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【100km走って検証】低電力モードのApple Watch、沖縄100Kウルトラマラソンの完走まで持つのか?

NEWS

2022.12.30

Apple Watchのwatch OS 9.1 で追加された機能のひとつに「低電力モードでのワークアウト」があります。

GPSや心拍数の常時測定をやめて、Apple Watchのバッテリーを長持ちさせるというもので、この機能を使うとバッテリーの駆動時間を大幅に長くできます。私の実感では、フルチャージの状態から通常4~5時間でカラになってしまうApple Watchのバッテリーが2倍以上は長持ちします。

アップル公式ヘルプページ:https://support.apple.com/ja-jp/HT213336

watch OS 9.1 がリリースされたのは2022年10月24日のことでした。

そのわずか2週間前の10月10日、私はヨセミテで8時間以上のトレッキングに挑みましたが、その半分ほどを過ぎたところでApple Watchがあえなくバッテリー切れをするという憂き目にあいました。

関連記事:ヨセミテでの8時間超のハイキングでApple Watchはやはりバッテリー切れになってしまった話

それ以来、長時間の耐久系ワークアウトとApple Watchのバッテリー駆動時間との関連は私の強い関心事になっていました。

そんな私にとってはwatch OS 9.1の「低電力モードでのワークアウト」は聞き逃せないキーワードだったのですが、その真価を試す絶好のチャンスがやってきました。それが12月18日に沖縄県那覇市で開催された第5回沖縄100Kウルトラマラソンです。

レース公式ウェブサイト:https://www.okinawa100k.jp/

アメリカ在住の私がなぜ沖縄のレースに参加したのかについては長い話があるのですが、本稿の本題ではないので省略します。

何はともあれ、100キロというとんでもない距離を走る長丁場のレースでApple Watchは低電力モードなら最後までバッテリーが持つかどうかを試してみたというわけです。

低温、強風、景色もよく見えなかった苦難の100キロ

不吉な雨雲に覆われ、風雲急を告げる(?)レース前日のゴール前

12月中旬とはいえ、何と言っても沖縄です。ちょうど暖かいか、あるいは走るには暑すぎる天候でのレースになるはずでした。

それでも海に沿って走るコースから見える真っ青な海と空が私たちを励ましてくれることを楽しみにしていたのです。

ところがレース当日の那覇は前日までの強い雨は降り止んだものの、重い雲が一日中空を覆い、日中の気温は12~14度ほど。

しかも風速10メートル(秒)以上の強風が吹き荒れるというコンディションでした。体感温度は実際の気温よりはるかに低かったはずです。

まさか沖縄で寒さに悩まされるとは予想もしていなかった私は、雨が降ったときに備えて持参していたレインコートを着込み、それでもブルブルと震えながらのスタートでした。

それでなくても早朝5時。日の出まで2時間以上もあります。

周りは真っ暗で何も見えず、強い向かい風に煽られ、体は冷え、時々雨が降ってきました。はっきり言って楽しい要素はひとかけらもありません。一体全体、何が私たちを走らせていたのでしょう。

日が上がり、明るくなっても、天候はさほど回復しませんでした。ずっとずっと曇り時々雨、強い風、肌寒い気温、です。

低体温症にかかりかけたランナーもいたと聞きました。せっかくの景色もよく見えません。海岸線に沿ったコースを晴れてさえいたらもっときれいなのだろうなあと思いつつ走った、大変切ない100キロでした。

コースのハイライト、ニライカナイ橋。こんな景色を眺めながら走ることができる、はずだった。

サブ10ランナーにはApple Watch Ultraは不要?

結果から言えば、私は100キロを走り終えました。タイムは13時間54分。制限時間の14時間にあと6分しか残っていなかった、まさにギリギリでの完走でした。夜明け前から走り始め、暗くなってからゴールに辿りついたわけです。

そこに到るまでの長い道のりには、苦痛とか苛立ちとか無力感とか、そしてもちろん歓喜とかもたくさんあったのですが、それらをひとつひとつ書いても他人には面白くともなんともないと思いますので、ここでも省略します。

本題であるApple Watchのバッテリーについて述べます。

結論としてはスタート後10時間26分でバッテリー切れとなりました。77.5キロを過ぎたところでした。

iPhoneに残されたデータ。右側地図の赤い点でバッテリーが切れた

低電力モードのApple Watchは画面表示も常時ではなくなります。

だからペースや心拍数などをこまめにチェックすることはできないのですが、私はあまり気になりませんでした。

エイドステーションで立ち止まったときに経過タイムと距離を確認するだけで十分だったのです。

バッテリーが切れてからの残り20キロ余り、時間にして約3時間を、それすらも分からずに走ったことになります。

と言うか、その頃はまさにヘロヘロで、歩いている時間の方が長かったとは思いますし、本音を言えば時計を見る気にすらなれませんでした。

やはり、ウルトラマラソンには通常のApple Watchでは不十分で、Apple Watch Ultra(市販価格12万4,800円!)を購入しなくてはならない。そんな結論を出すこともできそうです。

しかしながら、100キロを10時間以内で走り切ることができるランナー(サブ10と呼ばれて、尊敬されます)にとっては、Apple Watch Series 8 を低電力モードで使用さえすれば十分に用は足りることも今回の実験で明らかになりました。

脚力を鍛えてサブ10ランナーを目指すか、あるいは高額な支出を覚悟してApple Watch Ultraにアップグレードするか、いささか判断に迷うところです。もっとも、周りのウルトラランナーたちを見たところでは、Garminなど他のランニングウォッチを使っている人が多数派のようでした。

本当に完走したんだよ、の証拠写真

●執筆者プロフィール 角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー走部監督を務める。年に数回、フルマラソンやウルトラマラソンを走る市民ランナーでもある。フルマラソンのベストタイムは3時間26分。公式Facebookは https://www.facebook.com/WriterKakutani

 

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