Apple Watchの「心房細動履歴」機能は、心電図(ECG)機能に加えて、日常的な心拍のモニタリングから心房細動の傾向を記録・確認できる革新的な機能です。
心疾患リスクの早期把握と生活習慣の見直しに役立つこの機能について、仕組みや使い方、医療との付き合い方まで詳しく解説します。
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心房細動(AFib)とは?
心房細動(Atrial Fibrillation, AFib)は、心臓の上部(心房)が不規則かつ速く鼓動する不整脈の一種で、脳卒中や心不全のリスクを高めることが知られています。
特に高齢者に多く見られる病気で、自覚症状がないまま進行することもあるため、早期発見と経過観察が非常に重要です。
心房細動「履歴」機能とは?
Apple Watchの心電図(ECG)アプリや不規則な心拍の通知機能は以前から提供されていましたが、2024年5月から日本でも正式に「心房細動履歴(AFib History)」機能が使えるようになりました。
この機能では、Apple Watchが記録した心拍データをもとに、ユーザーが心房細動の兆候を示していた時間の割合(AFib burden)を週単位で確認することができます。
心房細動履歴の特徴
・Apple Watchが不規則な心拍の兆候を継続的にモニタリング
・心房細動が発生したと推定される頻度(1週間単位のパーセンテージ)をレポート
・健康アプリ上で視覚的に履歴を確認可能
・服薬、運動、睡眠、体重などとの関連性も記録・比較可能
対応モデルとOSバージョン
・Apple Watch Series 4以降
・watchOS 9以降がインストールされていること
・iOS 16以降を搭載したiPhoneとのペアリングが必要
AFib履歴機能の使い方
1. ヘルスケアアプリで有効化
・iPhoneの「ヘルスケア」アプリを開く
・「ブラウズ」→「心臓」→「心房細動履歴」をタップ
・画面の指示に従って機能を有効化
2. 初期設定時の医師の確認
Appleはこの機能の利用にあたって、AFibと診断された既往歴があるか、または医師からの確認を受けることを推奨しています。
3. 定期的に履歴を確認
・AFibの割合(例:今週は12%)を確認
・運動量や生活習慣の変化との相関を分析
医療との連携の注意点
この機能はあくまで「健康管理の補助」であり、診断目的ではありません。医師の診断を受けるための判断材料、または受診を促す「きっかけ」として活用すべきです。
注意:Apple Watchは日本国内では「医療機器」として認可を受けていないため、あくまでも参考データとしてご利用ください。
心房細動履歴を活用するメリット
・自覚症状がない心房細動を早期に認識できる
・生活習慣の改善がデータとともに行える
・医師との診察時に具体的なモニタリング記録を提示できる
・脳卒中などの重大疾患を予防するきっかけになる可能性
まとめ
Apple Watchの「心房細動履歴」機能は、心臓の健康を見守るうえで非常に有用なツールです。毎日の生活の中で自分の心拍リズムを継続的に観察し、異変の兆候を早期に察知できる可能性があります。医療機器ではないことを理解したうえで、健康管理の一助として賢く活用していきましょう。
その他のApple Watchの健康機能については、以下のリンクもぜひご覧ください。
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