイドの“社会への自然な浸透”を描いた点

作中では、ヒューマノイドが社会の中に完全に溶け込み、人間同様に働いたり悩んだりしています。この視点は、現在のロボティクスやAI研究、家庭用ロボット、生成AIアシスタントの流れに強く重なります。

漫画が連載された当時(2015年)は、今ほど「人のように振る舞うAI」を想像できる時代ではありませんでした。しかし2020年代に入ってから、ChatGPTなどの対話AIが爆発的に普及し、作者が描いた“暮らしの中にAIが自然に存在する世界”が現実味を帯びています。

2. AIと医療・倫理の問題を正面から扱った点

『AIの遺電子』は「AI技術が高度になれば、AIにも“症状”が現れ、治療が必要になる」という独自の視点を提示しています。これによって、ケア倫理・AIの権利・AIの自己決定・社会の法体系など、現在まさに議論されている課題を先取りして描きました。

現実でも、AI医療機器の規制やAI倫理の国際ルール作りが進み、作品に描かれたテーマと深くリンクしています。

3. 生成AIや対話AIの社会影響を“続編で”描いていた点

RED QUEEN以降のシリーズでは、対話AIが社会インフラとして機能し、国・企業・生活者に大きな影響を与える姿が描かれます。

これはまさに現在の生成AIブーム、企業でのAI導入、AIによる業務効率化、自動化、個人アシスタント化などの潮流を早期に物語化したもので、「ChatGPT登場前にここまで描いていた点がすごい」と再注目されています。

AI時代の現在に読み返す意義

『AIの遺電子』が“いま”読み返される理由は、「現実がフィクションに追いつき始めたから」です。

・AIは人格を持ちうるか
・AIの健康とは何か
・AIは社会のどこまで担うべきか
・人とAIはどのように共存するべきか

こうした問いは、もはやSFではなく現実の問題となっています。

本作は「技術的な正しさ」よりも、「人間とAIの関係性とは何か」という根源的なテーマを扱っているため、今読むと現実社会の問題と強く重なり、より大きな示唆を与えてくれる作品となっています。

まとめ:『AIの遺電子』は“未来の記録”として読むべき作品

山田胡瓜『AIの遺電子』は、AIが社会・医療・倫理・人間関係に深く関わる未来を、誰よりも早く提示した作品です。連載開始から10年近くが経った今、作品が描いた内容が次々と現実化していることで、「予見の漫画」として存在感を増しています。

生成AI、ロボティクス、AI倫理などに関心がある人にとって、『AIの遺電子』は“これからの社会を考えるための教科書”にもなりうる作品です。ぜひ今の時代に読み返したい一冊としておすすめします。

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画像Source:Amazon

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