スマートウォッチやApple Watchは、手首に装着するだけで心拍数や消費カロリーなどを自動的に計測してくれる便利なウェアラブルデバイスです。
しかし、計測精度には限界があり、装着する位置がズレていると計測に支障をきたします。
また、特に運動中は汗や振動の影響で心拍センサーの正確さが低下することがあります。
そして実は、スマートウォッチのつける位置を少し変えるだけで、心拍計測の精度を高めることが可能だということをご存じでしょうか?
この記事では、「普段はスマートウォッチを着ける位置はどこが適切か」「心拍計測の精度を上げるためにはどの位置がいいか」を詳しく解説します。
SUUNTOが推奨する「正しい装着位置」
普段みなさんがスマートウォッチをつけている手首の位置は、上の写真のように「手首の骨より少し上」あたりでしょう。
しかし、アウトドアスポーツ向けスマートウォッチで知られるSUUNTOの公式サイトでは、心拍センサーの精度を向上させるために、「手首の骨から少なくとも指 1 本分上の位置に装着」することを推奨しています。
これは、骨の出っ張りに近すぎるとセンサーがしっかりと肌に密着せず、光学式心拍センサーの光が漏れてしまい、計測精度が落ちるためです。
そしてバンドの長さを調整することで、スマートウォッチを手首にしっかりとフィットさせれば、スマートウォッチは常に肌に接した状態に。
そして光学式心拍センサーから光が漏れないようになるため、心拍計測の精度が向上するわけです。
また、つける位置が手首の関節部分に近すぎると、手を曲げたときに痛みや違和感が出やすくなります。
指1本ぶんだけ肘寄りにずらすことで、日常動作の邪魔になりにくくなります。
【参考サイト】Suunto ウォッチで手首から心拍数をより正確に計測する方法
運動時は「手首の骨から指2本分上」に装着を!
さらに運動時については、「スマートウォッチをできるだけ手首の上の方に装着し、運動中にウォッチが滑り落ちないようにすること」が大切とのこと。
目安としては、手首の骨から指 2 本分上のところに装着することが推奨されていました。
特にワークアウト中は腕の動きや汗でウォッチがズレやすくなるため、しっかりと肌に接触した状態を保てる上側(肘側)の位置に装着することが重要というわけです。
また、「ただし、締め付けすぎて血液の流れを妨げないように注意してください」との注意書きもあったので、キツすぎな装着感にならないようにご注意を。
一般的な腕時計との装着位置の違い
これらの情報からもわかるように、スマートウォッチは一般的な腕時計よりもやや上(肘側)に着けるのが理想的です。
・一般的な腕時計
→ 基本的に「手首の骨のすぐ下(手先側)」に着ける人が多い
→ 見た目のバランスや装着のしやすさを重視している
・スマートウォッチ
→ 手首の骨(くるぶし)から指1~2本分ほど上(肘側)に着けるのが推奨
→ センサーの精度を最大限に発揮するための装着位置が必要
ただし、ファッション性や日常の装着感を重視する場合、腕時計と同じような位置に着けることもあります。
健康系の計測数値を気にしない方は、日常使いは腕時計と同じ位置、運動時のみ少し上にずらして装着するといった使い分けをしてもいいでしょう。
Apple Watchも「運動時はきつめ装着」を推奨
Apple公式サイトでも、ワークアウト時の心拍計測精度を高めるために以下のようなアドバイスがあります。
・バンドをきつめに巻いて、運動が終わったら少し緩める
Apple Watchも光学式心拍センサーを採用しているため、肌にしっかりと接していることが、正確なデータ取得のカギになります。
スマートウォッチの位置がズレていると起きる問題
スマートウォッチを着ける位置が(特に手首側に)ズレていると以下のような問題が起こりやすくなります。
・心拍数の測定が不正確になる
手首の骨の上やくるぶし付近に装着すると、光学式心拍センサーの光が肌にうまく届かず、正確な計測ができません。
→運動量や消費カロリー、睡眠の質のデータもすべて影響を受けます。
・歩数・消費カロリーが正確でなくなる
心拍データや手首の動きからアクティビティを判断しているため、装着位置がズレると歩数やカロリー消費量にも誤差が出ます。
・血中酸素濃度やストレス計測が不安定になる
これらの計測には肌への密着が不可欠。ウォッチがずれて隙間ができていると、うまく測定できなかったり、計測自体がスキップされることもあります。
・通知のバイブレーションに気づきにくい
骨の出っ張りに乗っている、もしくは浮いて装着されていると、通知の振動が伝わりづらくなります。
・運動中にズレて邪魔になる、肌トラブルが起きる
ウォッチが滑って手の甲側にずれると、リストカールやプッシュアップなどの動きで不快感やケガの原因に。
また、ズレたまま締め付けが強いと、擦れて肌荒れや赤みが出ることもあります。
・GPSや運動記録のデータ精度も影響を受ける可能性
一部のモデルでは、腕の動きと心拍データを組み合わせてランニングやワークアウトの強度を判断するため、誤った装着位置では計測全体に影響します。
普段使いと運動時で装着位置を変えるのがベスト
・普段使い:手首の骨から指1本分上
・運動時:手首の骨から指2本分上にずらす
このように使い分けることで、日常の快適さと、運動時の計測精度の両方をバランスよく確保できます。
まとめ
スマートウォッチの心拍計測精度は、どこに装着するかで大きく変わることが分かっています。
「手首に巻けばOK」ではなく、手首のどの位置に、どのような締め具合で装着するかに気を配ることで、より正確な健康データの取得が可能になります。
スマートウォッチを最大限活用したい方は、ぜひ装着位置にもこだわってみてください。
●執筆者:スマートウォッチライフ編集部
日本初のスマートウォッチのウェブメディア。編集部には50本以上のスマートウォッチがあり、スマートウォッチ・Apple Watchの選び方や入門者向けの記事を多く配信しています。日本唯一のスマートウォッチ専門ムック本『SmartWatchLife特別編集 最新スマートウォッチ完全ガイド』(コスミック出版)を出版したほか、編集長はスマートウォッチ専門家としてテレビ朝日「グッド!モーニング」や雑誌『anan』(マガジンハウス)にも出演。You Tube「スマートウォッチライフ」(チャンネル登録者7000人程度)でも各種レビューを行っています!
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