検索
         
  1. スマートウォッチライフTOP
  2. NEWS
  3. WHOOPが進める筋トレのトラッキング改革。大注目のトレーニング法・VBTを扱う企業の買収、クロスフィットとのタッグ結成も

WHOOPが進める筋トレのトラッキング改革。大注目のトレーニング法・VBTを扱う企業の買収、クロスフィットとのタッグ結成も

NEWS

2021.10.06

2021年9月2日、米国マサチューセッツ州ボストンに本社を置くWHOOP社がカナダ・トロントのスポーツ・テクノロジー会社『PUSH』を買収すると発表しました(*1)。

*1. WHOOP Acquires PUSH, the Velocity-Based Training Coaching Solution

WHOOPは以前に下記の関連記事でも紹介しました。

アスリート向けのフィットネス・トラッカーを製造・販売しているスタートアップ企業です。

関連記事:ディスプレイも時計機能もナシで本体は無料。サブスク型のフィットネス・トラッカー『WHOOP4』がアメリカで注目を浴びるワケ

買収されるPUSHもまた広く一般に知られているとは言い難いスタートアップ企業です。

それにもかかわらず、この両社がパートナーシップを締結したというニュースが、主に米国のスポーツ関係のニュースサイトで大きく取り上げられたのには理由があります。

source:PUSH // Train with Purpose

筋トレの世界で最も注目されるトレーニング法「VBT」

PUSHが専門としている分野はVBTと呼ばれます。

Velocity-Based Training(速度を基準としたトレーニング)の頭文字で、筋力トレーニングの世界では現在もっとも注目されている新しいコンセプトのトレーニング方法です。

伝統的な筋トレでは重量と回数を基準にしてトレーニング負荷を設定します。

例えば、ベンチプレス100キロを10回3セット挙げる、というやり方です。

VBTはそれよりもバーベルを上下させるスピードに着目することが大きな特徴です。

アスリートが無理なく正しいフォームで動けるスピードの基準速度を設定し、セッションごとに筋トレの負荷を調整します。

アスリートが自分の基準速度より速く挙上できる日は重量負荷を増やし、逆に基準速度より遅くしかできない日は重量負荷を減らします。

2020年に発表された研究(*2)では、VBTを活用することで、伝統的な筋トレより効率よく筋肥大の効果が得られるとしています。また、VBTはより正確にトレーニング効果を測定することができ、かつ柔軟的なトレーニング計画を立てることができると言われています。

*2. Comparison of Velocity-Based and Traditional Percentage-Based Loading Methods on Maximal Strength and Power Adaptations.

VBTの最大の難点は正確に自分の挙上スピードを測定するのが困難であることでした。

これまでは主に指導者がタイムウォッチで筋トレのタイムを計る方法が取られてきましたが、PUSHはバンドを着用することで、アスリート自身がアプリ上で正確かつ広範なVBT指標(スピード、回数、距離など)を確認することを可能にしました。

WHOOPのフィットネス・トラッカーにこの機能が搭載されると、ますますVBTを導入しやすくなることが期待されています。

世界最大のフィットネス団体クロスフィットとのタッグ

またWHOOPは2021年からクロスフィットの公式ウェアラブル・サプライヤーになっています(*3)。

*3. WHOOP BECOMES OFFICIAL WEARABLE OF CROSSFIT

既に多くのクロスフィット・アスリートが大会中にWHOOPを着用しており、大会期間中の心拍数や睡眠パターンの変動などの興味深いデータがWHOOP社のウェブサイトで公開されています(*4)。

*4. Average CrossFit Open Data from the WHOOP Community: Strain, Sleep, Recovery, HRV, Heart Rate & More

クロスフィットは、バーベルやダンベルを用いた重量挙げ、鉄棒や逆立ちなどの体操競技的種目、バーピーなどの自重トレーニングを組み合わせて、比較的短時間で効率よく総合的な運動能力の向上を目指します。

クロスフィットで行うこうした多種多様な運動動作は、ランニングや自転車などのように同じ動作を繰り返すタイプの有酸素運動に比べると、従来のスマートウォッチやフィットネス・トラッカーではパフォーマンスや効果を把握しにくいものでした。

関連記事:Apple Watch等のスマートウォッチが筋トレ効果の測定に向いていない理由とは?

WHOOP とPUSHが手を組むことで、筋トレ系動作のデータもウェアラブルで取得できるようになれば、世界中に200~300万人いると言われるクロスフィットのメンバーを通して、WHOOPの存在がアスリートやフィットネス愛好家の中でますます大きくなるかもしれません。

●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookは https://www.facebook.com/WriterKakutani

あわせて読みたい

ディスプレイも時計機能もナシで本体は無料。サブスク型のフィットネス・トラッカー『WHOOP4』がアメリカで注目を浴びるワケ

Apple Watch等のスマートウォッチが筋トレ効果の測定に向いていない理由とは?

※本記事のリンクから商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームより当サイトに還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報になります。
     

関連記事


   

RANKING

  1. Google Pixel Watch 4 がPixel Watch 3から進化した4つのポイントを徹底解説

  2. 【使用レビュー】CMF Watch 3 Proは“美しさと実用性”が共存した傑作スマートウォッチ!1万円台でここまでできる!

  3. 日本で購入可能なスマートリング徹底比較(2025年版)【使用レビューあり】

  4. Apple Watch新モデルはどうなる? 9月10日に発表が見込まれる最新噂まとめ【主要米メディア/有力インフルエンサー発】

  5. Nothingの最新スマートウォッチ「CMF Watch 3 Pro」の前モデル「Pro 2」からの進化ポイントを徹底解説

  6. 【進化完全解説】Galaxy Watch7とGalaxy Watch8の違いを徹底比較!デザイン・性能・健康機能が進化

  7. Xiaomi Smart Band 10 使用レビュー!軽量・高機能で1万円以下の最強スマートバンド

  8. 【2025年最新】1万円以下で買えるスマートウォッチ8選【コスパ最強!Xiaomi・HUAWEIなど】

  9. 【徹底比較】Samsung Galaxy Watch8/Watch8 Classic/Watch Ultra(2025)の違いを解説!

  10. 【2025年最新版】心電図(ECG)機能が使えるスマートウォッチまとめ|Apple・Garmin・HUAWEI・Google Pixel Watchを比較

   

NEW CONTENTS

  1. SUUNTO、次世代ランニングウォッチ「Suunto RACE 2」を発表

  2. スマートウォッチで運動継続率が7倍に! 2型糖尿病患者を対象にした最新研究が明らかに

  3. 「popIn Aladdin」と「スイカゲーム」の仕掛け人、程 涛(テイ トウ)氏とは何者か? 今は“健康機器の革命児”に転身

  4. ドイツ裁判所、「Apple WatchはCO₂ニュートラルではない」と広告の差し止め命令

  5. Apple Watch新モデルはどうなる? 9月10日に発表が見込まれる最新噂まとめ【主要米メディア/有力インフルエンサー発】

  6. セコム、カスハラ通報と録音ができる「iPhone」「Apple Watch」専用アプリを開発

  7. Apple、日本時間9月10日(水)午前2時に特別イベント。iPhoneやApple Watchの最新発表に期待

  8. サウナでもスマートウォッチを安全に!防熱カバー「ネツモリ®」がヨドバシカメラ全店舗で販売開始

  9. 【期間限定セール】Apple Watch対応「Qi2 3in1ワイヤレスチャージャー」が40%OFF!Verbatim新商品

  10. COROS、新アドベンチャーウォッチ「COROS NOMAD」を発表。釣り専用モードや音声メモ機能を搭載