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ハーバード大学、Apple Watchの睡眠データ約94,000夜分を分析|更年期前後の睡眠パターンの変化を発表

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公開日: 最終更新日:

海外メディアの9to5Macによると、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の研究チームが、Apple Watchで記録された約94,000夜分の睡眠データをもとに、更年期前後(ペリメノポーズ)にあたる時期の睡眠パターンの変化を分析した結果を発表しました。Apple Watchがいま、医療研究の現場で大規模なデータソースとして本格的に使われ始めていることを示す内容で、女性の健康をテーマにした注目度の高い研究です。

Source: 9to5Mac

94,000夜分のApple Watch睡眠データを分析した大規模研究

今回の研究は、Apple Research App上で展開されている「Apple Women’s Health Study(Apple女性健康研究)」の一環として行われたものです。Appleは数年前から、Apple Watchを大規模なヘルス研究のデータ収集端末として活用しており、女性の健康研究のほかにも、心臓と運動の研究、聴覚の研究などをパートナーと進めてきました。

研究パートナーにはハーバード大学やブリガム・アンド・ウィメンズ病院、米国心臓協会、ミシガン大学などが名を連ねており、Appleが2025年2月に発表した時点で、これらの研究の参加者は米国で延べ35万人を超えるとされています。今回ハーバードが公表したのは、その中の女性健康研究から得られた、更年期と睡眠に関するレポートです。

対象は25〜59歳の参加者338人、その大半は更年期前後の年代

分析対象になったのは、25歳から59歳までの338人の参加者から得られた、合計94,000夜分以上のApple Watch睡眠データです。年齢構成上は45〜59歳の女性が大多数を占めており、まさにペリメノポーズから閉経に向かう年代に焦点が当たっています。

Apple Watchが日常的に睡眠時間や中途覚醒を計測しているため、本人が「最近よく眠れていない気がする」という主観的な感覚だけでなく、長期間の客観的データから変化を追えることが、今回の研究の大きな強みになっています。

最終月経の前後12か月で「中途覚醒」が増える傾向

研究チームの報告によると、最終月経があった月の前後12か月では、夜間に目が覚めている時間が増えた参加者が多く見られたといいます。具体的には、閉経の前後12か月を比べると、閉経後のほうが睡眠時間のうち約0.8%多く目が覚めていた、というデータが示されました。

また閉経直前の18か月間に注目すると、睡眠データのある女性のうち60%でWASO(睡眠開始後の覚醒時間)が、それ以前の6か月と比べて平均7%増加していたとのことです。眠りに就いたあと、夜中に目を覚ましている時間が少しずつ伸びていく傾向が、Apple Watchの数値ではっきり見えるかたちで現れています。

更年期症状の出方には大きな個人差がある

一方で研究チームは、結果には大きな個人差があったことも強調しています。閉経後に夜間覚醒が大幅に増えた人もいれば、有意な睡眠の変化がまったく見られなかった人もいて、ひと言で「更年期に入ると眠れなくなる」とは言い切れない結果になっています。

同じ研究では、参加者が自己申告した更年期症状もまとめられており、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)が82.3%、イライラなどの情緒不安定が68.1%、メンタル面の疲労感が65.7%、性的な症状が65.6%という頻度で報告されています。複数の症状が同時に出ているケースも多いことがうかがえる内容です。

睡眠の悪化と関係が深かった症状

重い更年期症状を訴えた参加者のなかで、特に睡眠の質の悪化と関連が強かったのは、頻尿などの膀胱まわりの症状、関節の不調、胸の違和感、抑うつ症状の4つだったといいます。「ホットフラッシュで眠れない」というイメージが強い更年期ですが、実際にはそれ以外の不調も睡眠の崩れに直結している可能性が示された形です。

研究チームが提案する、更年期世代の睡眠改善のヒント

レポートのなかで研究チームは、ペリメノポーズ世代の女性が睡眠の質を保つためのヒントとして、いくつかの生活面のアドバイスも紹介しています。

・寝室の温度を低めに保つ
・毎日できるだけ同じ時間に寝起きする
・運動の習慣を取り入れる
・膀胱を刺激しやすい飲み物を避け、就寝前の水分摂取を控えめにする
・就寝前のリラックス・マインドフルネスを意識する

どれも特別な機器が必要なものではなく、Apple Watchで睡眠時間や中途覚醒をチェックしながら、生活習慣を少しずつ調整していくスタイルと相性のよい内容です。

Apple Watchが「個人のガジェット」から「研究インフラ」へ

今回の発表で改めて見えてきたのは、Apple Watchが個人の健康管理のツールであると同時に、本格的な医学研究のデータ源にもなりつつあるという事実です。94,000夜という規模のリアルワールドデータが、ハーバード大学クラスの研究機関の論文の根拠として使われていることは、スマートウォッチで取れる数値の信頼性が、医療側からも一定の評価を受けていることを物語っています。

更年期は当事者にとってとてもデリケートなテーマで、症状の出方や受け止め方も人それぞれです。だからこそ、自分の睡眠の変化を「気のせいかもしれない」で終わらせず、客観的なログとして残してくれるApple Watchのような端末は、医師やパートナーとの会話のきっかけにもなり得ます。

まとめ

ハーバード大学による今回の研究は、Apple Watchの睡眠データを使って、ペリメノポーズから閉経にかけての睡眠パターンの変化を、これまでにない規模で可視化したものです。閉経前後で中途覚醒が増える傾向、症状の個人差の大きさ、悪化要因となる症状の組み合わせなど、多くの示唆が得られています。

Smart Watch Lifeでは、Apple Watchやスマートリングなどのウェアラブルデバイスがどのように医療・研究の現場に組み込まれていくのか、今後も引き続き追いかけていきたいと思います。日々のApple Watch生活のなかで、睡眠や心拍などのデータを上手に活用するためのヒントは、関連記事もあわせてチェックしてみてください。

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