「生成AI、便利そうだけど……結局どう頼めばいいの?」
そんな悩みに対して、かなり直接的な答えを出してきたのが山形県南陽市です。
南陽市は、実際に業務で使っている生成AIのプロンプトを、市民向けに“実例集(プロンプト集)748例”として公開しました。タイトルも潔く「一発OK!!」。フォームに必要事項を入れるだけで、すぐ使えるプロンプトが作れる仕組みになっています。
【詳細はこちら】 一発OK!! 市民も使える!生成AI活用実例集(プロンプト集)748例
自治体の取り組みですが、内容自体は文章作成・要約・アイデア出し・業務改善など、誰にとっても使い道があるもの。今回はこの公開が「なぜすごいのか」「どう使えば生活や仕事がラクになるのか」を、初心者目線で整理します。
Image source: Smart Watch Life (AI generated)
南陽市が公開したのは「業務で実際に使っている」生成AIプロンプト

一発OK!! 市民も使える!生成AI活用実例集(プロンプト集)748例 スクリーンショット
南陽市は、デジタル技術で市民生活を便利にする取り組みの一環として、生成AIの活用を進めてきました。公開ページでは、2023年4月から生成AIの活用実証を行い、2024年4月から正式運用を開始した流れが紹介されています。
そして今回のポイントは、単なる「活用しています」ではなく、実際に使っているプロンプトを、そのまま市民にも公開したことです。
言い換えると、ゼロから考えるのが難しい“AIへの頼み方”を、具体例として丸ごと見せてくれた形です。
使い方はシンプル。フォームで作って、手元のAIに貼り付けるだけ
公開されているプロンプトは、WEBフォームに必要な情報を入力すると作れる仕組みです。手順は次の通りと案内されています。
・フォームに必要な項目を入力し、画面下の「プロンプト作成」をタップする
・使用している生成AIを開き、入力欄に貼り付けて実行する
なお、フォームから直接AIを動かすわけではなく、あくまで「プロンプトを作る場所」として提供されている点も明記されています。
「プロンプトに迷ったらコレ」まで用意されているのが強い

生成AIでつまずきやすいのが、「何を選べばいいかわからない」問題です。
南陽市のページでは、プロンプトの選択に迷った人向けに、入口となるプロンプトも案内されています。たとえば、
・AIを使って、希望のプロンプトを探す
・1文でOK、あとはAIにお任せ(自立駆動型)プロンプト
・やりたいことをプロンプトに変換する
・生成AI対話エージェント
・ユーザー部門別生成AI活用シナリオ&推奨プロンプト作成
・ファクトチェック支援
のように、「まずここから入ってね」という導線が設計されています。
プロンプト集は量が多いほど迷いやすいのですが、最初の迷いを減らす“入口”があるのは、実務で回している組織ならではの作りです。
カテゴリが広い。つまり“誰でも使い道がある”
公開されているカテゴリは、文章作成・要約、文書校正・編集、アイデア創出・企画、業務改善、情報収集・分析、コミュニケーション支援、プログラミング、意識改革・スキルアップなど多岐にわたります。
この並びを見るだけでも、「日常のあらゆる場面でAIをどう使うか」という視点が詰まっていることが分かります。
なぜこの公開が「すごい」のか

自治体のAI活用というと、「何か導入しました」で終わりがちです。
でも南陽市の公開は、もっと踏み込んでいて、価値は大きく3つあります。
1) “頼み方”というノウハウを、具体例で配布している
生成AIの差は、ツールの性能よりも、実は「どんな指示を出せるか」で出やすいです。
南陽市は、その“頼み方”を、抽象論ではなくプロンプトとして並べています。これはAIの使い方の教材にもなります。
2) 「AIを戦略的に使う」という姿勢が明文化されている
公開ページでは、単にAIを使うのではなく、「AIを戦略的に使う」ことを目指しているとも記載されています。
ここが大事で、「便利だから使う」から一段上がって、「成果が出るように使う」に視点が移っています。
3) 市民向けに“試行”として出している(=改善前提で伸びる可能性)
この公開は地域DX推進として試行的に行うもので、公開を中止する場合があることも明記されています。
裏を返すと、今後プロンプトが追加される可能性もあり、実運用で改善されていく“生きた資料”になっていく余地があります。
立場別に見ると、こんな使い道がある

ビジネスパーソンなら
会議議事録の要約、メール返信のたたき台作成、企画書の構成案づくり、報告書のブラッシュアップなど、時間を取られがちな業務を効率化できます。具体的なシーンを想定したプロンプトが多く、実務への落とし込みがしやすいのが特徴です。
学生なら
レポート構成案の作成、論文要約、プレゼン資料の骨子設計、自己分析やキャリア整理などに活用できます。テーマに沿った文章生成や要点整理の支援は、学習の補助ツールとしても役立ちます。
プライベートで使うなら
イベント企画、目標設定、自己分析、健康管理、日記の整理など、生活全般にも応用できます。生成AIを「仕事専用」ではなく、「日常の整理役」として使うヒントが見えてきます。
まとめ:規模の大きさゆえの“惜しさ”と、初心者への強い訴求力
南陽市のプロンプト集は、「AIを使ってみたいけど、頼み方がわからない」という人にとって、非常に心強い資料です。
フォーム入力でプロンプトを作り、手元のAIに貼るだけ。しかも748例という圧倒的なボリューム。
一方で、これはすごい規模であるがゆえの悩みもあります。数が多いぶん、目的のプロンプトにたどり着くまでに迷いやすく、直感的に使える設計とは言いにくい部分もあります。
「全部入り」で網羅するのはお役所らしくて頼もしい反面、もう一段階、初心者向けの“最短ルート”が明確になると、さらに使いやすくなるはず――。そんな小さな皮肉も感じます。
ただその一方で、役所のページを律儀に見に来るような層、そして生成AIをまだ一度も触ったことがない人にとっては、このページを眺めるだけでも「こんなにいろいろなことができるのか」と感心するには十分すぎるボリュームです。
網羅性ゆえの扱いにくさと、網羅性ゆえのインパクト。その両面を抱えながらも、自治体がここまで踏み込んで公開した意義は、やはり大きいと感じました。
Source:南陽市 公式サイト
あわせて読みたい関連記事
そのほかPC関連のスキルを無料で学べる教材を探している方は、以下の記事が参考になります。
生成AI・PCスキルを無料で学ぶ|国・大学・企業が公開する実践教材10選
最新記事や人気記事を探すなら、Smart Watch Lifeトップページへ。
はじめての方・記事の探し方に迷った方へ
記事が多くて迷ったら、
記事の探し方ガイド
から目的別に読めます。











